2014年9月28日 (日) 掲載

◎アジア・アフリカ救援米を収穫

 【北斗】アジア・アフリカ救援米として食糧難に苦しむ海外の地域に送るための米の稲刈りが27日、市内東前の水田で行われた。親子連れら約30人が参加し、黄金色に輝く稲を手作業で刈り取った。

 連合渡島地域協議会(荒木敏安会長)や「食・みどり・水を守る労農市民会議」(長谷川義樹議長)の主催。救援米は道内5地域で作付けしており、道南では地元農家の山本隆治さんから水田25アールを借りて、5月末に「ななつぼし」を作付けした。山本さんによると、今年は天候に恵まれ、農作業が順調に進み、生育は良好だったという。

 稲刈りでは連合桧山地協の佐藤英之会長が「豊作のようで、昨年並みの900キロは収穫できるのでは。来月の食と環境まつりにも多くの参加をお願いしたい」とあいさつ。民主党道第8総支部の逢坂誠二代表は「田舎生まれ、田舎育ちの私には当たり前のことなのだが、米がどう育つのか分からない人が多くなっている。収穫の秋の喜びを味わってほしい」と述べた。

 参加者は山本さんから鎌の使い方を教わり、稲を刈り取った後にひもで束ねていた。函館分は10月4日午前11時から、函館市内の緑の島で開かれる「第5回食と環境まつり」の中で取り組み経過を報告する出発式を予定している。(今井正一)



◎ゴシケビッチ生誕200周年で足跡たどる

 初代ロシア総領事として幕末の函館に赴任し、写真術を伝えたことなどで知られるヨシフ・ゴシケビッチ(1814〜75年)の生誕200年を記念する移動展が27日、市地域交流まちづくりセンター(末広町)で始まった。パネル展や銅像の展示、ギャラリートークなどが行われ、函館ゆかりの人物の節目を盛大に祝った。

 ゴシケビッチ生誕200年記念事業実行委員会(長谷部一弘委員長)が主催。

 移動展はベラルーシの首都ミンスクを皮切りに、サンクトペテルブルグ(ロシア)、パリ(フランス)に続く4カ所目。生誕の地ベラルーシを紹介するパネルや、ロシア外務大臣が時の皇帝・アレクサンドル2世に対しゴシケビッチの総領事任命を伝える文書などを展示。今年のソチ五輪に関するパネルもある。

 午後1時半から開かれたオープニングセレモニーでは、エヴゲーニー・アファナシエフ駐日ロシア特命全権大使、セルゲイ・ラフマノフ駐日ベラルーシ特命全権大使、工藤寿樹函館市長らが出席してテープカットを行った。アファナシエフ大使は「ゴシケビッチは非常に能力、知能の高い人物。函館に始まるさまざまな交流の土台はゴシケビッチによって作られた」とたたえ、ラフマノフ大使も「銅像は意志の強い顔をしている。2つの国の歴史を作った人物をとても誇りに思う」と述べた。

 その後、ベラルーシ国立博物館のルイシュコフ・アレク館長らによるギャラリートークも行われ、同国の歴史や暮らしなどを紹介した。学生交流団として函館を訪れている、ベラルーシ国立大学4年のプリホトキナ・ダリヤさん(20)は「ゴシケビッチはベラルーシと日本の関係を良くした人。移動展で彼の足跡を知ることができるのはいい取り組み」と話していた。

 移動展は10月18日まで。28日午前10時からはカフェペルラ(元町)で記念講演会とフォーラムが開かれる。(千葉卓陽)



◎津軽半島の魅力PR、立佞武多や郷土芸能披露

 青森県に建設中の北海道新幹線奥津軽いまべつ駅周辺の魅力をPRする「津軽半島がっぱど!フェスタ」が27日、金森赤レンガ倉庫イベント広場などで始まった。高さ12メートルの五所川原立佞武多(たちねぷた)の展示をはじめ、郷土芸能のステージ、特産品の販売が行われ、市民や観光客を楽しませている。28日まで。

 同県五所川原市、今別町、中泊町の主催。金森会場のステージに飾られた中型の立佞武多は、三国志の武将・関羽をかたどったもの。実際の祭りに使用される立佞武多は高さ20メートルを超えるという。

 同市職員の佞武多師で、お囃子(はやし)のメンバーとしてステージにも立った福士裕朗さんは「立佞武多を函館に持ってくるのは初めてのこと。28日の夜も佞武多をともすので昼も夜も見に来てもらいたい」と話す。

 PRステージでは、青森の高校で唯一という金木高校三味線部(五所川原市)の部員3人とOG1人が津軽三味線の演奏を披露し、大きな拍手を受けた。このほか、中泊町の人形芝居「金多豆蔵」、今別町の郷土芸能「今別荒馬」が行われた。

 物産コーナーには十三湖のしじみ、のしいか、もずくうどんなど、3市町それぞれの名産が並び、来場者を喜ばせた。最終日の28日は午前10時スタート。金森会場のステージでは、立佞武多囃子(同11時)、観光PRと金田豆蔵(午後1時)、三味線演奏、今別荒馬(同3時)、JR函館駅会場では午前11時、午後1時40分、同2時50分に三味線の演奏がある。(今井正一)


◎施設待機者2210人に、函館市調査

 函館市は、特別養護老人ホームなどの介護保険施設に入所を希望している待機者が、今年6月1日現在で2210人に上っていることを明らかにした。市はこれをもとに、来年度からの第6期介護保険事業計画(2015〜17年度)で、介護保険施設の入所定員を定める方針。

 25日に開かれた市高齢者計画策定推進委員会(池田延己会長)で、市保健福祉部が報告した。

 調査は同計画の策定作業に伴って3年に1回に行っており、今回は特別養護老人ホームや介護老人保健施設、認知症高齢者グループホームなど市内104施設を対象に行った。

 総申込者6011人のうち、重複して施設に申し込んでいたり、死亡者、市外在住者などを除いた有効申込者(=待機者)は2210人。特別養護老人ホームが2038人と大半を占めている。

 また、要介護4〜5で、在宅や入院生活を送る緊急度の高い待機者は356人で、全体の16%に上った。これに加え、次期計画期間の最終年となる17年度も、緊急度の高い待機者が304人いると推計している。

 現計画では、本年度までの3カ年で入所定員を522床増やしている。市は次期計画で適切な整備数量を見込むとともに、「地域支援事業のあり方などについて案を示し、委員会で検討を深めていく」(介護保険課)としている。(千葉卓陽)