2014年8月27日 (水) 掲載

◎北大が美深町と連携協定、チョウザメ養殖開発着手

 北大大学院水産科学研究院(安井肇院長)が、上川管内美深町と包括連携協定を結び、チョウザメの養殖開発に乗り出した。町の第三セクター美深振興公社(社長・山口信夫町長)が旧恩根内小の既存プールを使った新養殖場を整備したことに伴い、魚肉やキャビアの安定生産に向けて技術協力を強化。産官学が連携し、町の産業化を目指す。

 北大では2008年から、チョウザメの養殖に詳しい足立伸次教授が中心となり、同町での本格的な技術指導が始まった。チョウザメの安定生産に向けて着目したのが、08年3月に閉校した同校のプール。事業費2600万円をかけ、新養殖場「半循環式チョウザメ陸上養殖プラントSAF恩根内」を完成させた。  プールは縦25b、横8bで良質な地下水を使う。これまで町内で飼育していた約3300匹の中から、今回は成魚200匹をプール施設に移した。今後400匹まで増やす予定で、最大600匹まで飼えるという。成魚は魚肉やコラーゲン抽出に利用する。

 今月18日に同町で開かれた調印式には、北大側から安井院長や足立教授、都木靖彰教授ら計5人が出席。協定書には水産科学技術の発展、水産資源の活用、地域振興、生涯学習に取り組むことを盛り込んだ。山口町長と安井院長が協定書にサインし、相互の協力を確認。足立、都木両教授による記念講演、新養殖場の完成セレモニーもあり、新たな養殖拠点の誕生を祝った。

 北大は「養殖技術だけでなく、学生の教育や実習、コラーゲンの有用成分の研究にも活用していきたい」(函館キャンパス事務部)と期待を込める。町は「全魚利用できるよう互いに協力し、産業化を実現したい」(総務課)としている。(山崎大和)



◎函館理容美容専門学校の5人が全国大会へ

 7月に旭川で開かれた第6回全国理容美容学生技術大会北海道地区大会(通称・理美容甲子園)で、函館理容美容専門学校の学生5人が好成績を残し、10月に札幌で開かれる全国大会出場を決めた。5人は「応援してくれる仲間の期待に応えたい」と全国舞台へ意欲を見せている。

 全国規模の学生大会で、日本理容美容教育センターが主催。本大会出場を果たしたのは、理容部門チャレンジアートヘア種目の阪内未樹也さん(20)と田宮有真さん(18)、同部門ネイルアート種目の野崎友希さん(19)、美容部門ワインディング種目の青木友梨香さん(19)、同部門アップスタイル種目の長谷川彩さん(20)。5人は優秀賞に選ばれ、本大会の出場権を得た。

 独創性を競うチャレンジアートヘア種目で、田宮さんは緑、青のグラデーションを表現。阪内さんは海をイメージし、「シルエットやバランス、毛の方向性に気をつけた」。長谷川さんは編み込みを集中して練習に励み、「いい緊張感の中で臨めた。全国では仲間の分まで全力を出して頑張りたい」と話す。

 ネイルアートは、40分以内で5枚のネイルチップを完成させる種目。野崎さんは親指姫をイメージして花やチョウを描き、「去年は全国で3位だったので、今年は1位を取りたい」と話す。青木さんも「大勢の中での競技は初めてで緊張した。本番では今まで練習してきた成果を出し切りたい」と笑顔を見せる。

 また、ワインディング種目で小南佑輔さん(19)、アップスタイル種目で小笠原枝里奈さん(19)と小笠原健太さん(19)が敢闘賞を受賞した。(平尾美陽子)



◎万一に備え連携強化、市防災総合訓練

 函館市防災会議主催の本年度防災総合訓練が26日、函館港港町埠頭(ふとう)で開かれた。各関係機関や自主防災組織などから808人が参加、地震や津波に伴う災害を想定した訓練を通じて関係機関が連携を高め、不測の事態への備えを新たにした。

 訓練は警察や消防、自衛隊、海上保安部など24機関と、町会や自主防災組織70団体が参加。本年度は三陸沖北部でマグニチュード8・0の地震が発生し、函館で震度5強を観測、太平洋沿岸西部に大津波警報が発表されたとの想定で実施した。

 本年度は24項目の訓練を行い、一つの訓練に複数の機関が参加し、連携して取り組む要素を強化した。大地震で自動車専用道路の高架橋の一部が崩落し、橋の上にいる要救助者や、がれきの下敷きになった車両から負傷者を救出する訓練では、市消防本部や陸上自衛隊、市立函館病院の災害派遣医療チーム(DMAT)などがスムーズに連携して作業に当たっていた。

 同会議会長の工藤寿樹市長は「東日本大震災の後も、広島や本道で大雨による土砂災害が発生している。今後も異常気象などでさまざまな災害が想定されるだけに、関係機関との連携を図りながら防災対策を推進したい」と述べた。

 防災訓練は2012年度から関係機関向けと地域住民向けに分けており、市は11月上旬をめどに住民参加型訓練を行う考え。(千葉卓陽)


◎「そばや友の会」10周年で共通割引券発行

 函館市内のそば店でつくる「函館そばや友の会」(池田常男会長)の8店は創立10周年を記念し、来店客を対象に食事メニューを定価の50円引きとする共通券を発行した。8店で配布中で、有効期限は9月1日から同30日まで。

 同会は2004年1月、市内のそば店10店ほどで発足。年に3、4回加入店で共通メニューを考案し、提供する取り組みをしていて、これまでえび天やカニ天を盛り合わせた天ぷらそばや、秋の旬の食材を使ったそばとご飯セット「秋の味覚セット」などをメニュー化した。

 10周年の節目と日頃の感謝を込めて約4000枚の共通券を発行した。そばをはじめ他のめん類、丼、定食などで、飲み物は不可。1品につき1枚利用できる。

 同会の池田会長(丸常長寿庵)は「10年やって友の会で企画したメニューを楽しみにする客も増えてきた。券を使って一品でも多くそばを食べてほしい」と話している。

 8店は次の通り。改行 東京庵本通店(本通1)神山ふでむら(神山2)いがら志(柏木町24)東京庵本店(末広町4)丸京(豊川町14)かしわ屋(若松町26)長寿庵本店(中島町21)丸常長寿庵(亀田港町63)(鈴木 潤)