2014年6月24日 (火) 掲載

◎目指せ型枠大工 高技専門学院唯一の訓練生 北村さん奮闘

 北斗市の北村高浩さん(27)が、型枠大工職人を目指し奮闘中だ。道立函館高等技術専門学院(水野司学院長)の訓練を一人で受けており、訓練後は能力・適性を見極めて企業に採用してもらう運びだ。訓練期間は後半に突入、目標に向かって全力で打ち込んでいる。

 同学院は当初、通常の委託訓練として型枠大工養成科の受講生(定員6人)を募集したが、応募が一人だけだった。このため、求人セット型訓練(求人者委託訓練)に切り替え、採用を前提とした求人事業所による訓練を行っている。

 訓練場所は丸伊小林建設資材センター(中野町)。小林正宏専務や小林弘二センター長が講師となり、型枠作りの基礎を教えている。期間は5月12日〜7月11日の240時間。

 北村さんはコンビニエンスストアのアルバイト店員をしており、建設業は未経験。北村さんは「聞いたことがない職種だったが、(やるかやらないか)判断するには何事も経験するのが一番だと思った」と応募の理由を話す。

 「苦労もあるけれど、型枠ができたときは達成感がある。コンクリートを流し込む枠を作る職人は縁の下の力持ちで、重要な役割を担う。訓練後は見習いでもいいので、型枠大工として働きたい」と話す。

 同社の小林伊佐夫会長は「型枠大工職人は25人いるが、仕事量が増えると足りない。訓練を通じ、次に続く若い人が出てきてくれればありがたい」と期待を込める。

 北海道型枠工事業協同組合函館支部(小林支部長、8社)によると、道南での型枠大工人数は現在300人弱とピーク時より200人以上も減ったという。高齢化に加え、北海道新幹線工事を含め仕事量が増えたことが要因とみられる。(山崎大和)



◎気分は土方歳三――。児童ら殺陣学ぶ

 NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)は22日、五稜郭公園内の野外劇特設会場で「楽しく殺陣(たて)を」を初めて開いた。小・中学生の部に約20人、一般の部に高校生や大学生など約10人が参加し、専門家から“正しいチャンバラ”を教わった。

 野外劇では箱館戦争の場面で、土方歳三らが戦う殺陣のシーンがあり、体験してもらうことで観劇に興味を持ってもらおうと企画。講師は全国で活躍し、野外劇でも振り付けをする殺陣師の河口博昭さん(47)。最近は人気漫画にもチャンバラシーンがあり、子供は新聞紙を丸めて刀を作り、興味津々で取り組んだ。切る役では刀の構え方や振り方、足の動かし方などを、切られる役ではアクションを大きくし、早く、上手に倒れることなど、お互いのルールを学んだ。

 参加した函館千代田小6年の青田懸(かける)君は「指導が分かりやすく、楽しかった。野外劇はダンスで参加したことがあり、将来は殺陣も挑戦したい」。河口さんは「子どもたちの元気の良さに驚いた。ぜひ野外劇を見に来てほしい」と話していた。(山崎純一)



◎JR江差線 貨物、旅客の運行再開 きょうから通常に

 【木古内】木古内町のJR江差線札苅駅構内で22日、貨物列車が脱線した事故で、JR北海道は23日午後7時半ごろまでに復旧作業を終え、貨物輸送を再開した。旅客輸送も同10時札幌発新青森行き「急行はまなす」から再開。24日は、2日ぶりに通常運行に戻る。

 同社によると、22日午後10時45分ごろから70トンクレーンを使って脱線した貨車を線路に戻し、23日午前3時半ごろに貨車を木古内駅に移動させた。約1キロにわたって損傷したコンクリート製の枕木は、約550本を交換して午後1時5分ごろまでに作業が完了した。

 札苅駅構内での試運転などすべての作業を午後7時25分までに終了。午後10時札幌発新青森行きと、同10時18分新青森発函館行きの「急行はまなす」から運転を再開させた。2年前に2度にわたって発生した脱線事故を踏まえ、五稜郭—木古内間の半径350メートル以下のカーブ12カ所の整備基準値を厳しくするほか、同所の速度制限を65キロから45キロに減速とすることを決めた。

 国交省運輸安全委の鉄道事故調査官3人は午前7時ごろから調査を再開。JR社員や警察などとともに、脱線痕が見つかった約1キロ手前のレールや破損した枕木、橋梁の橋脚部分を入念に確認。脱線した貨車が停車する木古内駅にも移動して車輪やコンテナなどを調べたほか、JR社員への聴き取り調査も行ったとみられる。

 この日は復旧作業と連日の調査で、函館—新青森間のスーパー白鳥、白鳥の特急22本、函館—木古内間の普通列車18本など計43本が運休し、約6200人に影響した。この2日間で、運休は105本、影響人員は約1万2200人。札幌—大阪間の「寝台特急トワイライトエクスプレス」の下りと、札幌—上野間の「寝台特急カシオペア」の上下線2本の乗客はバスで代行輸送した。

 JR貨物によると、貨物列車は56本が運休。道内の農作物が中心に本州方面に運べないことから、一部トラックとフェリーによる代替輸送が行われた。(小林省悟)


◎立派なリンゴになって 大妻高2年生が実すぐり体験

 大妻高校食物健康科2年の生徒37人は23日、トトロの里冨原観光果樹園(冨原孝一代表)でリンゴの実すぐり(摘果)を体験した。

 授業の一環で、農作業を通じて生産者の苦労や努力を学び、食材を大切に扱う心を養う。冨原さん(80)はおいしいリンゴを育てるための工夫や味などを生徒たちに説明。「体験を通じて多くのことを知り、料理作りに生かしてほしい」と話した。

 同校がオーナーを務める「津軽リンゴ」2本と、同園の持つ「アルプス乙女」2本で実すぐりを体験。生徒たちは、おいしく立派なリンゴが育つよう、不要な果実をもぎ取った。成長したリンゴは秋ごろに収穫し、創作料理発表会で調理する予定。

 前小屋華月さん(17)は「もったいない気持ちもあったが、必要なことだから、体験できて良かった」、小路由希子さん(16)も「小さいリンゴをとるのが悲しかったが、その分、おいしいお菓子を作りたい」と意欲を見せた。(虎谷綾子)