2014年8月5日 (火) 掲載

◎「女神輿」が初登場、15日に函館八幡宮例大祭

 函館市谷地頭町2の函館八幡宮(中村憲由樹宮司代務者)は、例大祭の中で15日に行う神輿渡御(みこしとぎょ)で、今年初めて担ぎ手を女性で行う「女神輿」を実施する。現在、担ぎ手を募集中で、10日午後1時から同八幡宮で練習会を開く。関係者は「幅広い世代に伝統を引き継ぐことになる。ぜひご参加を」と呼び掛けている。

 神輿渡御は1780(安永9)年には始まっており、現在は2年に1度行う。「瑞垣(みずがき)会」(渡辺兼一会長)が取り仕切り、市の有形文化財に指定されている大神輿(約1・5d)を担ぎ、西部地区の約6・5`を巡行する。近年は担ぎ手が減少し、女性にも参加してもらおうと女神輿を企画した。高校生でも参加できる。

 女性が担ぐ神輿は、同八幡宮が1880年に元町から現在地に移る際に御神体が乗せられたもので、その後、約100年間、椴法華八幡神社(函館市新八幡町)で使われていたが約20年前に戻ってきた。台輪(台座の部分)は3尺(約90a)で、大神輿の4尺(約1・2b)に対して一回り小さい。屋根や内部に傷みがあり、瑞垣会を構成する神輿いろは会の杉本茂会長らが約2カ月かけて修理した。

 練習会は、初心者でも気軽に参加できるように行う。女神輿は40〜60人で担ぐ。渡御は大神輿を担ぐ男性と交代で行い、クライマックスの「石段かけのぼり」(午後5時予定)は女性で行う。

 申し込み、問い合わせは函館八幡宮(TEL0138・22・3636)へ。



◎国際民俗芸術祭が開幕、会場盛り上がる

 世界各地のアーティストが伝統舞踊や音楽を披露する「第7回はこだて国際民俗芸術祭」(一般社団法人WMDF主催)が4日、開幕した。初日は大門グリーンプラザで前夜祭を開催。雨模様のあいにくの天気となったが、来場者はパフォーマンスや出演者との交流を楽しんだ。10日まで。

 時間を30分ほど遅らせるなどの対応をして、開催。WMDFのイアン・フランク代表の音頭で乾杯し、ラテンバンド「コロリダス」やタカパーチなどが出演。ノリの良いオリジナル曲で会場を盛り上げた。

 イアン代表は「前夜祭での雨は初めてだが、今年は7回目のラッキーセブンがついている。明日以降の天気を期待したい」と話していた。

 今年は国内をはじめ、フランスやチェコ、ポルトガルなどから36組が出演し、元町公園を主会場に、パフォーマンスを繰り広げる。5日は午後4時から。問い合わせはヒトココチ(TEL0138・51・5727)へ。(平尾美陽子)



◎虐待処理、最多の140件/昨年度の函館児童相談所

 函館児童相談所(函館市中島町、千葉英登所長)は、昨年度に寄せられた児童虐待相談の詳細をまとめた。相談件数は260件に上り、虐待と認めて処理したケースは140件あった。いずれも過去最多としており、処理件数は前年度から19件増加している。改行 情報を得た経路は、警察からが80件と全体の57%を占める。近隣や知人からが10件、児童本人からも4件あった。

 虐待者は実父が68件と約半数を占め、実母も41件。虐待を受けた年代は小学生が52件と最多だった。内容別では言葉による暴力など、心理的虐待が73件と半数に及んでおり、食事を与えないなどのネグレクト(育児放棄)と身体的虐待が各32件あった。また、処理の方法は助言指導が125件と約9割を占めており、継続指導が5件、児童施設に入所したケースも3件あった。

 千葉所長は、260件あった相談のうち約7割が函館市内だったとし、「少子化が進んでいる中でも虐待が増えている。関係機関と協力しながら、子どもへのより良い療育環境を作りたい」と話している。

 一方、函館市や警察、学校などの関係機関でつくる市要保護児童対策地域協議会(会長・岡崎圭子市子ども未来部長)が扱った昨年度の虐待件数は、前年度比3件増の135件(同相談所との重複を含む)。ネグレクトが88件と目立ち、実母からの虐待が100件と大半を占めた。また、市で設置している「子どもなんでも相談110番」にも、昨年度に135件の児童虐待相談が寄せられた。7月29日に開かれた同協議会の代表者会議で報告された。(千葉卓陽)


◎ふくしまキッズが七飯入り

 【七飯】福島県内の子どもたちを対象にした自然体験活動「ふくしまキッズ夏季林間学校」が4日、町流山温泉(町東大沼294)で開校式を迎えた。参加者たちはこれから始まる夏の思い出に胸を膨らませながら式に臨んだ。

 8月23日までの間、計約120人が大沼をはじめ、八雲町や瀬棚町などを訪問しながら北海道の自然を楽しむ。期間中は50人ほどの学生や社会人ボランティアが運営をサポートする。

 開校式には中宮安一町長も出席し、「家族や協力してくれる人たちへ感謝の気持ちを忘れず、夏休み一番の思い出をつくってください」と歓迎のあいさつを述べた。式の中でお礼の手紙を朗読した、郡山市の小学5年、蓮沼新太君は「自分たちで計画を立てて、いろいろなところへ出かけるフィールドトリップがすごく楽しみ」と笑顔だった。

 その後は同温泉敷地内で宝探しを楽しみ、森林を探索しながら自然と触れ合った。須賀川市から参加した小学6年の安齋優君は「暗号がすごく難しかったけど、みんなで協力して解けたのがうれしい」と話していた。

 4日以降は同温泉で集団生活を体験したあと、道南各地で合宿などを通じて地域の人たちと交流する。また、自分たちで旅行の計画を立て、函館—長万部間でJRを利用して実際に旅をするフィールドトリップも行う。ふくしまキッズ北海道プログラムを管理するNPO法人「ねおす」の上田融理事は「きっかけは不幸な出来事だか、今こうして出会えたことを前向きに捉え、外で思い切り遊んでほしい」と話していた。(野口賢清)