2014年9月24日 (水) 掲載

◎縁桂フェスに300人、乙部で2年ぶり

 【乙部】縁結びの神木として親しまれている「縁桂(えんかつら)」に触れる、縁桂森林フェスティバル(実行委主催)が23日、2年ぶりに開催された。町内外の住民約300人が訪れ、交流を深めた。

 昨年は8月の集中豪雨被害のため中止。現在も復旧工事中だが、道のりの安全確保ができたことから、同フェスに限って一般開放した。

 縁桂は樹齢500年とされるカツラの巨木。隣り合う2本の木から伸びた枝が、空中で結び合いながら成長を続けた「連理(れんり)の木」で縁結びの神が宿るとされる。

 約1`のコースで、沢沿いを片道20〜30分かけて散策。縁桂の前では神事が執り行われ、参加者は「ご縁がありますように」と手を合わせた。

 姉妹樹の友好関係にある中国張家界市から開催祝いと日中友好を願う親書が届き、読み上げられた。

 散策後には、ジャガイモやカボチャの塩煮とサンマの塩焼きが無料で振る舞われたほか、歌手の木村香澄さんの江差追分ステージもあり、盛り上がった。

 七飯町の藤本健児さん(43)は「長い年月を経て成長してきた縁桂を初めて見ることができた」と語り、長男の尚希君(10)も「思っていた以上に大きくてすごかった」と満足の様子だった。(田中陽介)



◎学童保育まつり 歓声響く

 函館市学童保育連絡協議会(永井あや子会長)は23日、道立道南四季の杜公園で「第32回学童保育まつり」を開いた。市内の学童保育所に通う親子約1000人が、ゲームを楽しむなどして交流を深めた。

 開会式では、児童106人による銭太鼓がオープニングを飾り、永井会長が「趣向を凝らした各クラブのコーナーを回って楽しんでください。そして学童に通う仲間がたくさんいることを知ってもらえれば」とあいさつ。来賓の市子ども未来部の岡崎圭子部長らもあいさつした。

 みんな遊び(しっぽ取りゲーム)では、子どもたちが元気に原っぱを駆け回り、歓声が響いた。また、各クラブが準備した紙飛行機作りや魚釣り、フラフープなど18の出し物を楽しんだ。このうち、函館法人会青年部会(山口英明部会長)も租税教育事業の一環でブースをだし、税金クイズで会場を盛り上げた。

 同協議会には、現在25クラブが加盟している。(山崎大和)



◎ペレットで経済活性化を、唐澤さんが利点説明

 道南での木質ペレットストーブ導入促進を目指すセミナー「山と地域を元気にする森のエネルギー〜道南での木質ペレットの利用」が23日、函館市中央図書館で開かれた。NPO法人日本の森バイオマスネットワーク(本部・宮城県)理事の唐澤晋平さん(29)=愛知県在住=が講演し「地域内でお金を循環させるのが木質バイオマスの強み」と強調した。

 NPO法人南北海道自然エネルギープロジェクト、北海道国際交流センター(HIF)、北海道環境財団(札幌)などで設立した北海道バイオマスペレット利用促進コンソーシアムの主催で、約20人が参加。

 澤さんは「再生可能、カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量が同じ)、価格が安定している」と利点を説明。木質ペレットを使うと、林業が盛んになり雇用を生む効果があるとした。

 函館市の一般家庭でのエネルギーコストは、人口27万人・14万世帯で計算すると年間280億円で、うち約140億円が熱エネルギー。「1割(14億円)でも地域で自給できれば、何百人という雇用が生まれる」と話した。

 ペレット事業成功の秘訣として@今捨てられているものを原料にするA先に売り先を作るB地域内外にネットワークを作るC小さく始め、大規模化しないD補助金をうまく使う—ことをアドバイスした。(山崎大和)


◎連結決算55億円の黒字、函館市昨年度

 函館市の一般会計、特別会計と企業会計を合わせた2013年度の全会計連結決算は55億4900万円で、4年連続の黒字となった。一般会計は約15億円の黒字で、市税と地方交付税が当初予算を上回ったことから、自治体の貯金にあたる基金を取り崩すことなく黒字を確保した。

 一般会計は歳入で、市税が製造業や金融・保険業の業績好調に支えられたほか、積極的な収納率増加対策を行ったことで当初予算を約11億円上回ったほか、地方交付税も当初予算を約6億円上回った。加えて前年度からの繰越金が約12億円あり、半分を減債基金に積み立てている。

 当初予算では基金8億円の使用を見込んでいたが、今年2月に市税と地方交付税を増額補正しており、取り崩しを回避している。これに伴い、自主財源の割合の高さを示す財政力指数(3カ年平均)は0・447と、前年度から0・05ポイント改善した。

 特別会計は9会計合計で約1億円の黒字。自転車競走事業(市営競輪)で4700万円の単年度黒字を計上して累積赤字額を5億7600万円に改善。国民健康保険事業も1億200万円の単年度黒字で、累積赤字額を1億3100万円に減らした。

 また、企業会計も約40億円の黒字だった。中でも病院会計は3病院(市立函館、恵山、南茅部)合計で3億324万円の単年度黒字を計上し、2000年度から13年間続いていた累積赤字を解消した。

 自治体の財政状況は財政健全化法に基づき、@普通会計の実質赤字比率A全会計の連結実質赤字比率B実質公債費比率C借金の将来負担比率—の4指標を示すことが義務付けられている。市の場合、昨年度は@、Aとも黒字のため数値はなく、標準財政規模(市税と地方交付税)に対する借金返済の割合を示す実質公債費比率は前年度比0・1ポイント増の8・7%とほぼ横ばいだった。将来の借金負担比率は77・0%で、前年度比2ポイント改善している。

 市財政課は今後の見通しについて「旧渡島東部4町村との合併に伴う優遇措置が本年度で終了するほか、2015年の国政調査で人口減少に伴う地方交付税減少が見込まれている。今後の消費増税の動向が不透明な状況でもあり、予断を許さない」としている。(千葉卓陽)