2014年7月28日 (月) 掲載

◎「認知症に理解を」道内たすきつなぐ、工藤市長ら

 認知症への理解を呼び掛ける駅伝イベント「RUNTOMO—RROW2014(RUN伴=ランとも)の北海道最終ステージが27日、長万部町から函館市弁天町のタチカワカフェまでのコースで行われ、最終走者を務めた工藤寿樹函館市長らが無事にゴールを果たした。ゴール後、「みんなで認知症の人とその家族を支えよう」という工藤市長の呼び掛けとともに、参加者は一斉にオレンジ色の風船を空に飛ばし、認知症理解の輪を広げていくことを誓い合った。

 最終ステージは午前6時に長万部町をスタート、約70人の走者がたすきをつなぎ、午後5時ごろに市役所前に到着。最終区間2・3キロのコースには、工藤市長のほか、松尾正寿市議会議長、高齢者施設の職員ら約30人が参加した。午後6時ごろ、ゴールに到着した工藤市長は「超高齢社会を迎える中で、認知症患者やその家族は地域全体で支えていかなければならない。その輪を広げるために駅伝は有効だった」と意義を語った。

 駅伝の南北海道地区の責任者を務めたケアプラザ新函館・たけだクリニックの細田政裕事務長は「事故なく無事に終われてよかった。たくさんの首長にも参加していただき、これをきっかけに地域の人に認知症の理解が広がってほしい」と期待していた。

 駅伝は12日に帯広を出発し、この日で北海道ステージが終了。今後は最終ゴールの広島を目指して、再びたすきをつないでいく。(山田大輔)



◎華やかに山車巡る、北斗市夏まつりにぎわう

 【北斗】北斗市夏まつり(実行委主催)が27日、商業活性化支援センターエイド03前駐車場(飯生)を主会場に開かれた。夜には恒例の山車行列が市役所前から練り歩き、沿道の市民が各団体の華やかな山車やみこしのパレードを楽しんだ。

 山車行列には、市役所や観光協会、上磯高校など14団約640人が出場した。開会式で高谷寿峰市長、池田達雄市議会議長があいさつし、行列がスタート。女性3団体の踊りの隊列に続き、商工会の山車を先頭に市役所を順次出発し、エイド03まで約1キロ余りの道のりを約1時間かけて練り歩いた。

 北海道新幹線や公式キャラクター「ずーしーほっきー」を車体にデザインするなどさまざまな山車が登場し、「ワッショイ、ワッショイ」と威勢の良い掛け声が響きわたった。商工会青年部は山車の上で大太鼓を叩き、上磯小児童や立正幼稚園児がYOSAKOIソーラン踊りを披露するなどパフォーマンも沿道を沸かせた。

 近くに住む岡田貢一さん(53)は「毎年見物しています。北斗らしさを感じます」と満喫した様子。

 日中も特設ステージで歌謡ショーやアニメのキャラクターショー、ダンスなどのアトラクションが繰り広げられ、こちらもにぎわいを見せた。(鈴木 潤)



◎函館市、差し押さえ最多1738件

 函館市が昨年度、市税滞納者に対して行った差し押さえは1738件、4億1195万円に上り、件数は過去最多となった。1000件を超えるのは3年連続。長引く景気低迷で所得水準が悪化している状況がうかがえる一方、公平な税負担の観点から、悪質な滞納者に対する徴収を強化している。

 市税務室によると、昨年度の内訳は給料や預貯金、生命保険などの債権が1700件、3億6224万円と大半を占める。

 債権の中でも預貯金が1067件と多く、同室は「以前は直接金融機関に出向いていたが、市内や近郊に限られるため、最近は郵送で行っている」とする。給料も57件あるが、事業所に事前調査を行うことで納付につながったケースも多いという。このほか、不動産は35件、4912万円、動産は3件、58万円だった。

 差し押さえは08年度まで年間400〜500件台で推移していたが、人口減に伴う市税収入の減少を受け、09年度から徴収体制を強化。過去3年間は10年度が950件、5億7348万円、11年度が1074件、4億5705万円、12年度で1519件、6億2578万円となっている。

 市は12年度にまとめた「行財政改革プラン」で市税収納率アップを打ち出しており、税務室職員を昨年度に3人、本年度も2人増員するなどなど対応を強化。同室は「滞納者の状況に応じて対応を変えるなど、効率的な滞納整理を進めていきたい」としている。(千葉卓陽)


◎旧小林写真館8月で再オープン5年、市民に親しまれる場に

 明治時代に建築された写真館の建物を修復して営業している、函館市大町2の「旧小林写真館」が8月で再オープンから5年を迎える。市内美原で写真館を経営している谷杉アキラさん(46)が、売り上げの全額を建物の維持費に充てながら運営を続け、婚礼写真を撮る場として観光客に人気を集めている。谷杉さんは「市民が記念写真を撮る場として、もっと親しまれる写真館にしていきたい」と話している。

 旧小林写真館は1902(明治35)年、神戸出身の写真師小林健蔵が開業。現存する木造2階建ての建物は大火による類焼後の1907(同40)年に再建したもので、62(同37)年まで営業を続けた。

 その後、空き家状態が続いていたが、市住宅都市施設公社の西部地区空き家再生事業に応募した谷杉さんが「写真館として建てられており、本来の使い方をしたい」と、2009年に入居して予約制での営業を続けている。

 板張りの外壁に縦長の窓という和洋折衷の建築で、ノスタルジックな雰囲気を求める観光客に人気。「撮影を旅行の目的にして訪れてくれる利用者もいる。撮影を通じて函館を好きになってくれるのがやりがい」と谷杉さんは話す。

 ただ、利用者の9割以上が観光客といい、建物の維持に向けて地元からの利用を切望する。「観光客に西部地区を案内する際に、おもてなしの一つとして利用してもらえれば」としている。

 8月1〜5日には開館5周年を記念し、モダンな風合いに仕上げたポートレート写真を1枚5000円(A4判サイズ)で提供する。完全予約制で、期間中の営業時間は午前7時から午後9時まで。問い合わせは同館(TEL090・1386・4840)へ。(千葉卓陽)