2014年7月17日 (木) 掲載

◎厚沢部の大野さん、桧山5町に交通旗500本

 【厚沢部】悲惨な交通事故をなくしたい—。桧山資源リサイクル(町松園町8)社長の大野春吉さん(65)は、特製横断旗を厚沢部、江差、上ノ国、乙部、奥尻の5町に各100本、計500本贈呈した。各町のご当地キャラクターのイラスト入りで、関係者は「子どもたちも喜んでくれる。大事にしたい」としている。

 大野さんは地域の交通安全協会会員の一員として、同様の貢献活動を7年ほど前から重ねている。今回の横断旗は寄贈に向けて昨年秋から同署交通課などに相談し「子どもたちが喜び、積極的に活用されるものを」と準備してきた。江差署で贈呈式があり、「子どもたちの安全を守り、住民にも交通ルール順守を願いたい」と寄贈した。高橋昌弘署長と各町担当者が謝辞を述べた。

 大野さんは、レッカー車事業も手掛けており、交通事故車両の運搬などを多数こなしてきた。悲惨な現場を目の当たりにし、「交通事故は一人一人の注意と心掛けで防ぐことができると常々思う」と振り返る。

 同署の松永剛交通課長は「交通事故現場などのレッカー作業は非常に危険を伴うが、大野さんの懸命な姿に心から敬意を表したい」とする。

 飲酒運転や脱法ハーブなどによる悪質な交通事故が絶えない。大野さんは「怒りを覚えてならない。改めて個々の交通安全意識の徹底をお願いしたい」と呼び掛ける。(田中陽介)



◎タナベ食品、モンドセレクションで10年連続優秀品質賞

 水産加工品製造・販売の函館タナベ食品(函館市桔梗5、田邉元久社長)は、国際的な食品コンクール「モンドセレクション」で、優秀品質賞を10年連続で受賞した企業に贈られる「クリスタル・プレステージ・トロフィー」を獲得した。今年で創業10周年を迎える同社にとって記念の受賞となり、田邉社長は「おいしさへのこだわりが認められ、積み重ねてきた結果。今年も受賞できてうれしい」と喜んでいる。

 モンドセレクション(本部・ベルギー)は「食のオリンピック」ともいわれ、世界各国の食品メーカーが出品した商品を審査・評価。受賞した食品は国際的に高く評価されている。

 同社からは今年、9品が優秀品質賞に選ばれ、このうち「いかしゅうまい」「かにしゅうまい」「帆立しゅうまい」の3品は最高金賞を受賞した。田邉社長は「歯触りを良くするため、皮を毎年改善している」という。

 2004年の設立から今年で10周年を迎える同社。入部太郎一工場長は「10年間無我夢中でやってきて、あっという間だった」と振り返る。今後に向けて田邉社長は「これからもお客様に愛される企業を目指していきたい」と抱負を語った。(山田大輔)



◎ドクターヘリ、来年2月16日運航開始へ

 渡島・桧山管内の自治体や医療機関などでつくる道南ドクターヘリ(ドクヘリ)運航調整委員会(浅井康文委員長)が16日、ロワジールホテル函館で開かれた。運航開始を来年2月16日に予定していることが明らかになったほか、搭乗医師・看護師の勤務割り当てなどを決めた。

 自治体首長や医師会などから約75人が出席。会合では各自治体の消防本部など16機関で消防関係部会を設けることが承認されたほか、運航会社としてプロポーザル(提案型公募)の結果、鹿児島国際航空(鹿児島市)に決まったと報告。同社の榎田和也専務は「安全と安定を第一に、道南の方々により良い貢献ができるようお手伝いしたい」と述べた。

 また、ヘリに搭乗する医師と看護師は、年間3分の2を市立函館病院が担い、残り3分の1を札幌医大(札幌市)と圏域内の医療機関が担当すると正式に決めた。木村純市立函館病院長は関係機関の協力に謝意を示すとともに、搭乗医師と看護師の選定について「日常の救急搬送を診療しているレベルが一つの目安になる」とした。

 調整委は、9月から11月にかけて救急車と落ち合う着陸地点「ランデブーポイント」の確保に向けて候補地調査を行うとしたほか、11月にヘリの代替機を使って訓練を実施。ヘリは来年1月に配備され、雪上での訓練などを経て2月16日からの運航開始を目指す。

 道南でのドクヘリは市立函館病院を基幹病院とし、函館空港の格納庫を借りて運航する。国・道の補助金で賄い切れない運航経費は道南18市町で負担する。(千葉卓陽)


◎アビリンピック道大会、五稜郭支援学校が活躍

 函館五稜郭支援学校(赤松拓校長、児童・生徒57人)高等部環境・流通サポート科3年の金子本気君(18)、2年の八日市和志君(16)、長川光姫さん(17)が、本年度のアビリンピック北海道大会(障害者技能競技大会)=13日・札幌=で最優秀賞に輝いた。1年の横山芳果さん(15)も優秀賞を獲得。昨年度を上回る好成績を収め、同校は喜びに沸いている。

 道と高齢・障害・求職者雇用支援機構北海道障害者職業センターの主催。ワード・プロセッサ、パソコンデータ入力、喫茶サービス、ビルクリーニング、オフィスアシスタントの全5種目に53人が参加、日ごろの技能を競った。同校からは5種目に7人が臨んだ。最優秀の3人は、道の推薦決定を経て、11月に名古屋市で開かれる全国大会に出場予定。

 パソコンデータ入力で最優秀の金子君は、昨年度も同種目に出て優秀賞。「本番は緊張して思うような成果が出せなかったが、最優秀を知ったときは気持ち良かった」と振り返る。

 ワード・プロセッサで最優秀に輝いた八日市君は「信じられない。全国大会は不安もあるが、しっかり準備したい」と話す。

 喫茶サービスで最優秀となった長川さんは「練習したかいがあった。全国大会では失敗してもいいので、笑顔で頑張りたい」と意欲を見せる。

 本年度新設のオフィスアシスタントで優秀賞だった横山さんは「練習期間が約3週間と短かったが、力は出せたと思う。あと2回のチャンスがあるので、リベンジを果たしたい」と意気込む。

 昨年度は2種目で2人が最優秀賞、1人が優秀賞だった。同校は「放課後や土・日曜も返上して反復練習を行った成果」と生徒の努力をたたえている。(山崎大和)