2014年7月24日 (木) 掲載

◎函館フルマラソン開催決定 16年6月下旬に

 函館ハーフマラソン大会実行委員会(会長・桜庭辰弥道南陸上競技協会会長)が23日、市役所で開かれた。北海道新幹線開業に合わせたフルマラソン開催について、桜庭会長は「道南陸協、函館商工会議所、市の3団体とも開催すべきとの結論に至った」と述べ、2016年6月下旬に実施することを正式に決めた。課題となっていた協賛金や審判員の確保にめどが立ったことが要因。ハーフマラソンとの同時開催で、関係者は大きな経済効果に期待を寄せている。

 フルマラソン開催をめぐっては、昨年検討部会を解散して以降、市と商工会議所青年部、道南陸協の3者で検討。昨年示されたコース案をもとにフル・ハーフ両コースのたたき台=別図=をつくり、沿道の町会などに説明している。

 今年4月の実行委では事業費を1億3250万円と算出、参加人数をフル・ハーフ各4000人、参加料収入の割合を約43%に設定した。6月までに結論を出すとしていたが、協賛金や審判員確保などに関し、今月中旬まで3者で調整を続けていた。

 参加料は今年4月の段階でフル9000円、ハーフ5000円と仮設定しており、この場合約5698万円の参加料収入を見込む。残額のうち協賛金は約4000万円を想定、残りを市からの補助金で賄う。

 また、審判員は約250人の確保が必要で、現状不足している約100人は地元で養成する。改行 この日の会合では新たにフルマラソン準備部会の設置を決めたほか、9月のハーフマラソン実施後に協賛金準備部会などを設ける方針が示された。来年のハーフ大会は新コースを使い、7月上旬に実施する。

 桜庭会長は「3者で十分話し合って合意した。フルはやってみないと分からないが、函館をPRする大会にしたい」、商工会議所青年部の齋藤利仁副会長は協賛金について「会議所の全面的支援が得られ、(企業に)打診してもいい反応だった。経済効果は大きい」と語った。

 また、フルマラソン開催を政策に掲げていた工藤寿樹市長は同日の定例会見で「新幹線開業イベントの一つとして行われるのは意義がある。前向きに準備して、成功させたい」と期待感を示した。(千葉卓陽)



◎生育良好 早くも稲刈り 道南農試が試験栽培

 【北斗】道総研道南農試(北斗市本町)は23日、大型温室で試験栽培している稲の刈り取りを行った。黄色く熟した稲穂がこうべを垂れ、輝いていた。

 年2回収穫し、コメの品種開発をより早くする試験。今年は天候に恵まれ、生育良好で草丈1メートル〜50センチに育った。6アールに109種類の組み合わせがある稲をバインダーで収穫した。宗形(むねかた)信也主査(47)は「年1作に比べ、品種開発の期間を1年短縮できる」と話した。

 試験は、中央農試(岩見沢市)と上川農試(上川管内比布町)で交配、栽培した稲の種子を、道南農試で4月に乾田直播(かんでんちょくはん)。今回の収穫、脱穀を経て8月に別の温室に乾田直播し、11月下旬に収穫する予定。種子を中央、上川両農試に戻し、来春から選抜試験を行う。道総研の開発される水稲品種のほとんどが、道南農試で世代促進を行っている。(山崎大和)



◎27日に北斗市夏まつり 山車行列の準備急ピッチ

 【北斗】北斗市商業活性化支援センターエイド03(飯生3)を主会場に27日開かれる「北斗市夏まつり」(実行委主催)の山車行列に向け、出場団体の準備作業が急ピッチで進められている。各団体の趣向を凝らした山車が沿道の市民を楽しませる。

 山車行列には町会連合会女性部、女性団体連絡協議会、市商工会女性部の3団体の踊り行列を先頭に山車14体が登場。総勢約640人が参加し、市役所本庁舎からエイド03まで1キロほどの道のりを練り歩く。

 山車の出場団体中、唯一の町内会、常盤みどり苑町会(磯部正博会長)は、あんどん部分を昨年までの勇壮な武者ねぶたから、源義経をデザインした「みどり苑義経号」にリニューアル。武者ねぶたは初出場の2001年から毎年使用していたが、昨年、雨中での山車行列であんどんが損傷したため、デザインを一新した。

 6月ごろから山車の格納庫(押上)に週1回ほど集まり、準備作業を進めてきた。行列には子どもから高齢者まで約70人が参加する予定で、磯部会長は「町内会一丸となってまつりを盛りたてていきたい」と話す。

 他の団体の山車も北海道新幹線の車両や市の公式キャラクター、ずーしーほっきーをデザインするなどしてリニューアルしている。

 山車行列は午後6時10分開会式、同25分スタート。同8時15分すぎに最後尾の山車がエイド03に到着予定。問い合わせは商工会内の実行委(TEL0138・73・2408)へ。(鈴木 潤)


◎南茅部に地熱発電計画 オリックスが泣面山で調査 小規模発電所開設へ

 オリックス(東京都港区、井上亮社長)は23日、函館市南茅部地区の泣面山周辺で、地熱発電所の建設に向けた初期調査を開始したと発表した。将来的に2000キロワット級の小規模発電所を開設する計画で、地表調査や航空写真解析などで地熱資源の可能性を探る。

 泣面山は標高835メートルで、大船川河口から西に約4・5キロに位置し、周辺の大半は道有林。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が1984年から実施した調査で、地熱資源がある可能性を指摘している。再生可能エネルギーを活用した発電事業を推進する同社が候補地として選定し、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の地熱資源開発調査事業費助成金を受けて調査を開始した。

 事前調査は3段階あり、初期調査では地表調査、文献調査、航空写真解析などで地熱資源の可能性を調べる。その後、地熱資源の位置や深度を調べる物理探査、掘削調査を行い、事業性を検証する。事業化までの期間は最短で3〜4年程度としている。

 同社はこれまでに、大分県内の温泉旅館用として、1900キロワットの地熱発電所を運営・保有。JOGMECの助成事業として、青森県風間浦村では昨年11月からの初期調査を終え、6月から物理探査を実施。岐阜県内でも東芝との共同開発事業を進めている。

 函館市経済部工業振興課は「再生可能エネルギーを推進している市としても地元関係者との調整や情報提供など、可能な限り協力を進めていく」としている。(今井正一)