2014年6月4日 (水) 掲載

◎矢不来天満宮の鳥居完成

 【北斗】雪の重みで損壊した矢不来天満宮(矢不来138、中村卓司宮司)の第三鳥居の建設工事がこのほど、完了した。7日午前11時、同天満宮で棟上式や渡り初め式、奉告祭を行い、完成を祝う。中村宮司は「心配をかけた多くの人に良い報告ができます」と話している。

 第三鳥居は2012年2月24日未明、降り積もった雪の重みで笠木が落下した。築40年以上経過した木製の鳥居で、もともと柱部分の老朽化が激しかったが、中村宮司は「落ちた笠木を見て驚いた。翌日、春の祭りが予定されていたので、けが人が出なかったのが何より」と振り返る。

 この鳥居損壊は新聞やテレビで報じられ、道内各地の氏子らから中村宮司のもとに心配や励ましの電話が多数あり、寄付も寄せられたという。

 その後、氏子の役員会で修復に向けた協議が重ねられ、柱も含め全面建て替えをすることで決定。境内の樹齢160年のヒバを12年10月に伐採し、建材として使った。  1年半ほど乾燥させた後、市内の工務店に発注して今年4月から建築工事に取り掛かり、先月下旬に完成した。

 鳥居は損壊前とほぼ同じ高さ約5bで、柱の根元などに銅板があしらわれている。笠木に雪が積もりにくい構造にするなど損壊を防ぐ工夫が施されている。

 毎年9月24〜26日に開かれる例大祭は今年、3年に1度のみこし行列があり、中村宮司は「例大祭に間に合って良かった。先代から懸案となっていた鳥居の修復も解消された」と話している。(鈴木 潤)



◎田植えは大変 大妻高生挑戦

 【北斗】函館大妻高校(池田延己校長、生徒432人)食物健康科1年の35人が3日、北斗市東前の稲作農家、山本隆治さん(61)方の水田で田植えに挑戦した。好天の下、生徒たちはぬかるんだ田んぼにはだしで入り、道南ブランド米「ふっくりんこ」の苗を1つ1つ丁寧に移植した。

 山本さんは、函館育ち南部米品質向上委員会の副委員長を務めるコメ作りのベテラン。今年は10eの田んぼを、きれいに代かきして生徒たちを迎えた。

 総合学習の一環で、JA新はこだてが協力。生徒は植え方の説明を受けた後、田んぼに入り、田植えを開始。1時間ほどで終え、食の大切さを学んだ。関口愛理さん(16)は「田植えは初めて。1つ1つ苗を植え、農家の大変さを感じた。将来は、若い人からお年寄りまで食べられる体に良い料理を作りたい」と話した。

 収穫までは山本さんが管理する。同科では10月に稲刈り、脱穀、精米、12月に創作料理を振る舞う。(斎藤彩伽)



◎函西、上磯 1学級減…公立高配置計画案

 道教委は3日、2015〜17年度の公立高校配置計画案を公表した。渡島管内は17年度に函館西、上磯、函館工業定時制で各1学級減とする案を新たに盛り込んだ。桧山管内は現状維持とした。

 道内の中学校卒業者数は年々減少しており、渡島管内では17年度、前年と比べて139人減の3311人となる見込み。生徒数の減少などを理由に、函館西では現状の4学級から1学級減って3学級に。本年度の入学者数が定員(80人)の約半分にとどまった上磯も2学級から1学級への1減となり、地域からは不安の声も上がる。

 函館工業定時制は、本年度の入学者数が定員120人に対し電気科4人、建築科6人、機械科23人の計33人と大幅な欠員が出た。道教委は「学科の生徒数が10人未満で、その後も生徒数増が見込まれないことから再編が必要」と説明。16年度の計画で1学級減が決まっており、17年度にも1つ減り、最終的には1学級となる見通し。同校は「学級数減にならないよう生徒確保に努めてきたが、今後は学科再編も含め検討していきたい」とする。

 計画案の公表を受け、函館市の山本真也教育長は「中学校卒業者数が減少していることから、学級数減も現実として受け入れなければならない。今後も生徒数の減少傾向が続くことから、学校や生徒たちの将来的な姿を見据え、環境整備していくことが重要」と受け止める。

 計画案は7月に開く地域別検討協議会での協議を経て、9月に正式に決定する。(虎谷綾子)


◎政務活動費 使用率53・2%…市昨年度

 函館市議会は2013年度の政務活動費収支報告書を公表した。全5会派の交付総額に対する使用総額は前年度比19・2ポイント減の861万3430円、使用率は同12・6ポイント減の53・2%だった。議員の研修会参加や視察調査が減少したことが要因とみられる。

 政務活動費は昨年度、議員一人当たりに月額4万5000円支給しており、総交付額は1620万円。使用した活動費は1円から領収書を付けて会派ごとに市に報告する規定で、未使用の758万円は市に返還された。

 会派別の使用率は市政クラブ(11人)が45・6%、民主・市民ネット(8人)が53・0%、公明党(4人)が60・1%、市民クラブ(4人)が59・0%、共産党(3人)が64・4%。全会派とも前年度の使用率を下回っている。

 支出別ではコピー機やパソコンのリース代などの事務費や、新聞購読料などが該当する資料購入費、視察や研修に使う調査研修費などがある。このうち事務費での支出が最も多く、5会派合計で322万円と、全体の37%を占める。広報広聴費は4会派が市政報告の発行に使った一方、1会派は全く使わなかった。

 研修費は5会派合計で15件、98万円、調査研究費は同54万円で各会派1件ずつと少なかった。会議費、資料作成費での使用はなかった。

 政務活動費は法改正に伴い、昨年度に「政務調査費」から名称変更。交付目的が調査、研究以外の「その他の目的」が加えられ使途範囲が拡大されたが、市議会は全国市議会議長会が支出を認めている「要請・陳情活動費」の使用を認めていないほか、同じく議長会が認める「会議費」も、意見交換会や各種団体が開く会議への参加経費に限定している。  昨年度の収支報告書は市議会のホームページのほか、市役所7階の議会事務局で見ることができる。(千葉卓陽)