2014年7月20日 (日) 掲載

◎見納め?「SL函館大沼号」夏季運行開始

 JR北海道は19日、「SL函館大沼号」の夏季運転を開始した。函館|森間を1日1往復する人気の観光列車だが、大沼号は廃止が取りざたされ、夏場は今年限りで見納めとなる可能性も。函館駅のホームは多くの家族連れや鉄道ファンであふれ、豪快な出発シーンを楽しんだ。

 初日は定員224人がほぼ満席。ホームではドレスを身にまとった客室乗務員が出迎え、駅弁の対面販売などが行われた。午前8時40分ごろに機関車C11型が到着し、レトロな客車と接続。立ち上る黒煙や豪快な汽笛の音に歓声が上がった。  ただ、同社は安全面で必要な改良を施せないことなどを理由に大沼号を含む道内各地を走るSLの休止が取りざたされている。JR函館支社は「あくまでも休止を検討している段階」とするが、ホームに集まった人たちからは存続を求める声が聞かれた。

 後志管内倶知安町の会社員阿部知輝さん(34)は大沼号休止の方針を知り、家族4人で訪れた。阿部さんは「ニセコ号は地元なので毎年楽しみにしているのに、大沼も一緒になくなってしまうのは残念。釧路まで乗りに行くのは遠いですね」と話した。長男で小学3年生の央岳(ひろたけ)君(8)は「SLは音がうるさいところがとてもいい。でも、なくなってしまうのは悲しい」と話した。

 JR函館支社によると、運行は8月10日までの週末を中心とした14日間で、同月9、10の両日は既に満席で、同3日も残席わずか。予約などの問い合わせはJR北海道電話案内センター(TEL011・222・7111)へ。(今井正一)



◎「黒船」開幕、特製カレーに舌鼓

 音楽やファッション、食を融合したイベント「HAKODATE黒船2014」(函館黒船地域活性化協議会主催)が19日、市内のベイエリア一帯で開幕した。多くの来場者が市内飲食店の特製カレーを味わったり、音楽ライブなどで楽しんだ。20日まで。

 今年で6回目。地域活性化を目指し、初めて入場無料で開いた。

 メーンイベントは、各飲食店が普段のメニューにない特製ルーカレーを提供し、来場者の投票で王者を決める「真夏のまかないカレーバトル」。来場者はお目当ての店や特徴が書かれた写真を見て選び、この日だけのオリジナルカレーに舌鼓を打った。

 参加10店舗中、ゲスト店を除いた市内7店舗が投票の対象で、中間発表では函館蔦屋書店のレストランFUSUの「イカ飯とイカメンチの青函ソウルカレー」が暫定1位になった。

 市内の会社員村井英樹さん(33)は娘のまりんちゃん(2)と訪れ、「カレーを楽しみに来た。子どもが遊べるスペースもあって家族で楽しめた」と笑顔。北斗市の会社員松本匡央さん(20)は「カレーにイカも使い、場所もベイエリアでやっているので、地域に密着している雰囲気が良かった」と話していた。

 20日はまかないカレーバトルの優勝者が決まり、ライブでは「TRIPLANE」など北海道出身のメジャー、インディーズアーティストが登場する。

 同協議会の小林一輝会長は「今回は入場無料にできたことで、幅広い世代に来ていただきうれしい。20日も熱いカレーバトルとライブを楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。(能代俊貴)



◎五島軒に売店オープン

 函館市末広町の老舗レストラン、五島軒(若山直社長)は19日、本店1階に売店「スイーツ&デリカショップ ASHIBINO」をオープンさせた。青森・函館両地域の素材を使った商品が並ぶ青函連携コーナーを設けるなど、2016年3月予定の北海道新幹線開業をにらんで特徴ある製品の販売に力を入れる。

 同社は、北洋銀行と青森銀行などが設立した「青函活性化ファンド」から事業拡大資金5000万円を調達。青函両地域のリンゴを使ったロールケーキ「函館ロール」を増産するための設備をはじめ、売店スペースの拡充などに活用した。

 売店は玄関前の資料室を改修し、陳列棚や冷蔵庫、冷凍庫を設置。青函連携コーナーでは青森産リンゴを使ったレトルトカレーや菓子を並べた。

 開店前のセレモニーでは、若山社長と渡島総合振興局の宮内孝局長、北洋銀行の森田浩明函館中央支店長、青森銀行の葛西弘明函館支店兼末広町支店長がテープカット。若山社長はあいさつで「新幹線開業に向けて販売を強化していきたい」と抱負を述べた。

 また、この日から青函連携商品には開業PRキャラクターの「どこでもユキちゃん」をあしらったシールを貼り、開業機運の盛り上げに一役買う。(松宮一郎)


◎大学生ら考案、涼<eーマのおにぎり発売へ

 函館市内の大学生らが考案したおにぎり2種類が、22日からコンビニエンスストア大手のサークルKサンクス(東京)で販売される。道南地域限定で「おにぎり合戦!夏の陣」と題し、涼≠テーマにした上位2品を商品化した。学生たちは「食欲のないときでも食べやすく、夏にぴったり」とアピールしている。

 コミュニティラジオ局、FMいるかとの共同企画で、今年で4回目の人気イベント。毎週土曜放送の「キャンパスデイズ」を通じ、パーソナリティーの学生たちが考えたおにぎりから、リスナー投票で選ばれた2種類の販売個数を競う。

 5つの商品案に対して約400票の投票が寄せられ、1位が函館大の「焼きとり風梅しそ」、2位が函館大谷短大の「シャキシャキ棒棒鶏」。通常の2個分ほどの大きさで、各250円(税込み)で販売する。

 函館大2年の山田慈美さん(19)は「焼き鳥と梅しその相性が抜群で、清涼感がある。梅肉とカリカリとした梅の食感が楽しめるよう工夫した」とPR。大谷短大2年の山本麻以さん(20)は「キュウリやモヤシなどの野菜をゴマとマヨネーズでさっぱりと味付けし、さらにシャキシャキ感を出した。日本らしいおにぎりと中華のコラボレーションをぜひ味わって」と話す。

 サンクスの北海道運営部函館地区統括マネジャーの片平仁さんは「大学生たちの柔軟なアイデアから生まれた今までにないおにぎり。ぜひ手にとって応援してほしい」と呼び掛ける。改行 販売は8月18日まで。個数の発表は同22日の番組内で行う予定。(虎谷綾子)