2014年8月31日 (日) 掲載

◎「東京五輪 合宿誘致を」平田竹男さん講演

 内閣官房参与で2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室長の平田竹男さんを招いたスポーツ講演会が30日、函館市内のホテルで開かれた。平田さんは函館市について「スポーツ施設がすべてそろっていて、さらに観光都市というのは全国でもなかなかない」とした上で、「合宿誘致などに向けて作戦本部を立ち上げて研究してほしい」と述べた。

 函館市体育協会(久保俊幸会長)が主催(函館新聞社など後援)。スポーツに親しんでもらおうと昨年から行っている。

 平田さんは大会前の合宿誘致に関して「函館には外国のトップアスリートを招くのにふさわしいスポーツ施設がそろっている。合宿誘致に向けて国や種目を選び、どういったルートで交渉すればよいのか考えなくてはならない」と主張。

 また、大会後の出場選手との交流について「学校単位で行えば、子どもたちに刺激を与えられる。地域活性化のために観光施設や地域の祭りに参加してもらうのも有効な手段」と話した。

 講演後に参加者から「今函館が準備しなくてはならないことは何か」と質問があり、平田さんは「作戦本部を作る。事前合宿チーム、事後の交流チーム、観光チームなど組織化すればよい」と提案した。

 参加した市内の会社員の男性(46)は、「2020年の大会に向けて、あと6年しかないという意識で函館も取り組まななくてはならないと感じた」と話した。

 平田さんは、29日に来函し、函館市や北斗市、七飯町のスポーツ施設の視察や関係自治体などと意見交換会を行った。(山田大輔)



◎世界のビール堪能

 国内外のビールがたっぷり楽しめるイベント「第3回南北海道クラフトビール祭」(ポスト・バー主催)が30日、函館市大手町のはこだてビール2階と隣接特別会場で始まった。多くのビール党が冷えたビールで喉を潤した。31日も同所で開かれる。

 2012年から毎年開催。今年は道内各地の地ビールを中心に栃木県、イギリス、米国、ベルギー産も扱い、2日間で60種が楽しめる。初日は40種を提供し、味比べをする来場者でにぎわった。ポスト・バー店主の大澤寛之さん(42)は「地ビールブームを感じており、楽しみながら飲んでほしい」と話した。

 函館に帰省中の札幌の会社員、石川慎さん(25)は「一度に世界中のビールが飲めるのは、函館ではこのイベントだけ。とてもおいしい」と笑顔。31日の当日券は3500円、飲み放題は5000円。午後3時〜同8時。問い合わせはポスト・バー(рO80・1871・0494)へ。(山崎大和)



◎市民ら批判や撤回求める声…北電再値上げ 函館で説明

 北海道電力は30日、函館市千歳町の同社函館支店で電気料金の再値上げに関する一般者説明会を開いた。午前と午後合わせて33人が参加。泊発電所の長期停止により、経営状況が急激に悪化したことを説明し、10月からの料金値上げに理解を求めた。質疑では北電の対応を批判する声や、「こんなに値上げをされたら生活が立ち行かなくなる」と値上げの撤回を求める悲痛な声が上がった。

 冒頭で今野満支店長が「昨年の値上げに続き、さらなるご負担をお願いすることとなり、深くおわびします」と陳謝。続けて担当者が値上げ申請の理由やコスト削減の取り組みについて述べた上で、「泊原発が再稼働した際は、可能な限りすみやかに料金を値下げしたい」とした。

 午前の説明会ではその後、節電方法を説明する予定だったが、参加者から「もう節電は十分やっている」「聞きたいことがたくさんある」という声が相次いだため、急きょ質疑応答に移った。

 質疑では「値上げ率が大きすぎる。企業努力でもっと抑えるべきだ」「原発の再稼働ありきで考えているが、安全を保障できるのか」などと批判が集中した。

 また、説明会の開催についても「国に申請する前に説明会を開くのが筋だ」「たったこれだけの参加者に説明するだけでいいのか」と厳しい意見が寄せられた。

 参加した無職の山田靖子さん(62)は「生活を切り詰め、節電も十分やっている。灯油も上がるし、年金生活者はどうしたらいいのか」とため息をもらした。

 また、無職の村井一夫さん(66)は「一方的な説明で、質問の回答もきちんと返ってこない。すれ違いのような説明会だった」と不満の表情で話した。(山田大輔)


◎古着の試験回収が好評…はこだて・エコフェスタ

 循環型社会の実現を目指すイベント「はこだて・エコフェスタ2014」(環境フェスティバル実行委主催)が30日、函館港緑の島で開かれた。今回初めて市がごみ減量対策として試験的に古着の回収ボックスを設置したところ、市民が次々と布製品を持ち込んで好評だった。

 今年で26回目。来場者7000人でにぎわった。古着の回収は会場入り口近くに50a×90aのボックス1個を設置。市が燃やせるごみとして回収している布・繊維類は現在、総量の約10%を占めており、減量対策が課題となっている。回収した古着は、上川管内鷹栖町の業者に買い取ってもらう。市環境推進課の三浦正志主査は「まずは試験回収し、将来的に別回収できれば、ごみを減らせるのではないか」と話した。

 会場内には、函館中央三菱自動車販売の電気自動車を昨年から3台増やして4台を配置。ステージの音響や自動販売機での冷却などに電源を供給し、来場者の関心を集めた。

 このほか、自転車などの修理製品を抽選で無料提供するイベントも人気だった。

 4年ぶりに同時開催となった北海道リサイクル・ペーパー・フェア(古紙再生促進センター北海道地区委員会主催)に先立ち、同センターがトイレットペーパー104箱(23万円相当)を市に贈呈。今後、市内の社会福祉施設37カ所に配る。(山崎大和)