2014年8月30日 (土) 掲載

◎函大・木村さんが日商簿記1級合格

 函館大(溝田春夫学長)企業経営コース4年の木村政俊さん(21)が、日本商工会議所主催の簿記検定1級に合格した。現役での1級合格は函大では7年ぶり。合格率9・7%という難関突破に「すごいうれしかった」と笑顔を見せる。

 試験は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目(各25点)が出題され、合格には各科目最低4割以上、合計で7割以上の得点が必要。6月に行われた第137回試験(1〜4級)で、最も難しい1級は受験者8738人、合格者847人だった。1級に合格すると、税理士試験の受験資格が得られる。

 青森県三沢商業高出身の木村さんは、高1で日商簿記3級、高2で同2級を取得。高3から同1級合格に向けた勉強を始め、公認会計士を目指し函大に入学。しかし、函大では2、3級合格者は簿記原理や会計学演習Ι、Uの単位が認定されるため、簿記に関連する講義の履修はなかった。

 このため、独学で簿記の勉強を続け、分からない部分を教員の研究室を訪ねて聞くなど積極的に行動。アルバイトの時間も勉強に支障が出ないよう設定し、猛勉強を重ねて目標をかなえた。「問題は解けるのに、説明できない人にはなりたくない」との信念で、ひたすら問題を解くことよりもテキストを読んで内容を理解することに力点を置いたという。

 7月下旬に合格証書を受け取り、大学教職員も木村さんの快挙をたたえた。青森市内の会計事務所への就職も決まり、「将来は税理士になって地元で働くのが夢。今回は独学でやり遂げた経験が自信となり、勉強法を身に付けられたので、税理士資格の取得に生かしたい」と目を輝かせている。(山崎大和)



◎「かちわり茶づけ」すぐ完売、桧山振興局

 【江差】桧山振興局の食堂で29日、冷たい特製お茶づけが登場し、すぐに完売する人気ぶりだった。

 北海道米食率向上戦略会議が実施主体の「かちわり茶づけ」で、「良質な桧山のコメを周知し、お祭りやお盆での疲れを取ってもらえれば」と企画。コメは今金産のななつぼしで、炊きたてを水で洗い、キュウリやナス、オクラ、トマト、大葉を具に、氷水とめんつゆで味を調えた。丼に彩りよく盛られ、「暑い夏場にぴったり。さらさらと食べられる」と好評だった。

 この日のみのメニューで、単品と定食計45食が30分ほどで完売した。振興局職員の惣名晃貴さん(22)は「ひと手間かけることでさらにコメがおいしくなった。ネギみそのアクセントも良かった」と満足の様子。企画担当の一人、振興局農務課の島津沙耶さん(23)は「たくさんの人が注文をしてくれてうれしい。このようなPRで一生懸命頑張っている生産者の支えに少しでもなれれば」と話していた。

 振興局ではアンケートなどをもとに今後も管内の良質なコメのPRに力を入れていく。(田中陽介)



◎女子力アップで業績向上、建築会社の社員セミナー

 函館市内の建設会社の女性従業員を対象にしたセミナー「ウーマンズ・フォーラム」が29日、元町の結婚式場で開かれた。参加者は女子力アップを目指してパーソナルカラーの基礎を学び、自分自身をイメージアップさせる方法を身に付けた。

 セミナーは住設備製造、販売のLIXIL(リクシル)道南支店の主催。住宅業界では女性の視点で提案することが求められており、スキルアップを図ってもらおうと企画した。

 この日は約50人が参加。講師は福岡市で活躍するパーソナルカラーリスト、天神のばらさんが務めた。天神さんは「第一印象が決め手」と強調し、自分に似合う色(パーソナルカラー)を見つけるポイントを指導。「好きな色と似合う色は違う。内面や骨格と調和がとれた色の服を選ぶことで仕事はうまくいく」とアドバイスした。

 今後も3カ月に1度のペースでセミナーを開き、サービスやインテリアの提案方法を学ぶという。(松宮一郎)


◎「海王丸」3年ぶり寄港

 独立行政法人航海訓練所(横浜市)の大型練習帆船「海王丸」(2556トン)が29日、函館港に寄港した。2011年以来通算8回目で、小樽海上技術学校などの実習生115人を含む計167人が航海実習中。9月3日まで西埠頭(ふとう)に停泊する。

 同船は1989年に就航。全長110メートル、全幅13・8メートルで、4本のマストのうち、メーンマストは甲板から約43メートルの高さがあり、計36枚の帆(セイル)を広げることができる。

 7月1日から続く航海実習中で、9月10日に東京で下船する予定。石狩湾新港でのイベントに参加した後、函館に寄港し、入港時にはカメラを構えた市民らが出迎えた。

 実習生のうち、林翔太さん(19)、藤本旭さん(19)、吉田允さん(19)は函館出身。3人は中学卒業後、小樽海技学校に進学した。同校の課程を修了し、現在、4級海技士の資格取得の試験に向けて、乗船実習科で経験を積んでいる。

 これまでの航海実習で函館に寄港したことはなく、「久々の光景が懐かしかった」「沖からの夜景がきれいに見えた」と喜んだ。

 3人とも仲間に支えられ充実した学生生活を送ることができたと振り返る。試験後は、それぞれ海上輸送業者への就職が決まっているといい、「残り少ない実習期間も技術習得に取り組み、就職後に生かしたい」などと話していた。

 出港は3日午前11時を予定。一般公開、セイルドリルなどのイベントはない。(今井正一)