2014年8月29日 (金) 掲載

◎ハタハタ漁復活願う 藻場作り順調

 【森】ハタハタの漁獲量の復活を目指した、森町砂原地区の海藻の群落(藻場)作り事業が順調に進んでいる。ハタハタが産卵場所として好む海藻「ウガノモク」の幼体をコンクリートブロックにつけて海中に沈め、繁殖させる取り組み。工事は今年度中の完成を予定しており、同地区の関係者は期待を寄せている。

 森町の砂原漁業協同組合によると、ハタハタの水揚げは減少が目立ち、昨年度は最盛期の4分の1以下の26dまで落ち込んだ。

 同漁協と渡島総合振興局は、藻場造成事業を手掛ける共和コンクリート・海藻技術研究所(函館市弁天町、北山進一所長)と連携し、2012年から本格的にウガノモクの群落作り事業に着手した。

 海藻は同研究所で2〜3aの幼体になるまで育てた後、コンクリートブロックに移植。同地区の岸から200bほど離れた浅瀬に1200基のブロックを設置する計画で、このうち726基の施工が今年4月までに完了した。  同研究所が7月に行った調査では、ウガノモクが約1bまで順調に成長している姿が確認できたという。北山所長は「ハタハタが産卵できる環境は整いつつある。あとは群れがやってくるのを待つだけ」と話す。

 群落作りは当初、来年度の完成を予定していたが、予算を確保できたため、今年度中に前倒しできる見通しとなった。

 同漁協の小島力総務部長(47)は「今はカレイ漁に頼るしかないが、事業が成功すれば漁の選択肢が広がり、みんなが恩恵を受けられる」と期待している。 (山田大輔)



◎駅前電停の工事着々 真っ白の外壁設置

 函館市電の函館駅前電停改築工事が順調に進んでいる。28日までの作業で白色を基調とした鉄製の外壁の設置が終わり、スタイリッシュに生まれ変わる新電停の完成イメージに近づいた。同月20日以降の供用開始を予定している。

 市中心市街地活性化基本計画の事業で6月から工事を進めている。上屋の設置作業は、架線を取り外す必要があるため、25日深夜から28日早朝に掛けて、市電の運行時間外に行われた。

 新電停は鉄製の防護壁を等間隔に設置し、間にはガラスが入り、周辺に明るい雰囲気を生み出す。屋根の高さは、駅前交差点に面した入り口部分が4b、安全地帯部分は3bで、壁や屋根の部分は波をイメージした曲面とした。

 全体をバリアフリー構造として、スロープや壁の内側の手すりの設置、電車を待つ人がもたれかかりやすいように腰の高さの位置にくぼみが設けられる。現在使用中の仮設電停の撤去を含めて、工期は9月30日までを予定している。 (今井正一)



◎全国名物研究で函商高全国へ 商業高校生発表大会 道予選で総合賞

 【北斗】第50回北海道高校商業クラブ研究発表大会兼全国学校生徒商業研究発表大会北海道予選会が28日、北斗市総合文化センターで開かれた。審査の結果、道南から唯一出場した函館商業高の商業研究部(小板明日香部長、部員16人)が「総合賞」を獲得し、全国大会への切符を手にした。

 全国商業高校協会など主催。全道から13校130人が参加し、各商業クラブが日ごろの調査や研究内容を12分以内でプレゼンテーション。全国へ出場する3校(総合賞2校、優秀賞1校)の座をかけて競った。

 函商は小板部長と中村有里副部長が登壇。「Another〜新たな函館名物」と題し、昭和初期ごろ中華料理店の定番だった「ザリージ」(豚肉のザンギ風天ぷら)の復刻販売までの過程を発表。ザリージの認知度を高め、函館の活性化につなげたいと強調した。審査委員から「知名度の低い食材を観光と結び付ける斬新さが良かった」と高く評価された。

 小板部長(17)=3年=は「とてもうれしい。協力してくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱい。全国大会に向けて販売イベントなどに参加し、研究内容に磨きをかけたい」と意気込みを話した。

 全国大会は、11月に旭川で行われる。

 ほかの表彰校は次の通り。

 ▽総合賞=旭川商業▽優秀賞=千歳▽報告書部門=岩内▽発表部門=北見商業、中標津、苫小牧総合経済、釧路商業、滝川西、小樽商業、札幌啓北商業、札幌国際情報、札幌東商業  (斎藤彩伽)


◎本通中1年生 大門で熱演 204人がヨサコイ

 函館本通中学校の1年生204人が28日、大門グリーンプラザでヨサコイを披露した。生徒たちは「本通中」の文字が輝く黄色のはちまきを締め、「本通」と背中に書かれた紺色の法被に身を包み、迫力ある演舞で会場を盛り上げた。

 函館の西部地区などについて学ぶ総合学習の一環として毎年実施。昨年までは旧シーポートプラザで開いていたが、今年からは地域の活性化につなげようと大門で初開催した。本番を前に、クラスの代表を務める岡田亜珠さん(12)は「この場所で踊らせてもらえてうれしい。先生方や地域の皆さんに応援してもらっているので、精いっぱい全力を出して踊りたい」と意気込みを語った。

 演奏が始まると、生徒たちは真剣な表情で演舞を披露。息の合った踊りに、観光客や地域住民らから拍手が湧き上がった。野里未有さん(12)は「間違えてしまった部分もあったが、楽しくできた」、瀧怜太君(12)も「練習の成果が出せた。思いきり楽しく踊れました」と笑顔。生徒たちの練習を見守ってきた福士敏也教諭と黒宮孝幸教諭は「子どもたちは今日の演舞に向け、本当に熱心に練習に励んできた。こうした経験を通じて、函館の街について考えるきっかけにしてほしい」と話していた。(虎谷綾子)