2014年6月28日 (土) 掲載

◎「介護中」知って下さい 市がマーク無料配布

 函館市は、高齢者らを介護している家族を対象に、介護中であることを周囲に知らせるための介護マークの無料配布を始めた。「家族介護者を温かく見守る地域づくりを進めたい」としている。

 マークは、認知症患者を介護する家族を支援しようと、2011年度に静岡県で考案されたのが始まり。県内で反響を呼んだことから、厚生労働省が全国各地の自治体に普及を呼び掛けている。

 首からかけられるようにケースに入っており、人が人を支える形にした全国共通のデザインを採用。市高齢福祉課は、主に駅や商業施設などのトイレに介護者が付き添う際や、男性介護者が店頭で女性用の下着を買う際などに有効としており、「出かける時に介護中だと知ってもらうことで、負担感の低減につながるのでは」としている。

 マークは300枚作成し、市役所本庁舎や各支所、地域包括支援センターで、家族介護者1人につき原則1個配布している。また大型量販店や公共施設などに啓発ポスターを配布し、周知を呼び掛けていく。問い合わせは同課(TEL0138・21・3081)へ。(千葉卓陽)



◎もうすぐ七夕 準備着々

 7月7日の「七夕」を前に、駄菓子やおもちゃなどの商戦が活発になってきた。函館では、子どもたちが民家や店を訪ねてお菓子をもらう風習があり、駄菓子屋などに足を運ぶ市民も目立ち始めた。一方、イベントを企画する公共施設や町会も準備に余念がない。

 バラエティショップあさひや(千代台町31、大坂昭夫店主)では、お菓子の袋買いや駄菓子くじの箱売り、お菓子の詰め合わせなどの商品が盛りだくさん。色とりどりの七夕飾りも扱う。お菓子は単品だと10円からあり、多い人では200人分を購入する人も。最近はお菓子ではなく、水ヨーヨーを配る人もいるという。

 大坂店主(43)は「七夕の2週間ぐらい前からお客は来ており、直前まで購入が続くだろう。お菓子以外のグッズも豊富なので見に来てほしい」と勧める。

 函館市亀田本町19のはこだて子どもセンター(函館亀田青少年会館)は7月7日午後5時半から、同センターで七夕まつりを開く。センター近隣の10家庭ほどが協力。参加者はセンターでカードをもらい、そこに掲載されている家庭を訪問すると「ひかるヨーヨー」がもらえる。

 センター職員は当日に向け、折り紙で織り姫やひこ星、星、ちょうちんなど、協力家庭に飾る七夕飾りも製作中。中川ひとみ副館長補佐は「地域ぐるみで取り組む恒例の行事。たくさんの子どもに参加してほしい」と話す。

 青柳町会(村本朝次郎会長)では、6月中旬から七夕に向けた準備を始めた。青少年育成部を中心に、七夕飾り作りや配るプレゼントの用意を進めている。

 七夕は10年ほど続く恒例行事で、毎年多くの子どもたちが足を運ぶ。竹を豪華に飾った七夕飾りも好評で、町会は「今年も多くの子どもたちが来て、喜んでもらえるようにしたい」と張り切っている。(山崎大和、平尾美陽子、虎谷綾子)



◎日本海 イカ分布密度高く

 道総研函館水試(金森浩一場長)は27日、桧山沖から後志沖にかけてのスルメイカの分布密度調査を発表した。沿岸から沖合まで海域全体で密度が高く、日本海側に広く漁場が形成されていることが分かった。

 漁期前の5月下旬に松前沖〜秋田県沖の日本海で行った調査では、密度が低く北上の遅れが指摘されていたが、その後群れが北上し漁場を形成したとみられる。

 今回は、同水試の試験調査船「金星丸」(151トン、イカ釣り機5台、集魚灯20灯)で今月18〜26日、渡島大島西方から積丹半島西方沖にかけて調査した。

 7地点で分布密度を調べた結果、イカ釣り機1台1時間当たりの漁獲の平均は49・3匹で、現在の調査形式となった2010年以降で最も高かった。特に瀬棚沖合84・9匹、積丹半島西方沖70・1匹と沖側でも高い値を示した。

 最も多く捕れたイカの胴長(サイズ)は昨年と同じ18センチだが、昨年に比べ魚体のばらつきが小さい。イカの分布目安となる水深50メートルの水温は沖側が高く、全体的に昨年と同程度か高めだった。

 澤村正幸研究主査は「序盤の北上の遅れを取り戻した。まだ松前沖に群れがいると考えられるが、今後は水温が急激に上昇すれば、北上が早まることもあるので注意が必要」とし、例年7月から始まる太平洋側の群れの漁獲については「北上が遅れる可能性がある」としている。(山崎大和)


◎函館市議会、議案可決し閉会

 函館市議会第2回定例市議会は27日、本会議を再開し、本年度の一般会計補正予算案など議案26件を原案通り可決し、閉会した。

 可決した大間原発訴訟基金条例の採決では、市民クラブの2氏が退席。市民らからの寄付金を同基金に積み立て、今後の訴訟関連費用の財源とする。市夜間急病センター条例の改正では7月1日から同センターの診療時間が30分延長され、午後7時半から午前0時半までとなる。

 任期満了に伴う市議会推薦の農業委員会委員には、引き続き、佐々木信夫氏を推薦することを決めた。また、地方財政の充実・強化を求める意見書、「消費税10%」実施の中止を求める意見書など、意見書案10件を可決した。(今井正一)