2014年9月30日 (火) 掲載

◎青函連携で新ケーキ 五島軒とJR東日本青森商業開発が年内販売へ

 函館市末広町の老舗レストラン五島軒(若山直社長)は、JR東日本青森商業開発(青森市、飛嶋聡社長)と連携し、アップルブランデーを使ったケーキの販売に乗り出す。26日に青森市内のホテルで行われた、青函圏経済の活性化を図る「パートナーシップ構築懇談会」(函館、青森両商工会議所主催)で、両社は青函ブランド商品を制作、商品化することで一致。ケーキは、年内の販売開始を予定している。

 五島軒は、七飯と青森のリンゴを使用したロールケーキ「函館ロール」を販売するなど、2016年3月の北海道新幹線開業をにらみ、青函両地域の素材を使った商品の開発を積極的に進めている。

 商機拡大を目指して、昨年9月から始まった同懇談会に参加。JR東日本青森商業開発が運営するりんごのシードル工房、エイ・ファクトリーの関係者と個別商談を行い、アップルブランデーを使用した商品の開発を模索してきた。

 協議を重ね、8月に試作品が完成。今回の懇談会で、商品化をし、北海道新幹線開業PRキャラクターの「どこでもユキちゃん」のシールを貼って、両社の売店などで販売を目指すことを決定した。また、函館ロールの販売をエイ・ファクトリーの売店で行うことも確認した。

 談会で商談を行った、同社販売部の鈴木勝浩次長は「新幹線開業を前に、これからも連携を密にしていき、青函ブランド商品で盛り上げていきたい」と意気込みを話した。(山田大輔)



◎バイキングで食育学ぶ 函館短大付属幼稚園で初開催

 函館短大付属幼稚園(伊勢昭園長、園児104人)で29日、同園の食育の一環として「バイキングパーティー」が開かれた。園児たちは数々の料理を前に笑顔を見せ、生産者や料理人らへの感謝を込め「いただきます」と声をそろえた。

 PTAと協力して初めて開催。バイキングを通して、新鮮な食材のおいしさや自分たちが育てた野菜が食材に変わる楽しさ、いただきますの意味などを考えてもらうことが狙い。PTA会長でそば処さんてい(柏木町)の代表、池田幸久さん(46)をはじめとする8人のシェフが腕をふるい、園児たちが育てて収穫した野菜をふんだんに使ったサラダやグラタン、パン、素材にこだわったオムレツやキノコソテーなどをテーブルいっぱいに並べた。

 田会長は園児たちに「感謝の気持ちがたくさん詰まっている言葉が『いただきます』。その思いを大切に、おいしく食べてください」とあいさつ。園児たちは色とりどりに盛り付けたプレートを前に笑顔で手を合わせた。年長の木村日菜向ちゃん(6)は「パンがおいしくて3回もおかわりした。とても楽しかった」と笑顔で話していた。(虎谷綾子)



◎駒ケ岳・恵山も注意必要 御嶽山噴火受け、1市3町

 長野、岐阜県境にある御嶽山(おんたけさん)の噴火を受け、道南でも活火山・駒ケ岳(1131b)や恵山(618b)を抱える森、七飯、鹿部、函館の1市3町は気を引き締めている。両山ともに火山活動は静穏な状態が続いているが、気象台は火山情報への注意を呼び掛けている。

 「駒ケ岳」は1998年の小噴火以降、入山規制がかけられた。火山活動は小康状態が続き、2010年に入山規制を緩和。現在は赤井川登山道から9合目にあたる「馬の背」までの登山ルートのみ登ることが認められており、ことしは6月1日の解禁から4271人が入山の届け出を出している(21日現在)。

 森町に事務局を置く、1市3町で構成する駒ケ岳火山防災会議協議会は「ここ数年は静穏な状態が続いているので、今のところ入山規制などは考えていない。危険防止の看板やホームページ上で注意を促していきたい」としている。噴火を想定した訓練を行ったばかりの鹿部町は「町避難計画にもとづき、ハザードマップの配布や町内会レベルでの説明、防災訓練を行い、有事の際の準備をしているで、改めて注意喚起をする予定などはない」とする。

 同じく訓練をしたばかりの七飯町は「山頂付近のモニタリングや機材を使い監視を続けている。このほか気象台からの情報も活用し引き続き注視していきたい」としている。

 函館市は噴火時に、南茅部支所管内に21カ所の一時避難場所、11カ所の広域避難場所を設ける。

 札幌管区気象台は駒ケ岳と恵山を「常時観測火山」に指定。地震計や望遠カメラ、全地球測位システム(GPS)などを使い24時間体制で監視している。「駒ケ岳、恵山ともに火山活動に特段の変化はなく静穏で、噴火の兆候は認められない」としながら、「短時間で噴火する可能性がゼロではないので、今後も火山情報に留意してほしい」と呼びかけている。

 29日には駒ケ岳6合目付近でも登山客らの姿が見られた。友人2人と登山した東京の川嶋三夫さん(65)は「数年前に御嶽山に登ったことがある。よく山登りをするので、事前に情報を集め注意していきたい」と語る。友人4人とキノコ採りに駒ケ岳を訪れた函館市の片岡都美枝さん(74)は「6合目付近まで車で来られるので、特に不安はなかった。今後も火山情報に注意しながら山に来たい」と話していた。

 また、恵山、椴法華地区にまたがる活火山「恵山」は19世紀に2回、水蒸気爆発を起こし、特に1846年は椴法華地区方面に泥流が発生し、集落で死傷者が出た記録が残っている。

 市は噴火時に、恵山、椴法華地区に一時避難場所8カ所、広域避難場所2カ所を開設することを決めている。登山客対応について、市総務部防災担当は「登山をする際は活火山であることを頭に入れて、ラジオなど情報の入手手段を一人一人が準備をしてもらいたい」とし、「今回の御嶽山の状況をみながら、市の防災計画に必要な対応があれば検討したい」としている。(野口賢清、今井正一)


◎津軽海峡圏の縄文文化知って 世界遺産登録向け、あすからパネル展とフォーラム

 「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けたパネル展とフォーラムが、10月上旬に函館市内で相次いで開かれる。

 道など4道県でつくる縄文遺跡群世界遺産登録推進本部主催の「北の縄文パネル展」は1〜4日にポールスターショッピングセンター(港町1)で開催。4日午後1時からは、函館市教委文化財課主査の福田裕二さんが「函館市と道南の縄文遺跡」について解説する。

 5日午後1時からは、ロワジールホテル函館(若松町)で世界遺産登録推進フォーラム「津軽海峡をめぐる縄文文化」を開催。元文化庁主任文化財調査官の岡村道雄さんが「津軽海峡圏の縄文はここがスゴイ!」と題して基調講演を行い、同遺跡群の特徴や魅力を伝える。また、遺跡のある函館市と森町、青森県の担当職員が、それぞれの遺跡からみた津軽海峡圏の縄文文化について語る。会場ではこのほか、垣ノ島遺跡から出土し、先日市の指定文化財に登録された「足形付土版」など、貴重な出土品を展示する。

 道縄文世界遺産推進室は「津軽海峡を挟んでいるのが縄文文化の特徴。この機会に詳しく知ってほしい」と来場を呼び掛けている。改行 入場無料で、希望者は当日、直接会場へ。問い合わせは同推進室(TEL011・204・5168)へ。(千葉卓陽)