2014年7月1日 (火) 掲載

◎市の大間訴訟応援、市民団体「イカイカ募金」寄付

 函館の市民団体「バイバイ大間原発はこだてウォーク」は6月30日、市が提訴した同原発建設差し止め訴訟を応援するため集めた寄付金「イカイカ募金」とメッセージカードを市に贈った。

 メンバー6人が市役所を訪れ、中林重雄副市長に寄付金10万1095円とカード25枚を手渡した。ピーター・ハウレットさん(59)が「約2000人分の怒っている気持ちが形になった。勇気ある訴訟を市民も一緒に応援したい」と話した。中林副市長は「全国にこの輪が広がってくれれば」と期待を込めた。

 市は3日に東京地裁で行われる第1回口頭弁論で、工藤寿樹市長が意見陳述することを説明し、国側も意見陳述する見通しを明らかにした。ウォーク側は応援の気持ちを込めて市にイカの人形を1匹プレゼントした。

 寄付金は怒ったイカの人形の足に主に50円硬貨をつなぐ仕組みで、全部で20匹作り函館や七飯の計20カ所に置いて集めた。全国から口座振り込みも受け付け、中には1万円の募金もあったという。期間は6月1〜27日。

 次回の活動は、20日に現地で開かれる反対集会に参加し大間町内をデモ行進する。(山崎大和)



◎ちょんまげ姿で日本縦断中の渡辺さんが函館入り

 あなたのまちに笑顔を届けます―。6月15日から日本縦断の旅を続けているアメリカ在住のパフォーマー、渡辺好博さん(33)が29日、函館入りした。袴に地毛の“ちょんまげ”姿と奇抜な格好で全国行脚。「日本中を笑いで明るくしたい」と各地を訪ねてふれあいの旅を続けている。

 渡辺さんは長崎県出身で、高校卒業後すぐに渡米し、大学で演劇を学んだ。現在はニューヨークを拠点に舞台やイベント出演をする傍ら、パフォーマンス集団「東京サーカス」を主宰し被災地への慰問活動も続けている。学生時代に世話になった恩師の妻の死をきっかけに、昨年3月には彼女の足跡をたどろうとアメリカ横断を半年かけて成し遂げた。

 その最中に所属していた日本人合唱団がメジャーリーグの開幕戦にゲストとして呼ばれ、「サムライスピリットを伝えたい」とちょんまげを結った。その姿は多くの人たちを楽しませたといい、「暗いニュースばかりの日本を元気にしたい」と日本縦断を決めた。稚内市宗谷岬からスタートし、1日約40`ペースで歩き続けて15日後に函館到着した。

 ベビーカーに荷物を積み、携行する約3bののぼりには天下統一ならぬ「天下笑一 あたなの笑顔は美しい」と書かれている。「道内の人たちはみんな優しい」と笑顔。五稜郭周辺を歩いていると珍しさから多くの人たちが駆け寄り記念撮影していた。

 10月までに全都道府県を制覇したいと意気込んでいる渡辺さん、「各地での出会いを大切に笑顔になる手伝いができれば。施設訪問も突撃になってしまうが受け入れてくれれば」と話していた。渡辺さんの足跡は自身のブログやフェイスブックで確認することができるという。(小杉貴洋)



◎ケーエス北の星観光バス、新幹線車両をバスにデザイン

 バスで新幹線をPR—。ケーエス北の星観光バス(函館市西桔梗町、黒島一生社長)は、自社で所有する観光バスに、北海道新幹線の車体をデザインしたバス5台を導入した。2日から運行を開始する。

 2016年3月開業予定の新幹線を、道内外の観光客にアピールしようと企画。今年4月に新型車両「H5系」のデザインが決まったことからJR北海道に提案した。同社からイラストの提供を受けて双方でイメージを合わせながら取り組み、函館山をバックに線路を走る新幹線をあしらった。五稜郭やベイエリアなど地元の観光名所も盛り込んだ。

 先週末にJRから許可が下り、30日午後に新車が納められた。同社が保有する観光バス25台中、今回は函館に3台、千歳営業所に2台配属しており、今後増やしていく方針。

 2日には青森からの観光客を乗せて運行を始める。同社の坂本博文車輌運行課長は「新幹線がたくさん観光客を運んできて、活気を生んでほしい」と期待。デザインを担当した澤村真理子営業チーフは「全道を走るので宣伝して歩きたい。国内はもとより、海外からの観光客にも新幹線を知ってほしい」と話している。(千葉卓陽)


◎13年度観光客、渡島6年ぶり1000万人回復

 渡島総合振興局と桧山振興局は6月30日、2013年度の観光客数を発表した。渡島は前年度比6・2%増の1040万4000人で、2007年度以来6年ぶりに1000万人を超えた。桧山は前年度比0・1%減の104万人だった。

 (鈴木 潤、田中陽介)改行 渡島の増加要因として、渡島総合振興局は函館出身のロックバンド「GLAY」のコンサートや函館競馬場の長期開催など大型イベントが開催されたほか、海外航空便の就航で外国人観光客が増加したことを挙げた。

 道外客が511万1000人、道内客は529万3000人でどちらも前年よりも6%ほど増加した。月別もすべての月で前年を上回り、特に9月と2月は函館ハーフマラソンや大沼函館雪と氷の祭典の来場者増で10%を超える伸びを示した。

 市町別では、函館市や七飯町、松前町など8市町が増加。木古内町はJR江差線廃線に伴うイベントなどで前年比19%増。福島、森、長万部の3町は減少し、長万部町はJR特急の事故による運休が影響した。

 一方、桧山は道内客が同0・6%減の88万3000人、道外客は同2・7%増の15万7000人。

 各町の状況は乙部とせたなの両町は大規模宿泊施設の休業があり、減少したが、江差、上ノ国など5町は増加。

 江差は定期観光バスの運行期間延長や江差線廃線ツアーなどが好材料となった。観光協会が実施した町内周遊バスの利用や個人のタクシー利用の観光施設めぐりが多かった。厚沢部は道の駅の改装オープンで日帰り客が大幅増。奥尻は南西沖地震20年復興祭などで2003年度以降初めて増加に転じた。

 せたなはゴールデンウイークと7、8月の観光シーズンの天候不良のほか、温泉ホテルきたひやまの改修が減少の一因。乙部は光林荘の建て替え・営業休止で宿泊客が減少した。

 両局とも2016年3月予定の北海道新幹線開業を見据え、観光客誘客を図る方針で、渡島総合振興局は「地域連携を図りながら誘客につなげたい」、桧山振興局も「開業を見据えて観光振興を積極的に進めていく」としている。