2014年7月10日 (木) 掲載

◎函館朝市えきに広場に「イカール星神社」

 函館の人気キャラクター「イカール星人」をまつった「イカール星神社」が9日、函館朝市のえきに市場内に建立された。函館山が離れ小島だった時代から続く「イカ星伝説」を起源とする由緒正しき神社で、開運スポットとして市民や観光客の人気を集めそうだ。

 由来によると、大昔、函館山に不時着したイカール星人を人々があがめたことからイカ星伝説が生まれ、江戸時代には山中に神社が建立された。明治以降、伝説は忘れ去られたが、いまも函館山のどこかに神社がある─としている。

 本社から分霊した神社は4月に同市場内にオープンしたイカール星人公式ショップ内に設営し、ご神体≠熬uかれた。観光客や修学旅行生らが見守る中で行われたお披露目式では、スルメや昆布を供え、イカール星人も参加し、伝説の名残とされる「いか踊り」が奉納された。

 函館駅二商業協同組合の藤田公人理事長は「函館名物のイカが市民になじみ、有名になったのはイカール星人様のおかげ」とさらなる商売繁盛を祈願。同神社代表でシンプルウェイの阪口あき子社長は「不思議で面白く、楽しめるスポットにしていきたい」と話した。(今井正一)



◎かにめしが「空弁」に、函館空港限定販売

 長万部町のかにめし本舗かなや(金谷玲子社長)は、駅弁として人気のかにめしを「空弁」(そらべん)仕様に改良し、13日から函館空港限定で販売する。ごはんをすし飯に変えることで消費期限を大幅に長くしたことが特徴だ。同社は「道外に向けてかにめしの味を発信していきたい」としている。

 1928(昭和3)年に創業した同社がかにめしを商品化したのは50(昭和25)年のこと。以来、変わらぬ製法で札幌―函館間の列車の駅弁として高い知名度と人気を誇っている。

 函館空港では昨年7月から従来製品の取り扱いを始めた。搭乗客からは北海道名物として好評だった一方、「機内で弁当を広げるのには抵抗がある。自宅まで持って帰りたい」といった声が多かったという。

 その声に応え、本格的な空弁にするために函館空港ビルデングと共同開発を開始。弁当に敷き詰められたカニの具の味はそのままで、ごはんをすし飯に変えることで、これまで製造から8時間だった消費期限を製造日いっぱいにした。

 また、オリジナルは木製の折を使っているが、特別の容器に変更する工夫も。同社の梅井信也統括営業部長は「すし飯だと冷めても固くならず、カニの具材の味が一層引き立つ。駅弁とは違う味」と自信をのぞかせる。

 販売するのは搭乗待合室の売店で、土日の午前10時ごろから。事前に予約すれば搭乗者以外も空港内の別の売店で購入することができる。1個1080円。問い合わせや予約は函館空港ビルデング(0138・57・8884)へ。(松宮一郎)



◎債務整理 生活改善進む

 函館市が設置している「くらし安心課」に多重債務の相談に訪れ、弁護士や司法書士に対応を引き継いだ相談者の52%が、相談から1年後に市税や国民健康保険料などの納付を開始していることが分かった。債務整理を済ませた相談者が、徐々に生活改善を進めている状況がうかがえ、同課は「一定の成果があった」としている。

 同課のまとめによると、2012年度に相談に訪れた283人のうち、弁護士や司法書士に対応を引き継いだのは63人。自己破産のほか、裁判所を通さずに債権者と弁護士の間で返済方法を和解する「任意整理」などの方法で解決を図っている。債務整理には一般的に3〜6カ月程度かかるため、同課は相談者の生活改善の見込みが立っているかどうか、引き継ぎから1年後をめどに聞き取り調査を行っている。

 12年度に専門家に引き継いだ63人のうち、市税や国民健康保険料、介護保険料、保育料といった公債権(=自己破産してもなくならない債権)を滞納していたのは31人、約1022万円分あったが、昨年度は16人が支払いを始め、265万円を納付している。

 11年度から12年度にかけては25人が344万円を納付しており、金額ベースでは減少したが、納付額の割合では前年度を上回った。また、7人が引き継ぎ後1年以内に生活保護を受給した。

 同課は公債権の納付について「あくまで副産物的な効果」とした上で、相談者の約4割が低収入が原因の借金に悩んだ末に訪れていることから「債務を整理しても、生活改善が図られなければ根本の問題は解決しない。原因を見極め、必要な公的支援が入るようにアドバイスをしていきたい」としている。(千葉卓陽)


◎野外劇あす開幕、リハーサルに熱

 11日に開幕する第27回市民創作函館野外劇(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会主催)のリハーサルが9日夜、五稜郭跡内の特設ステージで始まった。多くの出演者やスタッフが真剣な表情で稽古に臨んだ。通し稽古は10日も行う。

 舞台設営に利用していた五稜郭跡内堀の石垣が一部崩落したため、開催が危惧されていたが、舞台を箱館奉行所付近に移して存続することになった。

 今回は、舞台の背景にある巨大スクリーンなどに映像を投影する「プロジェクションマッピング(PM)」という新技術を駆使し、中空土偶「カックウ」や高田屋嘉兵衛の北前船、箱館戦争の様子を演出。リハーサルでは、オープニングからエンディングまで通して演じ、せりふや立ち位置、細かな動作を確認した。

 同NPOの里見泰彦事務局長は「今年の野外劇を成功させるために、まずは初日をしっかりとやり遂げたい。スクリーンへの投影や観客席間近での迫力ある演出など、新しい試みも取り入れた。『堀がなくても面白かった』と言われる舞台にしたい」と意欲を見せた。

 初日は午後6時45分から開場し、同7時からプレステージ。同7時半に開幕する。チケットは一般1800円(当日200円増)、高校生・大学生900円、小・中学生400円(当日各100円増)、親子セット券2000円(前売りのみ)。8月10日まで全10回公演。雨天時には当日の午後4時までに、開催の可否を決定し、ホームページ上などで知らせる。(虎谷綾子)