2014年9月12日 (金) 掲載

◎函館商業高3年の和田さん日商簿記1級合格

 6月の「日商簿記検定1級」(日本商工会議所主催)に、函館商業高(川眞田政夫校長、生徒588人)会計ビジネス科3年で簿記部の和田清佳さん(17)が合格した。同科からは昨年に次ぐ2人目の快挙で、和田さんは「信じられなかったが、受かってうれしい。これからも勉強を続けたい」と笑顔を見せる。

 日商簿記1級は、税理士や公認会計士といった国家試験の登竜門で難関とされている。試験は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目100点満点で、合格には各科目の10以上、合計70点以上が必須。和田さんは昨年11月、初めて1級に挑戦したが不合格となり「6月の試験をもう一度受けよう」と決心した。今回の試験で見事合格をつかみ、リベンジを果たした。同試験は受検者数8738人、合格者数847人で、合格率は9・7%だった。

 簿記部からは和田さんのほか3年生3人も受検したが、和田さんのみ合格した。「自分が一番理解力がなく、仲間に教えてもらってばかりだった」。遊びや趣味に費やす時間を我慢し、部員とともに休日も12時間以上の勉強に励んだ。和田さんは「最初から『自分には無理』と決めつけず、『できるかもしれない』と思って取り組む大切さを学んだ」と振り返る。

 同部顧問の石塚和久教諭は「女子生徒での1級合格は初めての快挙ではないか」と話す。

 合格を機に、卒業後は就職から大学進学へと進路を変更した。税理士や公認会計士の資格取得を目指し、今後も努力を続けていく。(斎藤彩伽)



◎函館駅で青森の特産PR 修学旅行中の十和田湖小児童がパンフレット配布

 青森県十和田市の法奥小学校(児童82人、蛯名祐一校長)と十和田湖小学校(児童10人、山内和彦校長)は11日、JR函館駅前で地産品のPR活動を行った。修学旅行で函館を訪れた両校の児童25人が、パンフレットなどを配布し、市民らに十和田市の魅力を伝えていた。

 子どもたちの郷土愛を育むとともに、2016年の北海道新幹線開通を見据え、十和田市を多くの人に知ってもらうのが狙い。児童たちは、特産品や十和田湖の楽しみ方などをまとめた手作りのパンフレットやあおもり米「まっしぐら」、奥入瀬源流水などを配り、古里をPR。声を合わせ、「青森県十和田市から来ました」と呼び掛けながら、市民らに地産品を手渡していた。

 法奥小6年の里村昌哉君(12)は「函館の皆さんが優しく受け取ってくれてうれしかった。十和田市は自然豊かで動物もたくさんいるきれいなところなので、ぜひ遊びに来てほしい」、十和田湖小6年の米田依里湖さん(11)も「頑張ってたくさん配りました。北海道の人たちに、十和田市のおいしいものや良いところを知ってもらえたらうれしい」と話していた。(虎谷綾子)



◎「新幹線ドミノ」青函学生が挑戦 5万3850個で沿線地域の魅力PR 17日に披露

 【北斗】2016年3月の北海道新幹線開業の機運を高めようと、函館市と青森市、弘前市の大学生が、新函館北斗駅ができる北斗市押上の市総合体育館で、「新幹線ドミノ」の制作に挑戦する。青函トンネルの長さ5万3850bにちなみ5万3850個のドミノを使い、道新幹線や沿線地域の魅力をテーマにドミノを並べる。15日から制作を始め、17日午後5時から、ドミノを倒すセレモニーを開催する。

 道の北海道新幹線開業PR推進事業の一環で実施。制作に参加する学生は函館側が公立はこだて未来大と函館高専、函館大、道教育大函館校北大水産学部・大学院の28人、青森側が青森大と弘前大の5人の計33人。NPO法人日本ドミノ協会の監修のもと、5チームになってドミノの仕掛けや絵柄を考案した。

 沿線の市町をイメージしたドミノや青森から北海道へ海を越えて来る北海道新幹線をイメージしたドミノが融合。本物のスルメイカ500枚を針金で立てるドミノや、道の北海道新幹線PRキャラクター「どこでもユキちゃん」や沿線のご当地キャラクターの絵柄が現れるものもある。

 17日は午後3時から開場し、会場に子ども向けのドミノ体験コーナーを開設。セレモニー開始前には道教育大学函館校吹奏楽団の演奏や公立はこだて未来大学「Dance.sarfy」のチアダンスといったアトラクションも予定し、各市町のキャラクターも登場する。

 先着でイベント限定Tシャツをプレゼントする。イベントの様子を撮影し、北海道新幹線開業のPR動画も制作する。

 入場無料。ただし、15、16日の見学は不可。

 問い合わせはドミノ大会本部(TEL080・5587・5201)へ。(鈴木 潤)


◎函館市の空き店舗 中心部で増加 2013年度調査

 函館市は2013年度の市内中心部の空き地・空き店舗の状況をまとめた。毎年3月末を基準日として、函館駅前・大門地区、本町・五稜郭・梁川地区と、両地区を結ぶ新川〜千代台町の中間エリアが対象。空き店舗は、駅前地区が107棟255店舗、本町・五稜郭・梁川地区が122棟241店舗で、12年度よりも増加。特に本町地区で夜間飲食店の閉店が目立つなど、飲食店業界を取り巻く厳しい状況がうかがえる。

 駅前地区の空き店舗は12年度比で2棟35件の増加。分類別では夜間飲食店が37件増の179件を占める。営業中店舗は436件で、夜間飲食168件、サービス101件など。空き地は12年度比1件1504平方b減少の24件7241平方b、駐車場(時間貸し、月決め、専用)は6カ所増えた。

 同地区では4月以降、かつて地域の象徴的存在だったキャバレー「ナイトパレス未完成」(松風町)が入居していた旧鈴屋ビルの解体工事が進められるなど、空き地化の動きに歯止めが掛かっていない。一方で、グリーンプラザ沿いを中心に市の空き店舗補助金や優遇融資制度を活用した空き店舗の解消が進み、函館プラザホテルの改修、大手ファストフード店の出店計画があるなど、再活性化の兆しも見え始めている。

 12年度から調査対象となった本町地区は、空き店舗は27棟94件の増加。241件の内訳をみると、夜間飲食店が123件増え187件となった。空き地は、本町の7500平方bの敷地にあった共同住宅の解体に伴い、面積が大幅に増加し、9288平方b。駅前と本町地区を結ぶ中間エリアでも空き地、空き店舗ともに増加した。

 市が進めている中心市街地活性化基本計画の事業では、旧WAKOビル、旧グルメシティ五稜郭店の解体工事が大詰めを迎え、16年には駅前、本町地区の中核施設に生まれ変わる。市経済部中心市街地再生担当は「駅前、本町地区ともに、核となるビルが呼び水となって、空き店舗が解消されることを期待したい」としている。(今井正一)