2014年6月5日 (木) 掲載

◎新幹線駅名 「新函館北斗」有力に

 2016年3月開業予定の北海道新幹線で、北斗市市渡に建設中の新駅の名称について、「新函館北斗」が有力候補として浮上している。新駅名に関しては、JR北海道の島田修社長がかねて「道の意見を聞いて決めたい」としていたが、4日、道が新函館北斗をJR側に推薦するとの情報が流れ、駅名問題が大詰めを迎えていることが明らかになった。駅名の決定権を持つJR北海道は今月中にも発表する見通しだ。

 駅名を巡っては、長年誘致活動をしてきた函館市が「新函館」、駅が建設される北斗市が「北斗函館」を主張。両市は昨年12月から今年4月にかけて駅名の協議を3回開いたが、一本化には至らず、駅名の決定をJR北に委ねることで申し合わせていた。

 4日に開かれた道議会の特別委員会で駅名にかかわる質疑が行われ、道側は「JR側から駅名にかかわる打診はなく、JR側とは今まで接触もしていない」とし、新函館北斗の推薦方針とした報道についても「現段階では決まっていない」と否定した。

 新函館北斗は昨年10月、函館商工会議所の松本栄一会頭が提起した案。私案が取りざたされていることについて、松本会頭は「函館、北斗両方の地名が入っているので、両市に配慮した折衷案だと考える。感情問題を後に残すこともないのでは」と話す。

 函館、北斗両市の担当幹部は「道から何も聞いていない」とし、駅名については「(駅名協議の際の)申し合わせ事項を踏まえ、決定については真摯(しんし)に受け止めたい」としている。

 高橋はるみ知事は6日まで外遊しており、帰道後にJR北と会談するとみられている。(鈴木 潤、松宮一郎)



◎北斗の拳で町おこし

 【北斗】1980年代にテレビアニメや漫画で大ヒットした「北斗の拳」と「北斗市」を結び付け、北海道新幹線開業に向けた町おこしをしていこうと、市内農水産業や商工業の若手有志による発起人会が3日、立ち上がった。新幹線開業まで2年を切り、同会は「全国へ市をPRする取り組みをしていきたい」意気込みを見せている。

 同日夜、商業活性化支援センターエイド03(飯生)で会合が開かれ、農協、漁協、商工会の各青年部員や市議15人が出席。“北斗つながり”を生かして知名度の向上やファンの誘客を目指していくことを確認した。

 取り組みの第一弾として、漫画に登場するキャラクターの漆黒の馬「黒王号」の等身大フィギュア(縦横4メートル)を市内に常設展示する活動を進める。

 同会によると、東京の版権管理会社がフィギュアを管理しており、4月の大阪のイベントで展示された際には、大勢のファンが来場したという。

 発起人会では「北斗市に黒王号を呼ぶ会」と称して、今後署名活動などをしながら誘致をしたい考えだ。。

 さらに管理会社を通じて作画を担当した漫画家、原哲夫さんらとの結び付きを強め、新幹線開業に合わせた記念イベントの企画も検討していく。

 発起人会の高村智さんは「経済効果、集客効果が見込める取り組み。市民、道南全体で機運を高めていきたい」と話している。

 発起人会では、黒王を誘致するための署名を呼び掛けている。問い合わせは高村さん(рO90・1643・1887)へ。(鈴木 潤)



◎函館に競馬シーズン到来、14日開幕

 JRA函館競馬場(駒場町12)では、14日の開幕を前に競走馬の調教が本格化している。4日現在、厩舎(きゅうしゃ)には約220頭が入り、早朝から調教場に向かい、トレーニングを積んでいる。

 同競馬場では5月22日から入厩が始まった。調教は、馬が運動すると体温が上昇することなどを考慮して早朝に行う。午前5時ごろから厩舎周辺などを歩いた後、同5時25分に調教場が開放されると、ウッドチップコースや、レースで使うダートコースで体を動かしていた。1頭約25分程度で厩舎に戻る。

 入頭数が最も多くなるのは、函館競馬開催期間(7月20日まで)の半ばごろで、一般を対象とした公開調教も予定されている。(山崎純一)


◎募金、メッセージカードで大間原発訴訟を応援

 大間原発(青森県大間町)建設に反対する函館の市民団体「バイバイ大間原発はこだてウォーク」が、市が東京地裁に起こした建設差し止め訴訟の初弁論(7月3日)に向け、応援プロジェクトに乗り出した。訴訟費用に充てる「イカイカ募金」と「ゴーゴー市長! 応援メッセージカード」の2本柱で、多くの市民が気軽に参加できる仕組みとして考案した。

 4日、市役所でメンバー8人が記者会見した。イカイカ募金はイカ20匹を作り、足に見立てた靴ひもを1匹当たり10本付けた。この足に50円玉を通す仕組みで、小額でも寄付ができる。1匹当たり5万円分を集め、目標額は計100万円とする。15日に市役所からJR函館駅前、函館朝市にかけて行うウオークでも、イカを持ち込んで募金を呼び掛ける。

 振り込み希望者にも対応、募金額は50円玉に替えてイカの足につなげる。郵便振替口座は「バイバイ大間原発はこだてウォーク 番号02780—5—69876、イカイカ募金と明記)。

 今月27日までに募金とカードを集め、初弁論の前に工藤寿樹市長に目録を手渡す予定。集まったカードは初弁論後の報告会(参院議員会館)でも披露する。

 ピーター・ハウレットさん(59)は「大口の寄付でなくても、一人一人の市民が応援できる仕組みがないのかという要望があった。子どもでも参加できるので、応援の気持ちを形にして市長を東京に送り出したい」と話す。

 問い合わせは高橋さん(TEL080・5590・4117)へ。(山崎大和)