2014年8月12日 (火) 掲載

◎江差の夜 熱気最高潮 姥神大神宮渡御祭最終日

 【江差】姥神大神宮渡御祭は最終日の11日、渡御行列による上町巡行が行われた。夜には町内13台の山車(やま)が繁華街に入り、熱気は最高潮に達した。

 台風の影響が心配されたが、午前中は時折青空が広がるなど比較的好天に恵まれた。夕方前には一時強い雨に打たれたが、心地よい潮風を浴びての巡行。急な坂道では力を合わせ、また小道では器用にハンドルをきって、大勢の引き手が汗だくになって懸命に山車を引いた。

 午後9時ごろに観光客らが待つ新地通りに山車が次々と入り、若者が声を合わせて踊り跳ね、盛り上がった。

 また「祭りばやしコンクール」は、津花町の「楠公山(なんこうやま)」が6連覇を達成。コンクールメンバーの宮森未琴さん(14)は「中学3年で最後のコンクール参加だったのでこの優勝は本当にうれしい」と涙。谷口香里菜さん(11)と磯田哲侍君(10)も「少し自信がなかったけども、先輩のためにもと一生懸命頑張った。連覇を果たせて良かった」と笑顔だった。 (田中陽介)



◎野外劇 盛大に幕

 第27回市民創作函館野外劇(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会主催)は11日、国の特別史跡・五稜郭跡内の特設ステージで最終公演を行い、約200人の観客が函館の歴史絵巻を楽しんだ。今年の入場者数(全10回)は約5400人(速報)で、昨年の約8100人を大きく下回った。 10日に予定していた最終日が台風11号による荒天で中止となり、この日に追加公演を行った。暴風で黒船のマストを表現する柱が3本折れたが、開演までに2本を修復した。ペリー提督の来航、箱館戦争などがボランティアにより演じられ、フィナーレは会場が一体となってテーマ曲「星のまちHakodate」を合唱した。

 昨年までは堀を水舞台とした会場を設営していたが、今年は石垣の一部が崩落し、上演が危ぶまれた。同法人が五稜郭築造150周年の節目に、舞台を郭内に移すことを熱望し、史跡を管理する文化庁がこれを認め、5月中旬に開催が正式決定。7月11日に開幕した。同会の里見泰彦事務局長は「入場券販売などの準備期間が短く、集客が伸び悩んだ」と話す。

 終演後、同法人の中村由紀夫理事長は来場者に対し「今後については検討中だが、函館にとって大切な野外劇は続けたい。五稜郭での開催継続に関しては努力が必要だが、皆さまの支援をお願いしたい。また来年もお会いしましょう」と話していた。 (山崎純一)



◎海洋センター北大生実習 イカの採取解剖

 北大水産学部の授業の一環で、3年生55人が11日、函館市国際水産・海洋総合研究センターで、生きたスルメイカを使った実習を行った。イカの採取から解剖までを行い、生態や体の仕組みを学んだ。

 6月にオープンした同センター実習室で、大規模な学生実習が行われるのは初めて。北大大学院水産科学研究院の桜井泰憲特任教授(海洋生態学)が講師を務めた。

 学生たちは2人1組となり、センター内の10d円形水槽で飼育しているイカを採取。0〜3度の氷温海水に浸してイカに麻酔をかけ、胴長や重さを測定。ビニール袋にイカ、海水、酸素を封入した輸送用パックに詰めた。イカの活締め器具「イカ活チャ器」で神経を剥がす方法で活締めする方法を実演、桜井教授が鮮度が落ちないことを伝授した。イカ刺しの作り方も習得した。

 高橋雄大(たけひろ)さん(21)は「普段はスライドでしか見られないイカの内臓構造を、生きたまま観察できて非常に充実した実習だった」と話した。

 学生たちは8〜11日の日程で、北大臼尻水産実験所での現場実習後にセンターへ移動した。(山崎大和)


◎各国のアーティストがパフォーマンス 国際民俗芸術祭

 元町公園をメーン会場に開かれていた「はこだて国際民俗芸術祭」(一般社団法人WMDF主催)が10日、5日間の日程を終えて閉幕した。最終日はあいにくの雨天となったが、多くの来場者が会場に足を運び、各国のアーティストによる歌や踊り、パフォーマンスを楽しんだ。

 会場内の特設ステージには、ジャグリングプロ「ボンバングー」や「てまわしオルガンキノと、足長のナニソレ」など多くのアーティストが登場。雨の勢いにも負けず、多彩なパフォーマンスを披露し、会場は熱気に包まれていた。国際民俗芸術祭の芸術監督、ソガ直人さんは「日に日に来場者も増えて盛り上がっていたので、最終日が雨なのは非常に残念。それでも多くの人が来てくれたことに、スタッフ一同感謝している。来年もまた開催したい」と話していた。

 2日間にわたって会場に足を運んだ、函館中部高3年の中村渓子さん(18)は「いろいろな世界の人との触れ合えて、とても楽しい。世界と日本とのつながりをあらためて考えることができた」と笑顔を見せていた。 (虎谷綾子)