2014年9月5日 (金) 掲載

◎同志社女子が函館で新島夫妻の足跡巡るツアー

 新島襄と八重夫妻の足跡を巡る同志社女子大(京都)の在学生対象ツアー(同大学生課主催)が3、4の両日、初めて函館で行われた。学生24人と教職員5人の計29人が訪れ、海外渡航の地碑(大町)などゆかりの地を訪ね、建学の父・新島の志を心に刻んだ。

 ツアーは今年で3年目。同志社創立の歴史や現代に通じる建学の精神について理解を深め、帰属意識を養うのが狙い。これまでは福島県会津若松市と群馬県安中市を訪れていたが、今年は新島が函館から密航渡米(1864年)して150周年の節目に当たることから、函館を訪問先に加えた。

 一行は3日に空路で来函。4日には渡航の地碑を訪れ、讃美歌斉唱や聖書朗読を行い、新島の偉業をしのんだ。吉海直人教授が碑に刻まれている漢詩「千里の志」を紹介し「同志社の出発点をあたらめて確認してほしい」と呼び掛けた。

 現代社会学部4年の山下愛実さん(21)は「新島襄の思いや志に触れることができて感動した」と話した。碑に先立ち、新島の遺髪が納められている函館千歳教会(井石彰牧師)も訪問した。同課は「来年以降も函館を加えた3カ所を回りたい」としている。(山崎大和)



◎市立函館高校が短歌甲子園で3位 個人でも入賞

 市立函館高校文芸部(春菜孝明部長、部員6人)が、石川啄木の出身地盛岡市で開かれた第9回全国高校生短歌大会「短歌甲子園2014」(8月28〜30日、実行委主催)で、過去最高の団体3位を受賞した。また、話題作品賞に春菜君(18)=3年=の作品が選ばれた。

 市函からは春菜君をはじめ、1年の冨坂大樹君(15)、土肥彩音さん(15)、補欠として林佑君(16)が出場した。全国の36チームが参加した団体戦は、各校3人が1首ずつ詠み上げ、5人の審査員が判定して勝敗を競うトーナメント戦で、先に2本取ったチームが勝ち上がる。

 市函は決勝トーナメント2回戦で昨年の優勝校、旭川商業高と対戦。両校が1本ずつ取り、大将を務めた土肥さんが「積」を題に「渦巻いた本音を一つ口に出す崩れる音が積み木のようで」と詠み、勝利を収めて準決勝に進んだ。土肥さんは「大将を任せてもらったこともあり、とにかく頑張ろうと思った。勝てたときは本当にうれしかった」と振り返る。優勝校と当たった準決勝で惜しくも敗れたが、初出場のメンバーで快挙を達成し「日ごろの練習の成果が出せた」と声をそろえる。

 全作品の中から選出される話題作品賞を取った春菜君は「遠」を題に、夜も寝巻き姿で仕事に励む尊敬する父の姿も、いずれ親元を遠く離れ、忘れてしまうのだろうという思いを「これからは父の背中が遠くへと寝巻き姿も忘れてゆくか」と詠んだ。「最善を尽くしたつもりだったが、選ばれるとは思わず驚いた。評価されたことが素直にうれしい」と笑顔を見せる。

 顧問の佐藤和範教諭(48)は「大金星だと思う。よく頑張ってくれた」と健闘をたたえる。



◎新駅商業地 2社が購入へ 北斗市長が会見

 【北斗】北斗市の高谷寿峰市長は4日に開いた定例記者会見で、北海道新幹線新函館北斗駅南側に造成した商業地(保留地)4区画分のうち、2区画分に対して2社から購入の申し出があったことを明らかにした。

 2区画は、先月から販売した3街区6番(1892・93平方b、6220万5000円)と、昨年から販売していた4街区7番(608・70平方b、1996万3000円)。

 事業者側の希望で業種や名称は公表しなかったが、市は1社と売買契約を締結、もう1社ともこれから契約を交わす予定という。

 また、7月下旬からプロポーザル(企画提案型)方式で開発事業者を公募している駅前の一等地(第1街区)については、応募締め切りまで1カ月を切り今のところ申請者はゼロ。高谷市長は「進出してもらうよう引き続き努力していく」と述べた。

 新幹線開業後に江差線五稜郭駅—木古内駅間(37・8`)を運行する三セク会社(北海道道南地域並行在来線準備会社)の経営については、取締役の立場として「これまでは安全対策に議論が集中した。これからはアイデアを出し合い、収入増を考えないといけない」と述べた。(鈴木 潤)


◎映画「そこのみにて光輝く」 米アカデミー賞に出品へ

 函館を舞台にした映画「そこのみにて光輝く」(呉美保監督)が第87回米国アカデミー賞外国語映画賞部門の日本代表に決まった。日本映画制作者連盟が4日、発表した。

 同作は、函館出身の作家、佐藤泰志(1949〜90年)の小説が原作。夏の函館を舞台に、悲しみを背負った男と愛を諦めた女の姿を描き、綾野剛さんと池脇千鶴さん主演で映画化。函館、北斗でロケが行われた。第38回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞している。

 アカデミー賞への出品決定を受け、呉監督は「わたしたちの映画がまた世界の人たちに観てもらえるチャンス。ありがたいです」、綾野さんは「大変光栄です。この作品を、日本映画を届けられるチャンスを頂いて感謝しています」とコメントを発表した。

 今後は、世界各国の出品作からノミネート作が選ばれ、来年2月に受賞作が発表される。(平尾美陽子)