2014年7月18日 (金) 掲載

◎天然マコンブ輝く…南茅部地区 初日は大漁

 函館市南茅部地区の天然マコンブ漁が、17日に解禁となった。褐色に輝くコンブを満載した磯舟もあり、浜は活気に満ちた。今年は繁茂状況が良く、豊漁への期待が大きい。

 南かやべ漁協尾札部支所での初漁は、午前4時55分〜同7時。前浜に200隻以上の磯舟が一斉に繰り出し、マッカ(さお)でコンブをねじり採った。尾札部漁港に戻り、軽トラックに積み込んで自宅などの干場に運んだ。

 尾札部町の佐藤光広さん(58)は「今年は例年になくコンブがある。2時間でこの量があれば大漁。実入りもまずまず。今後も期待できそうだ」と顔をほころばせた。採取作業は9月いっぱい続く。

 「白口浜真昆布」の呼び名で知られる南茅部地区のマコンブは、献上昆布と称され、日本一の品質を誇る。(山崎大和)



◎新島襄の偉業たたえる…パトスの会が海外脱国記念祭

 新島襄(1843〜1890年)が函館から米国に渡った偉業をたたえようと、市民団体「新島襄・パトスの会」(千代肇代表)は17日、函館市大町の海外渡航の地碑前で記念祭を開いた。脱国(1864年)から今年で150周年になるのを記念し、小冊子を作ったことを報告した。

 今年で15回目。15人が参加し、ハーモニカ演奏に合わせ一人一人碑に献花した。千代代表(83)が「新島が唱えた『良心』を現代の社会に、そして函館にもっと広めていきたい」とあいさつ。来賓の函館日米協会の加藤清郎会長も「功績を市民に知らせることが必要」と呼び掛けた。

 記念祭に先立ち、市地域交流まちづくりセンターで、はこだて外国人居留地研究会の岸甫一(もとかず)会長が講演。当時は箱館奉行所が元町から五稜郭への移転を控え、「大町外国人居留地周辺の警備が普段より手薄であったと推測される」と指摘した。

 新島は7月17日(旧暦6月14日)に大町の海岸から米国船ベルリン号に乗り込み、密航に成功した。(山崎大和)



◎本町市場 にぎわい取り戻せ…空きスペースに「ヒトハコ」事業者

 函館市本町の本町市場で25日に開かれる月末恒例の金曜祭に、まちづくり五稜郭(本町、青田基社長)が行う起業家支援イベント「ヒトハコ市」の事業者が出店する。後継者不足などで空きスペースが増えた市場。スペースの活用と若い客を呼び込む狙いだ。本町市場商業協同組合の石橋良理事長は「訪れた若い人に市場の良さを伝え、市場自体を変えるきっかけにしたい」と期待を込める。

 本町市場に組合ができたのは1973(昭和48)年。ただ、市場の歴史はそれよりも古く、昭和30年ごろから商売をする人が集まっていたという。石橋理事長は「60〜70年代ごろが最もにぎわった。近年は大型スーパーに客を奪われ、客足は伸び悩んでいる」と話す。

 最盛期には市場内に25店舗が並び、空きスペースはなかったが、90年代後半から店舗数が徐々に減少。店主の高齢化が進み、後継者不足から現在は10店舗だけとなった。常連客は多いが、若い人が市場に買い物に来なくなったことも課題という。

 本町・五稜郭地区の活性化に取り組むまちづくり五稜郭と話し合いを進める中でヒトハコ市の事業者を送り込む案が持ち上がり、来年1月まで6回出店することになった。

 ヒトハコ市は昨年9月にスタート。新規に事業を始める人のトライアルの場として機能。まちのにぎわい創出につなげている。毎回20〜30の出店があり、大勢の客が訪れる人気イベントになった。市場と同社は「若い人の来場も見込め、市場の対面販売の良さを知ってもらう良い機会になる」と相乗効果を期待する。改行 同日出店するのはたこ焼き販売の「ハマチャンのタコヤキ」、「靴下ぬいぐるみFIKA」の2店と、同社が飲食も提供。今後は状況を見ながら出店者数を増やす計画という。同社でヒトハコ市を担当する白戸香代子さんは「毎月継続することで市場が少しずつ良い方向になれば。一緒に地域を盛り上げていきたい」と力を込める。営業は午前10時から午後5時。

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 20日には通常の「ヒトハコ市」が本町児童公園で開かれる。新規の4店を含む23店が出店。商品を販売したり、サービスを提供したりする。時間は午前11時〜午後4時。(松宮一郎)


◎食やライブ楽しんで…19、20日にイベント「黒船」

 音楽やファッション、食を融合したイベント「HAKODATE黒船2014」(函館黒船地域活性化協議会主催)が19、20日の両日、ベイエリアで開かれる。6回目の今年は、初めて入場を無料にして開催。「道南ソウルフードフェスティバル」やライブなど多彩な催しがめじろ押しだ。

 道南の食材を生かしたメニューを味わう「ソウルフードフェス」では、メーンイベントとして「真夏のまかないカレーバトル」を実施。市内の飲食店8店舗が普段メニューにはない特製ルーカレーを提供し、来場者が投票して王者を決める(1枚3食付き1500円、1食600円)。札幌の人気店「奥芝商店」や「GARAKU」も特別ゲストとして参加する。

 北海道最大規模のインディーズライブイベントでは、道内出身のバンド「月光グリーン」をはじめ、「Chu‐Z」、「TRIPLANE」など道内出身アーティスト中心に約30組が出演。オーディション合格者も参加し、会場を盛り上げる(ワンドリンク付き入場券500円)。

 そのほか、マリンジェットフリースタイルショーやジェットスキーの無料試乗会、子ども向けの「黒船キッズスペース」もある。

 同会の尾山朋幸事務局長は「ぜひ多くの市民の方に楽しんでもらいたい」と来場を呼び掛けている。改行 問い合わせは事務局(TEL0138・22・6730)かEメール(info@kurofune−h.com)へ。(能代俊貴)