2014年7月31日 (木) 掲載

◎花電車運行 函館まつりムード

 函館市企業局交通部は30日、函館港まつり(8月1〜5日)を盛り上げる花電車の運行を開始した。今年は2年ぶりに3両体制で、法被姿の運転士が「函館音頭」や「いか踊り」など4曲を流しながら、市民や観光客に祭りの始まりを告げている。

 花電車の車両は、1934(昭和9)年の函館大火で焼失した車両を補充するため、初の道産車両として、現在の函館どつくで製造された「300形」を転用している。

 スポンサー企業は函館新聞社、大正製薬、JR北海道函館支社の3社。30、31の両日は午後のみの運行で8月1〜5日は午前中と、ワッショイはこだてのパレードスケジュールに合わせて走る。夜は電飾がともされて華やかな雰囲気を演出している。

 花電車は、雨天時は運行中止。1〜5日は全区間200円均一で運行する。(今井正一)



◎中学生4人に折り鶴託す…函館市平和大使任命式

 函館市は30日、長崎市で8月9日に開かれる長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に平和大使として派遣する中学生の任命式を市役所で開いた。川越英雄総務部長から4人の大使に任命書が手渡され、市民から寄せられた折り鶴が託された。

 市では、核兵器廃絶平和都市推進事業の一環として、1994年度から長崎市や広島市に中学生を派遣している。今年は戸倉中3年の佐藤駿生君(14)、遺愛女子中3円の川野羽奏(わかな)さん(14)、湯川中3年の中山萌瑛(もえ)さん(15)、桔梗中3年の鈴木駿君(14)の4人が7〜10日に長崎市を訪れ、式典に参列するほか、被爆者による講話や原爆資料館の見学などを通じて、平和への思いや戦争の悲惨さを学ぶ。

 任命式で川野さんは「戦争を二度としないことで守ることのできる平和の大切さを学んできたい。折り鶴に託された願いや祈りを受け止めて、函館市の代表として心を込めてささげてきたい」と抱負を述べた。川越部長は「戦争を経験した世代が少なくなり、平和の尊さ、戦争の悲惨さを伝えて行くことが求められている。長崎で見たり、聞いたり、感じたことを1人でも多くの人に伝えてほしい」と激励した。(今井正一)



◎スルメイカ 前浜でも漁獲始まる

 函館のスルメイカ漁は、函館の前浜(函館山沖)でも漁獲が始まってきた。ただ、前浜産は魚体サイズが小さいため、距離が遠い日本海側(松前沖〜矢越岬沖)で漁獲を続ける船も。燃油価格が高水準で推移しており、漁業者にとって悩ましい問題だ。

 函館市漁協(橘忠克組合長)によると、例年この時期の漁場は前浜中心で、今年は漁場形成が2週間程度遅れている。序盤の来遊遅れが影響しているとみられる。

 同漁協が組合員に販売するA重油価格は8月1日から、前月より1・5円下がって1リットル当たり100・4円(税別)。それでも100円の大台を突破し、異常な高値が続く。同漁協は「前浜は魚体が小さい。一方、松前沖まで捕りに行っても漁獲が薄いと燃油高で採算が合わないので、ばくちみたいなものだ」。

 中島廉売内の紺地鮮魚(紺地慶一社長)は30日、いけすイカ3匹で500〜600円、大きいサイズは2匹600円で販売し「前浜産は小ぶりで、売れ行きもいまひとつ」。

 市農林水産部によると、市水産物地方卸売市場での7月取扱量(1〜20日)は前年同期比63%減の228トン。1キロ当たり平均価格は同126円高い406円。(山崎大和)


◎函館市への交付税390億円

 国から函館市に配分される2014年度の普通交付税額が決まり、臨時財政対策債(臨財債)を含む実質的な交付税額は390億6500万円となった。前年度からは0・7%、2億6500万円減少したが、当初予算からは0・6%、2億3800万円上回った。市は予算確保に安堵(あんど)する一方で「これまで取り組んだ行財政改革の効果が算定に反映された内容だった」(財務部)として、引き続き行革を進めていく考えだ。

 本年度決定額は、普通交付税で当初予算比4300万円減の339億4700万円となる一方、交付税の不足分を臨時に起債発行できる臨財債は、同2億8100万円増の51億1800万円となった。

 当初予算では国の地方財政計画や前年度決定額に基づき、扶助費など社会保障関係経費の増額を見込む一方、税収の伸びが全国平均よりも少ないとみて、前年度比1・2%減を見込んでいた。

 減少幅が少なかったのは、算定方法の変化が影響している。国は本年度、人件費削減に取り組んだ自治体に措置する「地域の元気づくり事業費」を改め、行革の努力や地域経済活性化の成果を反映する算定項目として「地域の元気創造事業費」を新設。市にはこの分で8億1100万円が配分された。「このうち7億2300万円が行革効果によるもの」(市財政課)といい、前年度の「元気づくり事業費」からは3億7000万円増えた。

 一方で、リーマンショック後の危機対応のため上乗せしていた「歳出特別枠」の見直しで前年度比1億6300万円減、経常経費削減分で同7億9600万円減などの要素もあったが、元気創造事業費や社会保障関係経費の増加分(同6億1900万円増)などで補われた形となった。

 ただ、来年度以降は旧渡島東部4町村との合併による優遇措置の終了や、国勢調査での人口減少に伴う交付税減少が見込まれている。同課は「まだ不透明な状況が続くことから、行革を進めながら国の動向を注視したい」としている。(千葉卓陽)