2014年8月4日 (月) 掲載

◎雑誌購入でスポンサー 市中央図書館が募集

 函館市中央図書館(五稜郭町)は、企業などに雑誌の購入費を負担してもらい、代わりに最新号のカバーに企業名や広告の掲載を認める「雑誌スポンサー制度」を開始した。道南の図書館では初めてで、29日までスポンサーを募集している。市の財政難で図書購入費の減少が続いているためで、企業や団体の力を借りることで蔵書の充実を図る考え。

 スポンサーの対象雑誌は一般週刊誌をはじめ、趣味や文芸、スポーツなど季刊、月刊の150誌。企業や個人事業者、団体が対象で、図書館が購入している雑誌の中から最大10誌まで選んで購入費を負担する。購入費は雑誌によって異なる。

 本年度は10月から来年3月までの半年間で、それ以降は1年更新。対象の雑誌に取り付けられている透明カバーの表の面に、縦5センチ、横15センチ以内の大きさで企業名や広告、ロゴマークを表示できる。カバーの裏面には関連ちらしを入れることができる。

 市立図書館の図書購入費は年々減少が続いており、本年度は前年度比184万円減の2950万円、購入冊数も同2014冊減の1万3691冊と「開館当初の半分以下にまで減った」(同館)と深刻。同図書館の利用客も減少傾向が続いており、、購入費減が影響している実態がある。

 道内では旭川、帯広、釧路などで同制度を導入。1日から募集を始めたが、すでに数件申し込みが寄せられている。同館は「雑誌は特に読まれており、宣伝効果は高いのでは」と期待を寄せている。先着順で、29日必着。問い合わせは同館(TEL0138・35・6801)へ。(千葉卓陽)



◎ワッショイはこだて最終日 函館熱気に包まれ幕

 函館港まつり3日目の3日、メーンイベントのパレード「ワッショイはこだて堀川・五稜郭コース」が行われた。77団体、約11700人、山車52台が参加。函館の夜を熱気で包み、沿道の観客を楽しませた。

 この日の函館の最高気温は31・1度と真夏日を観測。2日に続き天候に恵まれたパレードは、午後4時半ごろスタート。1部は、おそろいの法被姿が美しい「函館港おどり」。2部は、子どもの笑顔があふれた「子供いか踊り&サマーカーニバル」。3部は、自由参加も行われた白熱の「函館いか踊り」。踊り手は汗を流しながら、パレード最終日を元気良く盛り上げた。

 沿道から応援していた会社員の伊東路香さん(41)は「知り合いも参加しているので、とても楽しかった」と話した。

 港まつり最終日の5日は、大門グリーンプラザで函館港おどり・いか踊り大会やワッショイはこだてコンテスト表彰式が行われる。(斎藤彩伽)



◎七飯でスポーツ合宿本格化

 【七飯】スポーツ合宿の誘致に力を入れている町では、ことしも8月を中心に長距離陸上種目の実業団が続々と夏合宿のため大沼入りする。本年度は6チームの合宿が決まっている。誘致を進めてきた町政策推進課は「継続して合宿にきていただけることはありがたい」と歓迎している。

 7月31日に1番乗りで大沼入りしたのは6年連続の来町となる常連≠フノーリツ女子陸上競技部。6日からはトヨタ紡織陸上部(4回目)、15日にスバル陸上競技部(2回目)、19日にスズキ浜松アスリートクラブ(3回目)、20日にデンソー女子陸上長距離部(3回目)が大沼入りする。

 大沼が選ばれる理由について同課は湖畔週遊道路を挙げ、「本州に比べ涼しい気候や豊かな自然が評価されている」と説明する。

 「大沼で有意義な合宿をしてもらいたい」(同課)という趣旨から2010年より無償でレンタカーの貸し出しを実施。このほか、地元特産品PRを兼ねた差し入れを提供するなど支援策も充実。この成果もあって、同町で合宿した選手たちによる口コミで人気が広がり、年々参加チームの数を増やしてきた。スポーツ合宿誘致に向けた取り組みは着実に成果を表し、ことしも多くの実業団を招く。町側は万全のサポート体制を整える。

 同課は各実業団の合宿期間を記載したポスターを製作。役場庁舎や文化センターなどの公共機関のほか、商店街などに掲示しており、「活躍を期待して町全体で応援しましょう」と呼びかけている。(野口賢清)


◎シカとの交通事故増加 昨年42件前年比1・75倍

 渡島管内で発生したエゾシカが原因の交通事故が42件(2013年)に上り、12年の1・75倍へと拡大した。捕獲数も増え続けており、道南でも生息数の増加傾向がうかがえる。

 道がまとめた調査結果によると、渡島の交通事故件数は12年の24件から13年に42件へと増加。データがある04年以降で最多となった。月別では、9〜11月の3カ月で全体の76%(32件)。シカは夜に光に向かってくる習性があり、ライトを付けて走行中の車と衝突するケースが多いという。振興局別では、釧路362件(前年比53件減)がトップ、次いで胆振240件(同29件増)、十勝168件(同9件増)。桧山は12、13年とも2件で変わらなかった。

 渡島での捕獲数(狩猟と許可)は、12年に1155頭となった。11年より169頭増えた。函館市の伸びが目立つほか、松前、木古内、北斗、鹿部、森、八雲、長万部の各市町でも増加した。

 また、JR列車で起きたシカ絡みの事故件数は南部地域(渡島、桧山、後志)で12年に117件となり、11年より49件増えた。

 交通事故、捕獲数、JR事故件数の増加という3つの要素に加え、渡島総合振興局は「エゾシカライトセンサス調査で目撃されるシカの数が増加傾向で推移しているので、管内でも生息数が増えている可能性が高い」(環境生活課)としている。一方、農林業被害は函館市内で発生しているが、JAや農家の対策が奏功し、渡島全体の被害額は減っているという。(山崎大和)