2014年9月14日 (日) 掲載

◎航空機誘導「できた」 小学生が体験 滑走路ウオークも 函館空港でフェスタ

 空港や航空機を身近に感じてもらうイベント「函館エアポートフェスタ'14」が13日、函館空港(函館市高松町)で開かれた。航空機を所定の位置に誘導する「マーシャリング業務」の体験が、道内の空港で初めて行われ、参加した小学生は大興奮した様子だった。滑走路を歩く「ランウェイウォーク」も函館空港では初めて行われた。

 マーシャリング業務の体験は全日空函館支店(坂元洋一郎支店長)が企画。同支店によると、大きな空港ではさまざまな制約があるため、実際の航空機を使った体験は全国でもほとんど行っていないという。

 小学生10人限定で午前と午後の2回実施。午前10時半の回には50人の応募があり、抽選で参加者を決定した。制服に着替えて事前訓練を受けた後、参加者は羽田発の到着便の前に並んで立ち、大きなしゃもじ状の「パドル」を左右に動かしながら、誘導業務に挑戦した。

 飛行機が無事に所定の位置に到着すると、保護者や関係者から拍手が沸き起こり、子どもたちは達成感にあふれ感激した様子だった。到着便のパイロットも駆け付け「上手にできましたね」と話した。

 北斗市から参加した田中道さん(39)と大野小2年の杏佳さん(8)は「貴重な体験なのでぜひ参加したかった」と午前8時半に来たという。杏佳さんは「とても楽しかった」と満足した様子で話した。同社函館空港所の高松裕史所長は「地方空港の強みを生かして実施することができた。臨場感あふれる体験を味わってもらえたのでは」と話した。

 ランウェイウォークは、事前に応募した小学生と保護者61人が参加。早朝の薄暗さが残る空のもと午前5時半にスタート。参加者は幅45b、長さ3000bの滑走路のうち約500bを30分ほどかけ、思い思いのペースで歩いた。南本通小6年の井上貴翔君(11)は、「思ったより広くて長いので驚いた」と話した。

 このほか、ステージショーや制服を着て行う子ども限定の記念撮影会などがあり、親子連れなどでにぎわった。(山田大輔)



◎松前マグロ 豪快に解体 まつり盛況

 【松前】町特産の本マグロが味わえる「第4回松前マグロまつり」(実行委主催)が13日、松前公園内の松前城広場で開かれた。町内外から多くの人が訪れ、松前が誇る海の幸を堪能した。14日も行われる。

 2日間で約1・3dの町産本マグロを用意。会場にはマグロの頭を豪快に焼いた「兜焼き」や、名物の松前漬けを使った焼きそばなどが並んだほか、町の姉妹都市である福島県伊達市の物産協会も出店し、モモやブドウなどの特産品を販売した。  メーンの解体ショーでは、職人が56・6`のマグロを豪快な包丁さばきで切り分けると、会場から大きな歓声が上がった。さばいたマグロは格安で販売され、来場者が次々と買い求めていた。

 このほか、寿司60貫をかけたクイズ大会、7`クラスのマグロ1匹が当たるスピードくじ、町観光大使を務めるシンガー・ソングライター、浅羽由紀さんのライブなど、多彩な催しを繰り広げて会場を盛り上げた。

 千歳から訪れた逸見和樹さん(26)は「ずっと楽しみにしていたイベント。マグロもおいしいし、雰囲気も楽しい」と笑顔だった。

 14日も午前10時から午後3時まで。初日と同様のプログラムを行うほか、午前11時半から、北海道テレビ放送(HTB)のアナウンサー、国井美佐さんによるマグロ解体ショーを実施する。(金子真人)



◎「コンブ見学・加工体験」海藻を観光資源に 試験ツアーで可能性探る 

 ガゴメコンブなどの海藻を観光資源に活用しようと、コンブ漁見学と加工体験をする試験的なツアーが13日、函館市志海苔町で行われた。旅行業関係者や地域住民らが漁船に乗り込み、間近でコンブを引き上げる様子を見るなどして観光メニューとしての可能性を探った。

 今回のツアーは、函館の産学官金の連携組織「道南食と観光クラスター型6次産業化推進協議会」の支援を受けて函館ガゴメ連合とフードカンが主催した。同協議会は函館地域産業振興財団、北大大学院水産科学研究院、北洋銀行函館中央支店、渡島総合振興局で構成。ガゴメコンブをはじめとした海藻の観光資源化と高付加価値化を目指している。

 この日はホテルや旅行業などの関係者、地域住民ら約40人が参加。函館市漁協根崎支所が協力し、志海苔漁港から漁船2隻が沖まで出て、参加者はコンブ漁の様子を見学。漁の最盛期は過ぎたものの、幅広のコンブが海から引き上げられると歓声が上がった。

 次に市漁村センターでコンブのおぼろ削りを体験。梶原昆布店(豊川町)の梶原健司社長らが伝統の職人技を披露し、参加者も包丁を手に持ってコンブ削りを楽しんだ。

 参加したJTBコミュニケーション&サポート北海道の梅津真平営業担当部長は「ガゴメコンブにスポットを当てることで函館でしかできない体験メニューになる」と評価。ただ、「受け入れ体制、持続できるかどうかなどハードルがいくつかあるのでは」とした。

 協議会を構成する函館地域産業振興財団の猪飼秀一専務理事は「ガゴメは生産から加工、販売までの6次化はうまくいっている。その先の観光資源化にまで持っていければ」と展望を語った。今後はガゴメを使い、ホテルでの朝食フェア、飲食店でのフードラリー、新商品の開発を計画している。(松宮一郎)


◎敬老の日の贈り物に写真いかが タニスギ写楽館が無料撮影会 15日まで

 函館市美原3の写真館「フォトスタジオタニスギ写楽館」(谷杉アキラ代表)は敬老の日に合わせて13日から、70歳以上の高齢者を対象に無料写真撮影会を開いている。46年間続く恒例のサービスで、訪れた高齢者が最高の表情を見せている。15日まで。

 高齢者の無料撮影は、谷杉さんの父の故晃一さんが考案。20代で父親を亡くして店を継いだ晃一さんが、写真館を訪れるお年寄りに父親の姿を重ね、高齢世代の人々に恩返しをしようと始めたのがきっかけで、例年、3日間で40〜50組が訪れるという。

 市内北美原2の畠山敏子さん(80)は娘と来店。谷杉さんから「今までで一番楽しかったことは何ですか」といったインタビューを受けながら撮影に臨んだ。畠山さんは「雰囲気が良くて楽しかった。頑張って長生きして、また来年も来たい」と笑顔。谷杉さんは「毎年足を運んでくれるお年寄りもいて、顔を見せてくれるとうれしい。撮影をきっかけに家族だんらんにつながってくれれば」と話していた。

 サイズは手札判(8×12a)。60歳代は3000円で提供。予約優先で、午前10時から午後6時まで。問い合わせは同館(рO138・46・4554)へ。(千葉卓陽)