2014年8月13日 (水) 掲載

◎マトリョーシカ カラフルに/極東大で絵付け体験教室

 ロシアの伝統的な民芸品「マトリョーシカ」に絵付けする体験教室が12日、ロシア極東大函館校(イリイン・セルゲイ校長)で開かれた。夏休み中の小学生5人が参加し、木製の人形に色を塗る作業を楽しんだ。

 同校の学校祭「はこだてロシアまつり」で、大人向けの教室を開催し好評だったため、夏休みの自由研究も兼ねて初めて小学生対象の教室を企画した。

 講師はデルカーチ・フョードル副校長が務め、鉛筆で下絵を描いた白木のマトリョーシカに、子どもたちが1人1個ずつ水彩絵の具で赤や黄色、オレンジなどカラフルに色付けして仕上げていった。

 記念としてロシア語の名札を付けたほか、簡単なロシア語のレッスンも。函館亀田小3年の成田菜那さん(8)は「色を自分で選んできれいに塗れるので楽しい」と笑顔を見せていた。(山崎大和)



◎経験生かし中国語教室、帰国した菊池さん

 函館市青柳町の菊池園子さん(33)がこのほど、函館市地域交流まちづくりセンターで中国語教室を始めた。中国の大学への留学と現地で働いた経験を生かし、函館で中国語の普及を目指す。菊池さんは「日中関係はぎくしゃくしているが、中国には良いところもたくさんある。言葉を勉強する中で感情を和らげるきっかけにしてほしい」と話している。

 菊池さんは函館の高校を卒業後、北京の大学に4年間留学。日本に戻り、大学院に進んだ後、青島の日本総領事館で勤務した経歴を持つ。中国滞在は通算7年に及び、その間、会話力を磨き、今年3月末に帰国。函館の観光振興、地域活性化に役立ちたいという思いから先月、「はこだて活性ラボ」という組織を立ち上げた。

 中国語教室も活動のひとつ。「函館は台湾からの観光客が増えており、もてなしとして中国語会話は重要になっている」(菊池さん)。教室名は「感覚で味わう中国語茶論『花房子(はなぼうし)』」で、文法よりも会話重視で授業を進めることが特徴という。

 中国語教室のほか、今後もさまざまな活動を展開する計画。菊池さんは「函館の観光力アップや地域を盛り上げるためにできることから始めたい」と力を込める。

 レッスンは曜日で時間が異なるが、1回90分でチケット制(5回分5400円)。先着10人に500円で体験レッスンを行う。ほかに企業向けの出張教室もある。問い合わせはメール(hako_labo_labo@yahoo.co.jp)で。(松宮一郎)



◎市電サービス 学生が探る/4大学25人が函館で合宿

 文部科学省の高度な情報技術人材育成のための教育プログラムで、公立はこだて未来大、会津大、同志社大、室蘭工業大の大学院生による短期集中合宿が、14日まで函館市内で行われている。テーマは「新しい市電のサービスデザイン」で、利用者の視点に立った市電サービスの提案を目指す。

 enPiTサマースクール(ビジネスサービスデザイン実践)の講義で、4校から情報系の学生計25人が参加。昨年は未来大と会津大の2校だったが、好評のため参加校が拡大した。

 合宿2日目の12日には、弁天町で銭湯として営業していた旧大黒湯に学生が集まり、浴槽などで市電やまちのどの点に着目するか作戦を練った。その後フィールドワークに出て、市民や観光客へのインタビュー、観察を通じて問題発見と分析を行った。最終日の14日には、同所で市電サービスをジオラマや物語を用いて提案する。

 未来大からは岡本誠教授、大場みち子教授、安井重哉准教授、木塚あゆみ特任助教が参加。未来大大学院システム情報科学研究科博士前期課程1年の加藤武文さん(23)は「市電の問題点を解決するよりは、利用者が魅力を感じられるようなものをつくりたい」と話した。(山崎大和)


◎田家に公衆浴場新設へ

 函館市内で銭湯を経営していた木村商事(木村正裕代表)は、田家町5に公衆浴場「田家の湯」を新設する。施設の老朽化や経営者の後継者難などで市内の浴場が減り、自宅に風呂の無い人たちの「入浴難民」化などの問題を受けての建設。来年1月ごろの開店を目指す。

 建物は鉄筋コンクリート造、平屋で延べ299平方b。市立函館保健所によると、市内の浴場は1982年に83軒あったが、2013年には26軒に減少。市内での浴場建設は、2006年以来。

 同社は1956年から同場所で「田家湯」を経営していたが、2007年の火事で廃業。近隣住民から再開を望む声などがあり、木村代表は「親父から引き継いだ場所で銭湯を建て、地域の憩いの場になれば」と再開を決めた。

 12日に現地で新築工事の地鎮祭が行われ、関係者が工事中の無事故を祈願。神事で工事の安全を願い、木村代表がくわ入れした。

 木村代表は「浴場が年々減り、市内には空白地域がある。家に風呂が無い人たちの手助けになれば」とし、「田家湯廃業後もずっと銭湯をやりたいと思っていた。大変なこともあると思うが、それ以上に頑張っていきたい」と意気込んでいる。(平尾美陽子)