2014年7月9日 (水) 掲載

◎札幌へ一歩 トンネル着工 道新幹線

 【北斗】2035年度開業予定の北海道新幹線新函館北斗—札幌間(211`)で最初の本格的な工事となる村山トンネル工事の安全祈願祭が8日、北斗市村山のトンネル出入り口付近で開かれた。新青森—新函館北斗間(149`)は約9割の工事が終了しており、次は札幌を目指した工事の槌音が響き渡る。

 村山トンネルは全長5・2`。北斗市市渡で建設中の新函館北斗駅から約1`の場所で、掘削は8月上旬から新駅側で行う。総工費は約111億円。21年8月の完成を目指す。

 式典には発注者の鉄道・運輸機構北海道新幹線建設局や渡島総合振興局、北斗市、工事関係者ら合わせて約100人が出席。北海道新幹線建設局の金山洋一局長や宮内孝渡島総合振興局長、高谷寿峰市長らが鎌入れを行い、工事の安全を祈願した。金山局長は「村山トンネル工事は札幌延伸へ大きな一歩となる。工事の安全に細心の注意を払う」とあいさつした。

 新函館北斗から札幌までは19本のトンネルを新設する。最長は村山トンネルの次の渡島トンネルの26・47`。北斗市、厚沢部町、八雲町にかけて掘削作業を行う。現在は調査作業などを行っている。  16年3月に開業する新青森—新函館北斗間の工事の進ちょく状況は、事業費ベースで89%まで達しており、今年秋には新幹線車両が本道に陸揚げされる予定。12月からは開業に向けて試験運転を行う。 (松宮一郎)



◎柳川さん(谷川小6年) 書で日中友好

 【北斗】北斗谷川小6年の柳川愛佳さん(12)が、今年4月に行われた第30回成田山全国競書大会(成田山新勝寺主催)で、上位15人の特別賞に道内で唯一入賞し、日中少年少女書道交流団の一員に選ばれた。8月3日から7日まで中国・北京を訪れ、現地の児童、生徒と書を通じて交流する。  柳川さんは今年1月、5点を書き上げ同競書大会に出展。道内予選を通過した後の全国審査で「希望」が特別6賞の一つ、文部科学大臣賞を受賞。全国から約13万点の応募があった中から選ばれた。

 柳川さんは友人に誘われ小学2年から、市内の日本習字教育財団江月支部(支部長・鵜飼江月さん)で書道を習い始めた。放課後、学校近くの教室で鵜飼さんの指導を受けているが、帰宅後も自主的に練習するほど習字が好きだという。

 鵜飼さんは「難度の高い画数の多い字が得意。けいこに向かう姿勢や字を書くときの集中力は素晴らしい」と話す。

 交流団の選出条件となる特別賞受賞はあこがれを抱きながら挑戦した。今回、念願の受賞を果たし、「とてもうれしい」と喜ぶ。

 中国訪問に向け、「拈華微笑(ねんげみしょう)」という4文字を出品し、交流活動の場でも書く。意味は言葉が通じなくても心は通じ合えるという仏教用語。半紙150枚以上を使い練習を重ねてきた。

 柳川さんは「一人でも多く友達をつくりたい」と期待を膨らましている。  (鈴木 潤)



◎現職、新人4氏の争い 江差町長選告示

 【江差】任期満了に伴う江差町長選は8日告示され、新人で元町議の横山敬三氏(70)、新人で元町議の田畑豊利氏(58)、新人で元北海道新聞記者の照井誉之介氏(29)、現職で4選を目指す浜谷一治氏(69)=いずれも無所属、届け出順=が立候補した。同町長選では過去最多の4人の候補による激しい選挙戦に入った。投開票は13日。

 焦点の一つは、現職の浜谷氏の3期12年間の検証。3新人は、昨年発覚した浜谷氏が組合長を務める学校給食組合の不正経理問題などに批判を強め、「行政の信頼回復には町政の刷新が必要」と訴える。

 一方、浜谷氏は徹底した財政再建の実績を強調。12年前の町の借金116億円を半減させ、貯金は8000万円から22億円になったことなどを強調する。

 各候補はこのほか、地域経済の活性化や雇用創出、人口減や少子化への対応、教育・医療・福祉の充実などで個別の政策を掲げている。

 選挙人名簿登録者数は7564人(男性3606人、女性3958人)。期日前投票は9〜12日の午前8時半〜午後8時。投票日の13日は町内9投票所で午前7時〜午後8時。開票作業は役場内で午後9時半から。同10時半ごろには当落が判明する見通し。  (田中陽介)


◎現職と新人一騎打ち 長万部町長告示

 【長万部】任期満了に伴う長万部町長選挙は8日、告示された。無所属の現職で3選を目指す白井捷一氏(75)と、無所属の新人で前町議会議長の木幡正志氏(66)=届け出順=が立候補し、選挙戦が始まった。一方、町議の補欠選挙(欠員2)も同日告示され、共産党の新人、菊田一興氏(67)と無所属の元職、長崎厚氏(66)、無所属の新人、浮田栄氏(71)=届け出順=の3人が立候補し、こちらも選挙戦となった。両選挙とも13日投票で、即日開票される。

 町長選は両候補とも選挙事務所で出陣式を行った後、第一声を上げ、午前9時半すぎから選挙カーで遊説をスタート。

 白井氏は大町の選挙事務所出発後、静狩地域など町の北側を巡回。午後から南側地域を回った。街頭演説は行わず、選挙カーから支持を訴えた。

 白井氏は「みんなで築こう明るいまちを」をスローガンに、高齢者向け肺炎球菌予防ワクチン接種費用助成、少子化対策・子育て支援事業の推進、静狩小学校改築などを公約に掲げる。

 陣営幹部は「勝利を確信し、候補を支援していきたい」としている。

 木幡氏は長万部の選挙事務所を出発後、人口の多い市街地を中心に回り、午後からは国縫方面へ向かった。街頭演説も5カ所ほどで行い、有権者に直接支持を訴えた。  木幡氏は「チェンジ!」をスローガンに高齢者グループホームの整備や中学生までの医療費無料化、災害時の避難路整備などを公約に掲げる。

 陣営幹部は「候補が掲げた政策をひたすら訴えていく」としている。

 期日前投票は9日から12日まで町役場で受け付ける。時間は午前8時半〜午後8時。

 市選管によると、7日時点の選挙人名簿登録者数は5053人(男性2308人、女性2745人)。 (鈴木 潤)