2014年8月2日 (土) 掲載

◎港まつり開幕 大門に熱気

 函館の夏を盛り上げる「函館港まつり」(実行委主催)が1日に開幕し、市内各地でグルメイベントや花火大会などが行われた。今年初めての真夏日にもなり、初日から市民らの熱気に包まれた。

 ○…松風町の大門パーキングでは、十勝の食の魅力を紹介する「2014大門×十勝うまいもの広場」が開かれた。帯広名物の豚丼やとかち牛じゃん麺、カントリーホーム風景(鹿追町)のソフトクリームなどを販売。肉の焼ける香ばしいにおいに誘われ、多くの来場者が足を運んだ。

 太陽グループ(本社・札幌、東原俊郎社長)と帯広物産協会(有塚利宣会長)の主催。好評だった昨年に続き2回目。豊西牛を5時間以上煮込んだとろける食感の「牛ほろ丼」や中札内産の肉厚でジューシーな鶏串、帯広産の新鮮なゆでトウモロコシなど食欲をそそられるメニューがずらり。

 函館市内の佐藤真去さん(85)は「豚丼も、とかちハヤシもおいしかった」と喜んでいた。2日も午前11時〜午後9時に行う。雨天決行。

 ○…大門グリーンプラザでは、HBC(北海道放送)のラジオ生放送「カーナビラジオ午後一番!函館港まつりスペシャル」を公開した。パーソナリティーのYASUさんと山根あゆみさん、大森俊治さんが観客を巻き込む軽快なトークで会場を盛り上げた。

 「ウラ函館を教えて」では、函館名産のガゴメコンブをモチーフにしたゆるキャラ「ガゴメマン」が登場。口にゴムをくわえて後ろに下がり、先にゴムを離した方が負ける「ゴムパッチンゲーム」の勝負をYASUさんと山根さんに挑み、来場者を笑わせた。

 また、「大森vs会場のお客さん—エンタメクイズ」では、大森さんと参加者がクイズ対決を繰り広げた。番組のファンで苫小牧から訪れた原恵子さん(7)は「問題は難しかったけれど、楽しく答えられた。(パーソナリティーの)3人に会えてうれしい」と笑顔を見せた。(斎藤彩伽)



◎お金のおもたさに驚き 道銀で親子で銀行体験

 北海道銀行の「夏休み親子で銀行体験」が1日、函館市本町の函館支店で行われた。参加した7組18人の親子は、1億円や硬貨袋の重さ体験、貸金庫室の見学などを通して、お金や銀行業務についての知識を深めた。

 普段銀行に接する機会がない子どもたちに、もっと銀行を身近に感じてもらおうと、夏休みに合わせて全道9カ所の本支店で行っている。

 参加者は、1億円の束や硬貨袋を持って現金の重さを体験した。硬貨袋は、1円が5000枚入った約5キロの袋など6種類を用意。100円が4000枚入った約19キロの硬貨袋は、児童2人が力を合わせてようやく持ち上げることができた。

 このほかにも、普段は入ることができない貸金庫室やATMの裏側を見学し、児童らは説明を聞きながら驚きの声をあげたり、メモを取ったりした。

 参加した北斗萩野小1年の鈴木万瑠さんは「お金を持ったことが楽しかった」と笑顔で話した。函館港小1年の上川明音さんも「楽しかった。1億円は重かった」とめったにない体験を満喫した様子だった。(山田大輔)



◎道南食材で8商品 ローソンと道が連携

 ローソン(東京)と道が連携し、道南地域の食材を生かして企画したオリジナル弁当やスイーツの発表と試食会が1日、渡島総合振興局で開かれた。大沼産牛を使ったガーリックピラフや道南産トマトのサラダなど8品を商品化し、5〜18日に道内ローソン613店で販売する。

 同社と道は2008年に連携協定を結んでおり、その一環で「北海道味紀行」と称して取り組んだ。5月の石狩・後志・空知編に続く第2弾。

 函館のラーメン店「一文字」監修の冷やし塩ラーメンや道南産マコンブで巻いたさけおにぎり、函館美鈴のコーヒーや五島軒のカレーを使ったラスク、五勝手屋羊羹(ようかん)の一口サイズ、コーヒースティックパンなどが商品化された。商品には地域イベントや観光情報が掲載されたQRコードを貼っている。

 発表会では、北海道ローソン支社道南支店の奥井健史支店長や同局の古屋義則副局長、商品のメーカーの代表らが出席。ローソンやメーカーの幹部がそれぞれの商品の特徴やこだわりを紹介した。

 古屋副局長は「こうした取り組みの輪を広げていきたい」とし、奥井支店長は「道南の食材は魅力的。商品を通してその地域に興味を持ってもらうきっかけになれば」と話していた。(鈴木 潤)


◎三セク準備株式会社設立 江差線「鉄路維持へ一丸」

 【札幌】2016年3月予定の北海道新幹線開業に伴い、JR北海道から経営分離されるJR江差線の五稜郭—木古内間(37・8キロ)を運行する第三セクターの北海道道南地域並行在来線準備株式会社(社長・荒川裕生道副知事)が1日、道庁内に設立された。

 同日、JRや道、北斗、函館両市から派遣された社員12人の入社式が行われ、地域の生活路線としての鉄路の維持、運行に向けた取り組みがスタートを切った。

 並行在来線を巡っては、2005年4月の道新幹線新青森・新函館(当時)間の着工認可に伴い、同年7月に対策協議会が設置。昨年3月に道、沿線市町の負担する第三セクター鉄道方式での運行方針が決まった。資本金の2億2600万円は道が8割を負担、沿線の函館、北斗両市と木古内町が残りを負担する。

 同日午後2時過ぎから、札幌市内のかでる2・7で行われた入社式には、取締役の高谷寿峰北斗市長、大森伊佐緒木古内町長なども出席。北斗市から派遣された総務課の佐藤毅さんら社員1人ひとりに、荒川社長が辞令を交付した。「沿線住民の通勤、通学、通院と北海道と本州を結ぶ円滑な物流の役割を担う。安全運行の使命を果たすため、役員社員が一丸となって取り組もう」と訓示した。

 社員は経営企画部、運輸部に分かれ、15年3月に予定する鉄道事業認可申請を目指し業務に当たる。高谷市長は「鉄路維持を要請し続けていたので、会社設立の日を迎え安心している。厳しい経営が予想されるが、何より鉄道輸送の安全性を実現し、親しまれる会社に育て、増収を目指したい」と話していた。