2014年7月13日 (日) 掲載

◎大間の観光戦略体感…はこゼミ3年目 自主研修

 【大間】2016年3月に予定する北海道新幹線開業を見据え、まちづくりの担い手を育成する「新幹線開業はこだて魅力創造ゼミナール(はこゼミ)」の取り組みが3年目を迎えた。市民がゼミ生となり、函館の新しい名物や観光コンテンツの企画を生み出そうと奮闘を続けている。12日にはゼミ生企画による青森県大間町への研修旅行を実施。まちづくりのキーパーソンから話を聞くなどして同町の観光戦略や人の魅力を体感した。

 はこゼミは、函館市や函館商工会議所などでつくる北海道新幹線新函館開業対策推進機構(会長・西村憲人函館商工会議所副会頭)が2012年に始めた事業。青森県の観光関係者から新幹線開業に向けた取り組みを学ぶことから始め、2年目からは函館観光の検証やアイデアの具現化に向けた活動を展開している。

 研修旅行は日帰りで、ゼミ生が企画。12人が参加した。行きは津軽海峡フェリー「大函丸」の船内で同町のまちおこしグループ「あおぞら組」組長の島康子さんが講演。地域活性化への思いや大函丸の活用した取り組みを聞いた。

 島さんは函館と大間、下北地域で旅行者が行き交う広域的な観光圏の形成を目指している。「八戸と新青森の開業は距離が遠くてピンとこなかった。北海道の開業こそが私たちのチャンス」と強調。「津軽海峡圏が面になるようにいろいろなことを仕掛けていく」と語った。

 大間の埠頭では島さんらが始めた、大漁旗を振ってフェリーを出迎えるもてなしもあり、ゼミ生を喜ばせた。「ゲリラ的に始めた活動だが、町の中に少しずつ広まった。今では大間の歓迎スタイルになった」と島さんは胸を張った。

 到着後は同町の名物観光ガイド、蛯子良子さんの案内で「本州最北端の地」碑やマグロモニュメントを回った。大間のマグロと漁師の魅力を伝えるバスツアーも行い、蛯子さんのパワフルで楽しいガイドを満喫した。

 ゼミ生で今回の研修旅行を企画した飲食店経営の岸部悟司さん(50)は「大間は気軽に行くことができ、魅力的な場所だとあらためて実感。ガイド、人の魅力が地域の魅力になっている」と感想を語った。12年11月に行われたはこゼミでも講演した島さん。ゼミ生の動向に熱い視線を送る。「函館と青森のやる気のある人がつながったことがはこゼミの成果。開業に向けて盛り上げていきたい」と話した。(松宮一郎)



◎函館検定合格者の会が20日に七福神巡り

 函館歴史文化観光検定(はこだて検定=函館商工会議所主催)の上級合格者有志が5月に結成した「函館検定合格者の会」は、活動の第2弾として20日午後1時半から「函館山七福神巡り」を開く。

 同検定の認知度を高めようと「箱館歴史散歩の会」を主宰する中尾仁彦さん(71)の呼び掛けで有志が集まった。5月には西部地区のまち歩きを行った。

 函館山七福神は、当日のコース順に、末広町の恵比寿(えびす)神社(恵比寿)、弁天町の厳島神社(弁財天)、船見町の称名寺(毘沙門天(びしゃもんてん)、実行寺(大黒天)、元町の船魂(ふなだま)神社(福禄寿(ふくろくじゅ))、青柳町の天祐寺(布袋尊)、住吉町の住三吉(すみよし)神社(寿老神)。

 同会は「せっかくあるものを忘れられないようにしたいと企画した」と話す。コースは約5`で、各寺社で函館の歴史との関わりも解説する。

 当日は市地域交流まちづくりセンター(末広町4)に集合する。解散は函館市電・谷地頭電停で。参加無料で事前申し込みは不要。問い合わせは中尾さん(TEL0138・55・9809)または北條さん(同32・8015)へ。(山崎純一)



◎踊って食べて 大門盛況…合同学生祭始まる

 第3回大門合同学生祭(実行委員会主催)が12日、大門グリーンプラザで始まった。市内の各大学の学生らが中心となって企画したイベントで、初日はヨサコイソーランやダンスショーなどで盛り上がった。

 ヨサコイのステージには「函館学生連合〜息吹」など3チームが出演し、合同の乱舞には来場者が飛び入り参加するなどした。北斗市の人気キャラクター「ずーしーほっきー」も会場を訪れ、新幹線開業を若い世代にPRした。

 また、「大門祭」時代から続く「いかそーめん早食い大会」には48人がエントリー。数秒で食べ終わる人もいれば、1人だけ牛乳の早飲みを始める人など、個性的な出場者が会場を盛り上げた。

 2日目の13日も午前10時スタート。ステージでは大門スペシャルライブなどが行われる。また、午前11時、午後0時半、午後2時には学生がガイドを務めるまちあるきツアーを行い、抽選券付きスタンプラリーをかねて大門地区の名店を探る。

 実行委員長の葛西菜南実さん(20)=道教育大函館校3年=は「多くの人に応援してもらっていると実感している。まちあるきツアーではお店の人たちとコミュニケーションを図り、大門の人の魅力も知ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。(今井正一)


◎ジャズ生演奏と飲食満喫…旧イギリス領事館でイベント

 函館市旧イギリス領事館でジャズの演奏と飲食を楽しむイベント「アフタヌーン・ジャズ&ビア」が12日に始まった。昨年の初開催が好評だったことから、今年は4日間にわたって行われる。

 会場では生ビールやワイン、おつまみなどを販売。この日び出演ははボーカルのSUGAさんとピアノのFUJITAさん。美しい歌声と演奏で来場者を楽しませた。

 来場した会社員の渡辺純男さん(66)は「家でジャズを聴くのもいいが、生演奏の良さを感じながら、外で飲むビールはうまい」と笑顔。公務員の大森涼平さん(24)は「ジャズとイギリス領事館の雰囲気がとても合っていた」と話した。

 同イベント担当の本間裕子さんは「ローズガーデンでジャズを聴きながら、心地よい午後のひとときをお楽しみ下さい」と呼び掛けている。入場料無料。今後の開催は13、19、20日午後2時〜4時。(能代俊貴)