2014年8月17日 (日) 掲載

◎鹿部の地熱 活用へ本格化 道経産局支援事業に採択

 【鹿部】漁業関係者ら町内外の有志でつくる「鹿部地中熱事業化検討協議会」(千葉光義会長)は今秋、町内の温泉資源の新たな活用策を探る活動を本格化させる。同協議会の活動が15日、北海道経済産業局の「地熱開発理解促進関連事業」に採択され、活動の予算確保にめどが立った。今後、住民向けのワークショップや勉強会などを開き、地熱開発に対する理解を広めていく。(鈴木 潤)

 同協議会のメンバーの1人が昨年、室蘭工大環境科学・防災研究センターとともに町内鹿部の間歇泉そばの地下調査を実施。地下100メートルほどの地点で水温が98度あり、地熱発電など有効な活用ができると判断した。

 この調査結果に基づいて、昨年11月、協議会を発足させ、同センターの協力を受けながら活用策の検討を始めた。今年6月、札幌の民間シンクタンクとともに同経産局に補助金を申請し、採択された。

 この補助事業は、地熱の有効利用で地域振興を目指す活動を支援し、同協議会には約1000万円の配分を決定。来年3月末まで先進地の調査や勉強会の開催、次年度以降の計画検討などを進めていく。

 協議会の構想では、基幹産業の漁業への有効活用策や地熱発電の開発も視野に入れている。

 同センターの河内邦夫助教は「温泉がポンプを使わず自噴している点、浅い地点でも高温の温水を取り出せる点は大きなメリット」と指摘し、「大学として地域に貢献できる成果を挙げていきたい」と協議会を後押し。千葉会長は「今回の採択で具体的な活動の一歩を踏み出せる。次世代のことを考え、いろいろな助言を受けながら活用策を考えていきたい」と話した。



◎迫力ある演奏で魅了 白楊吹奏楽団が50回記念定演

 函館中部高吹奏楽局員とOB・OGでつくる白楊吹奏楽団による第50回記念定期演奏会が16日、函館市民会館大ホールで開かれた。現役局員55人とOB・OG59人が熱演を繰り広げた。

 50回目を記念して、OBの客演指揮に航空自衛隊航空中央音楽隊長の水科克夫2等空佐、客演に東京フィルハーモニー交響楽団のトランペット副首席奏者の長谷川智之さんを招き、協奏曲を披露。曲づくりで実績があるOBの南俊明さんに委嘱した記念曲「五稜の風」が初披露された。迫力のある演奏に聴衆からは大きな拍手が送られた。

 プログラムは3部構成で行われ、第1部は現役局員によるステージで日ごろの練習の成果を披露。第2部は第50回記念ステージと題し、日本の音楽界で活躍しているOBが出演した。第3部はポップスと、同団が発足した当時に流行していた曲を披露し、なじみのある曲で観客は演奏を楽しんだ。(能代俊貴)



◎思い出お土産に JRや空港混雑 Uターンピーク

 お盆を古里で過ごした人たちのUターンラッシュがピークを迎えている。各交通機関は混雑が続き、函館空港やJR函館駅ではお土産を抱えながら、見送りの家族と別れを惜しむ様子がみられた。

 航空各社によると、函館から羽田や関空など本州各方面を結ぶ便は16、17日は全便満席で、18日も混雑する見通し。JRも札幌、新青森に向かう特急は17日まで混雑した状態が続く。

 16日の函館空港では、出発ロビーや土産品販売店は終日、多くの人でにぎわいをみせた。ロビーでは早めの搭乗手続きを呼び掛けるアナウンスが流れ、出発直前には保安検査所前に長い列ができた。

 千葉県の伊藤慎一さん(63)は妻と息子家族の5人で古里の森町に滞在。伊藤さんは「30年以上、夏はトウモロコシやカボチャの収穫を手伝いをしながら過ごしている。今年は娘家族が出産で来ることができなかったが、来年は一緒ににぎやかな夏を過ごしたい」と話していた。(今井正一)


◎函館市「介護支援ボランティア制度」10月開始

 函館市は10月から、市内の介護施設でのボランティア活動に対して換金できるポイントを付与する「介護支援ボランティア制度」を開始する。65歳以上の高齢者を対象に、健康づくりや介護予防に役立ててもらう狙いで、今年は10月から12月までの3カ月間実施する。9月10日に参加希望者向けの説明会を開くことにしており、市は多くの参加に期待している。

 同事業は高齢者自身の社会活動を通じた介護予防や健康増進を図ろうと、2007年に東京都稲城市が最初に導入。ここ数年で全国的に広まり、道内では七飯町のほか、札幌市や苫小牧市など11市町が取り入れている。

 要支援、要介護認定を受けていない65歳以上の市民が対象。ボランティア活動を1時間行うごとに1ポイント(=100円)が付き、1日2ポイントが上限。1年間の上限は50ポイントに設定しており、今年は3カ月間のため12ポイントを上限とした。ポイントは専用のボランティア手帳にスタンプを押してためていき、翌年1〜3月に換金できる。

 市は今月いっぱい受け入れ施設を募集しており、現段階で特別養護老人ホームやデイサービス、ショートステイなど約20カ所の事業所が登録している。

 具体的な活動は入所者の話し相手のほか、配膳や施設内でのレクリエーションの手伝い、囲碁や将棋の相手などが想定される。今年は100人程度の参加を見込んでおり、市高齢福祉課は「健康づくりだけでなく、高齢者の生きがいづくりや事業所の活性化などにもつながるのでは」としている。(千葉卓陽)

 説明会は9月10日午後1時半から5時まで、函館競輪場テレシアター(金堀町10)で開催。同事業への参加は説明会出席が必須となる。申し込みは住所、氏名、生年月日、電話番号を明記の上、はがきで〒040・8666(住所不要)、函館市高齢福祉課宛てに郵送するか、ファクス(0138・26・5936)で受け付けている。29日締め切り。問い合わせは同課(TEL21・3081)へ。