2014年7月22日 (火) 掲載

◎函大と朝市がタッグ 函館土産 新商品開発へ

 函館大(溝田春夫学長)と函館朝市協同組合連合会(井上敏広理事長)が、朝市(若松町)の来訪者を対象としたオリジナル商品の開発を進めている。学生のアイデアを取り入れた土産品で、観光客を呼び込む狙い。函大は「函館の新名物に」と意気込んでいる。

 両者が協力し、5月に朝市を訪れた観光客にアンケートを行ったところ、魚介類を使ったつまみ・珍味で独自商品がほしいという声が多かった。価格は500〜1000円が望ましいとの結果だった。

 これを受け、大橋美幸准教授が担当する商学実習Uの授業で、学生たちが商品のアイデアを考案。17日には、2年生8人がどんぶり横丁市場で開かれた同連合会の誘客検討委員会(11人出席)の中で、4案を提案し意見交換した。

 会合では、海鮮つまみの詰め合わせとイカの頭、胴、足を丸ごと楽しめる「まるイカ珍味セット」の2案に絞り込んだ。9月6、7の両日に、朝市エリアで開かれる函館朝市市民感謝祭(同連合会主催)で販売しアンケートをとる予定。中身やパッケージの改良を重ね、商品化を目指す。

 松谷友梨亜さん(19)は「アンケート結果からアイデアを得ることができた。函館らしい商品を完成させ、店頭に並んでくれればうれしい」と話した。(山崎大和)



◎最後の戸井高祭にぎわう

 函館戸井高校(小松将人校長、生徒17人)は19、20の両日、同校で戸井高祭を開いた。本年度で61年の歴史に幕を下ろす同校に、多くの地域住民や卒業生らが訪れ、在校生たちと最後の学校祭を楽しんだ。

 定番の出店や縁日に加え、同校の歴史を振り返る「ヒストリールーム」と、在校生たちの思い出や夢を展示した「フューチャールーム」を初めて企画。ヒストリールームでは、卒業アルバムなどの展示品を卒業生らが眺め、思い出話に花を咲かせる姿もあった。卒業生の女性(60)は「これで見おさめになってしまうのはさみしく感じるが、懐かしいものを見れて良かった」と話していた。

 また、戸井地区の学校給食の定番メニューとして親しまれていたタコ入りのカレー「トーパスカレー」を来校者に無料で振る舞い、世代を問わずに大好評。日新小2年の安宅春善君(7)は「とてもおいしかった! お店もたくさんあって、楽しかった」と笑顔を見せた。

 生徒会長の館山晶奈さん(17)は「最後の学校祭に地域の人もたくさん来てくれたし、カレーも好評だったのでうれしい」、播間美咲さん(17)も「17人しかいなくて大変な面もあったが、みんなで協力して盛り上がりのある学校祭にできた。思い出に残る学校祭にできて良かった」と誇らしげ。小松校長は「17人という少ない人数で、一生懸命頑張ってきてくれた。みんなが笑顔で、良い学校祭になった」と話していた。(虎谷綾子)



◎空き家 現地調査進む 函館市条例施行から半年

 空き家所有者の責務を定めた函館市空き家等の適正管理に関する条例が施行され、半年が経過した。各部局が把握していた情報を一元化した約700件に加え、市民から寄せられた約60件を基に、現地調査を進めている。所有者には順次、文書を送付して適正な維持管理を求めている。

 同条例は1月に施行。空き家所有者の責任を明確にするとともに、条例を根拠として管理状態の是正に向け、市が所有者に助言や指導などを行うための規定を盛り込んだ。条例のほか、建物の不良度、危険度、周辺環境に与える衛生面などを考慮した判定基準や、部局間連携をスムーズにするためのアクションプランを策定している。

 市はこれまで把握していた空き家情報を基に現地調査を進めているが、実際には新たに人が居住していたり、市場に流通している物件も少なくない。調査を進める中で、4月には管理状態が悪く、危険な状態にあると判定した1件の所有者に対し、勧告措置を行い、解体や補修を前提に交渉を進めている。

 連絡先が確認できた所有者には、適切な維持管理を求める文書を送付。市外居住者など空き家の状態を把握していないケースはあるが、市の連絡後に解体に結びついた事例もあった。市住宅課は「所有者と連絡を取ることで、近隣住民の安心にもつながる」とする。

 ただ、相続などで所有者が代替わりしている場合に市が連絡先を把握する手続きや作業に時間が掛かるほか、解体や修繕に多額の費用が必要となるため、所有者側にも即時対応が難しい事情もある。同課は「自己の財産物に責任を持って対処してもらうのが条例の狙い。文書を送付した所有者からの反応も多く、管理意識を持ってもらうことにつながっている」としている。(今井正一)


◎青函グルメ一堂に フードマーケットにぎわう

 道南・青森のグルメや特産品、雑貨を販売する「フードマーケット」が21日、津軽海峡フェリー函館ターミナル(函館市港町3)で開かれた。道南の新鮮な農産物や青森の特産品を前に、大勢の子ども連れの客などでにぎわった。

 イベントをきっかけに道南や青森に足を運んでもらおうと同社が企画し、道内のほか青森からも9店舗が出店した。

 知内町から出店した帰山農園は、同町産米の「ふっくりんこ」のつかみどりを100円で実施。子どもたちに大人気だった。一方、青森県から出店したA—FACTORYの前には、同県産のリンゴが原料の果実酒「青森シードル」などの試飲を楽しむ客でにぎわいを見せた。

 会場では津軽塗りなどの体験やだしソムリエの講座も行われた。(山田大輔)