2014年6月6日 (金) 掲載

◎イカ漁 出足低調 

 

 道南スルメイカ漁は1日の解禁以降、漁獲がまだ本格化していない。松前沖にまとまった群れが来遊していないためで、初水揚げは2011年以来の記録的な不漁となった。低調の理由について、研究者は低水温によるイカの北上の遅れや近年続く漁期が後ろへとずれ込む傾向が影響しているのではないか指摘する。  函館市農林水産部によると、市水産物地方卸売市場でのスルメイカ取扱量は2日が130`、3日が725`、4日が4315`となり、上向いてきているが、安定していない。

 道総研函館水試(金森浩一場長)の澤村正幸研究主査は「低水温が一つの要因と考えられる。また、近年見られる漁期のずれ込みも影響しているのではないか」と指摘。気象庁のデータによると、解禁前の道南日本海での表面水温が平年より1度ほど低い状態が続いたという。3日現在では、イカ来遊の下限とされる12度の水温帯が石狩海域まで広がっている。

 澤村さんは「日本海全体では、ある程度の資源はいると考えられるので、このまま漁期が終わることはないだろう。例年だと6月下旬に日本海側の漁獲ピークを迎え、7月以降太平洋側の群れも北上するので、今後漁獲は上向くと思われる。ただ、豊漁になるかどうかは漁場形成の良否が関わってくる」と話す。

 一方、水温が急激に上昇して群れの通過が早まり、漁場形成時期が短くならないか注意が必要としている。(山崎大和)



◎過去最大の客船 8日初寄港 乗客向けツアー販売

 函館港で過去最大の豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」(11万6000d)が8日に初寄港するのに合わせて、乗客向けオプショナルツアーを担うJTB北海道函館支店(本町6、渋谷和憲支店長)は、散策地図が付いた「函館虎の巻」を販売する。函館バス、市電の一日乗車券、飲食店の特典クーポンなどのセットで、外国人向けに英語版も用意。まちあるき観光を楽しみたい乗客に函館の魅力を満喫してもらう考えだ。

 市港湾空港振興課によると、客船乗客は一般的に半数がツアーバスで寄港地観光に出掛け、4分の1が自由行動、残りは船内で時間を過ごすといわれ、大型船に代表されるカジュアルクルーズの場合は大半が下船するという。

 商品は、同船と「サン・プリンセス」(7万7441d)向けの企画で、10月までに2隻で計20回の寄港を予定。乗客定員はダイヤモンドが2670人、サンが2022人と多く、函館では出港時間が午後11時と遅めに設定されていることから、自由散策希望者の需要を見込んだ。

 虎の巻は巻物の形の地図に、バスと市電の乗車券、五稜郭タワー、函館山ロープウェイのチケットが付いて3800円。

 クーポン対象の20店では、乗客限定の特典を用意した。同支店営業課の福原恵子マネジャーは「函館リピーターの日本人乗客は自由に回りたいという人も多いはず。外国人向けには両替のできる金融機関を掲載し、巻物の形も面白いと思ってもらえるのでは」と話す。

 利用者は、港町埠頭からシャトルバスで五稜郭タワー前に行き、バスや電車で移動し市内観光できる。渋谷支店長は「自由散策に適した商品で、交通機関を使ってより効率的に函館観光を楽しんでもらいたい」としている。 (今井正一)



◎道教育大函館 創立100周年 式典で節目祝う

 道教育大函館校は、今年で創立100周年の節目を迎える。今春の学科再編で国際地域学科を開設し、新たなスタートを切った。函館・道南の教育を支える教員はもちろん、国際的な視野を持ち、地域に貢献する人材の育成に引き続き力を注ぐ。7日午後4時半から、函館国際ホテルで記念式典を開き、約200人が節目を祝う。

 1875(明治8)年に開校した函館小学教科伝習所が前身。名称の変遷や廃校を経て、1914(大正3)年に北海道函館師範学校として正式に幕を開けた。66年に道教育大函館分校、93年に道教育大函館校となり、2004年に国立大学法人化された。道南を中心に、数多くの教員を輩出してきた。

 学科再編に伴い、本年度から国際地域学科を設け、地域協働専攻、地域教育専攻の新たな2専攻に道内外から293人の新入生が入学。一時廃止が浮上した教員養成課程は、地元からの強い要望を受け存続した。

 100周年にあたり、函館校を担当する星野立子副学長は「この日まで続いてきたのは、地域の皆さんの支援があったからこそ」と感謝し、「今年から新たな学科も始まり、地域との交流の中で、さまざまな分野で活躍する学生を育てたい」と伝統校としての決意を新たにする。

 また、同窓会「夕陽会」の橋田恭一会長(72)は「新学科がスタートした年に100周年を迎えられて、非常にうれしく思う。グローバル社会で活躍する人材が育ち、羽ばたいていけるよう、同窓会としても支援していきたい」と話す。 (虎谷綾子)


◎ハーフマラソン参加しませんか? 16日から受け付け

 函館ハーフマラソン大会実行委員会は、16日から今年のハーフ大会の参加者受け付けを開始する。

 今年は9月28日に、青函ツインシティ提携25周年記念として開催。午前9時50分スタートで、千代台公園陸上競技場を発着点に21・0975`を駆け抜ける。

 参加資格は18歳以上の男女で、2時間30分以内に必ず完走することが条件。コースは昨年と同じで、今年はエントリー後にナンバーカードを郵送し、受け付けをスムーズにする。大会では最終制限ランナーから100b以上離れた場合、関門前でもレース中止を命じる。実行委は「あいまいになっていた取り組みを強化する」としている。

 また、今年はゲストランナーの招へいを予定していないが、招待選手は現在調整中としている。

 定員4000人(先着順)。7月4日締め切りだが、昨年は募集期間中に定員に達しており、実行委事務局は「希望者は早めの申し込みを」と呼び掛けている。申し込み用紙は市教委スポーツ振興課(市役所本庁舎5階)や同競技場、市民体育館などで配布している。問い合わせは同課(TEL0138・21・3576)へ。 (千葉卓陽)