2014年8月6日 (水) 掲載

◎青函連日で「バル街」 来月5日「函館」6日「あおもり」

 スペインの伝統的な食文化「バル」に見立て、函館市西部地区で酒やおつまみ(ピンチョ)を楽しむ「第22回函館西部地区バル街」(実行委主催)が、9月5日に開かれる。翌6日には青森市で「第4回あおもりバル街」があり、日程を合わせて青函で連続して開くのは初めて。新幹線開業を見据え、双方の行き来を活発化させる考えだ。

 これまでも青函連携で互いに出店するなど交流を図ってきたが、新幹線開業を見据え、両地区の実行委員会は新たなスタイルを模索してきた。連日開催することで、より多くの人に両地域のイベントを楽しんでもらう企画にした。

 函館では2004年から春と秋の年2回開催しており、今回は西部地区の飲食店を中心に、七飯、江差、八雲などから74店が出店。互いに出店するなど交流のある愛知県刈谷市の「ほろ酔いカリアンナイト」が初参加する。

 協賛イベントでは講談が初めて登場。旧相馬邸で講談師・荒到夢形さんが「相馬哲平伝」を演じる。着物でバル街を楽しむ「きものdeバル」やピアノ演奏など多彩な内容を予定している。

 深谷宏治委員長は「青函で連続開催することで、今までと違った効果が出てくると思う。バル街を通じて、西部地区の雰囲気を楽しんでもらえれば」と話している。

 函館は9月5日午後2時〜6日午前0時。前売りチケットは5枚つづり3500円(当日500円増し)で、松柏堂プレイガイドなど市内各所や出店店舗で取り扱う。問い合わせはレストラン・バスク(TEL0138・56・1570)へ。(平尾美陽子)



◎アイスを中国に輸出へ 函館酪農公社など

 函館酪農公社(中野町、柴田満雄社長)などは5日、今月下旬からアイスクリームを中国に輸出することを明らかにした。現地の日系企業と連携し、中国の青島イオンで北海道アイスコーナーを展開する。関係者は「中国での北海道ブランド確立につなげたい」と意欲を示している。

 中国に輸出するのは、同公社の「牧場仕立てアイスクリーム」やメロンシャーベットなど計4種類。長沼あいす(空知管内長沼町、山口真巧社長)のアイス「あいすの家」13種類とともに送る。

 8月下旬に12個入り各1ダースを空輸し、9月以降は24個入り各2700ケースを冷凍コンテナで送る計画で、現地での通関を経て、約1カ月後に販売される見通し。

 今回の輸出は、道南の農水産物の流通を手掛ける北海道食品開発流通地興(谷沢広代表理事)や同公社など14の企業・団体が全国商工会連合会から採択を受けた共同海外地進出支援事業の一環。中国で低温流通網を持つ日系企業、相川商貿有限公司と連携し、現地で販売する。

 同地興によると、中国への乳製品輸出は口蹄疫発生などの影響で認められてこなかったが、アイスが禁止項目に入っていないことを農林水産省が認めたことで、輸出が可能になった。

 同公社がアイスを本格的に海外輸出するのは今回が初めて。柴田社長(64)は「北海道のブランド化の意味で共感できる取り組み。アイスのメーカーも少ないだけに、国内企業が連携しての流通ルートに乗ることで、今後の展望が見えれば」と期待する。

 同地興は9月以降、香港で行われる北海道スイーツのイベントでも函館のスイーツ製品販売に取り組むほか、中国では11月下旬からイオン49店でアイスを販売する見通しとしている。(千葉卓陽)



◎「うまいもん甲子園」道予選に大妻高初出場

 函館大妻高校(池田延己校長、生徒432人)の食物健康科3年生が、8日に札幌で開かれる「ご当地!絶品うまいもん甲子園」(全国食の甲子園協会主催)の北海道エリア予選大会に初出場する。道南の食材をふんだんに使った「ビビンバDO—NAN!?」を提案し、全国大会への出場を目指す。

 「ご当地—」は、農業・水産・商業系の高校生が地域食材を使ったアイデアメニューを発表し、おいしさや出来栄えなどを競う料理コンテスト。全国から応募のあった235チームの中から、書類選考で35チームが選ばれた。全国7ブロックの予選大会で調理、試食、プレゼンテーションを通じて料理を紹介、各ブロックの優勝チームが決勝大会(東京)に進む。

 北海道からは16チームが応募し、選考を突破した大妻高を含む5チームが予選に出場する。同校は北海道新幹線開業を見据え、新幹線沿線の市町に着目。北斗産米「きたくりん」を使い、具材に木古内産のはこだて和牛、北斗産ニンジン、知内産ニラなどを載せ、道南の食材を中心に彩り豊かに仕上げた。七飯産リンゴを赤ワインで煮詰めて作った甘辛いソースが味の決め手だ。

 コンテストに向けて伊藤麗奈さん(18)、加我のぞみさん(17)、中谷優莉亜さん(18)が6月にチームを結成。生産者のもとに足を運んで食材の知識を深め、夏休み中も毎日、プレゼンの練習や調理などに励んでいる。

 加我さんは「ここまで頑張ってきたからには、良い結果を出したい」、中谷さんも「函館のことを多くの人に知ってもらうために、全国に行きたい」と意欲。伊藤さんは「生産者の皆さんの思いも背負い、道南の良さをアピールできるよう頑張りたい」と力を込める。(虎谷綾子)


◎子どもたち祭ばやし練習に熱 姥神渡御祭9日に開幕

 【江差】姥神大神宮渡御祭が9日に開幕するのを前に、子どもたちが祭りばやしの練習に励んでいる。

 祭ばやしは、京都の祇園祭の流れをくみ、町内に13台ある山車(やま)ごとに独自の音色がある。夏休みに合わせて練習が始まった。夕暮れになると町内各地で笛や太鼓のみやびやかな音色が響く。

 本町地区の山車「清正山(せいしょうざん)」は、法華寺通り商店街で練習。多い日には小中高生20人が集い、午後6時から約3時間練習している。

 江差高校2年の若松美沙さん(17)は「今年は子どもたちの人数が多いのでいつも以上ににぎやか。練習も順調」。江差小1年の佐藤温君(7)は初めての太参加で「上手にたたきたい」と声を弾ませていた。

 祭礼は9日が宵宮祭。本祭の10、11日は大神宮のみこし行列に付き従い、山車が町内を巡行する。祭りばやしの音色を競うコンクールも行われる。(田中陽介)