2014年9月6日 (土) 掲載

◎函館バル街にぎわう

 函館市内の西部地区をスペインの伝統的な食文化「バル」に見立て、酒やつまみ(ピンチョ)を楽しむ「第22回函館西部地区バル街」(実行委主催)が5日、同地区で開かれた。青森県の果実酒「青森シードル」が無料で振る舞われ、はしご酒を楽しむ市民で通りはにぎわいをみせた。

 2004年から春と秋の年2回開催し、今回は西部地区の飲食店を中心に74店が参加。北海道新幹線開業を見据え、初めて青函で日程を合わせてバル街を企画

   翌6日の「第4回あおもりバル街」に合わせ、青森市のA—FACTORYが初めてシードルを出品。アクロス十字街には自家製生ハムやフランスパンなどを求める市民の長蛇の列ができた。改行 市内在住の主婦、佐藤文さん(50)は「初めてシードルを飲んだが、飲みやすくておいしい」と話した。

 また、ゲスト出店として、愛知県刈谷市「ほろ酔いカリアンナイト」が初参加。名古屋コーチンや名産の切干大根を使ったピンチョなどを振る舞った。

 あおもりバル街の西秀記実行委員長は「青函を互いに行ったり来たりできるバル街ができたらと思う」と話していた。(平尾美陽子)



◎菅原代表「みんなで勝ち得た賞」…モントリオール映画祭「そこのみにて光輝く」監督賞

 函館を舞台にし、「第38回モントリオール世界映画祭」ワールド・コンペティション部門で最優秀監督賞を受賞した「そこのみにて光輝く」(呉美保監督)。カナダで開催された同映画祭から戻り、企画・製作を手掛けたシネマアイリスの菅原和博代表(58)は「信じられない気持ち。貧困や家族の絆というテーマが世界に通じる普遍性があると感じた」と喜びを語った。

 映画祭は8月21日〜9月1日に約1000人収容できる会場で開かれ、同作の上映は3回行われた。上映後スタンディングオベーションが起き、「美しく洗練された物語」と評価を受けたという。受賞式ではスタッフ29人で喜び合い、菅原さんは「じわじわと感激が押し寄せてきた」と振り返る。

 同作は函館出身の作家、佐藤泰志(1949〜90年)の小説が原作で、佐藤さん作品の映画化は2010年の海炭市叙景に続き2作目。菅原さんは1作目で製作実行委員長を務め、今作では企画・製作を担当。「海炭市叙景とはまた違う函館の面を描ければ」と、呉さんに監督を依頼し、資金調達などに奔走してきた。

 昨年6月下旬から函館市と北斗市で撮影され、エキストラやボランティアとして大勢の市民が参加。「1作目の製作実行委員や仲間の結束力があり、今回の映画化につながった。みんなで勝ち得た賞だと思う」と喜びもひとしお。

 菅原さんは「佐藤さんの文学を世界の人にも知ってほしい。函館を映画を発信する街として活動を続けていきたい」とし、佐藤文学3部作最終章の製作に向けて意欲を語る。

 映画は全国で7万5000人を動員し、シネマアイリス(本町)でアンコール上映中。米国アカデミー賞外国語映画賞部門の出品が決まったほか、菅原さんによると英レインダンス映画祭やエジプト・カイロ国際映画祭などに招待され、20カ国で上映されるという。(平尾美陽子)



◎「全力で町制に取り組む」…江差・照井町長が所信表明

 【江差】定例町議会が5日開会し、8月に全国最年少の首長として就任した照井誉之介町長(30)が所信表明した。照井町長は「町民との対話を重視し、人生を懸けて全力で町政に取り組んでいく」とし、子育て支援や産業振興策などに力を入れていくことを強調した。

 また「江差の魅力を発信するセールスマンになるつもり。職員一丸となって粉骨砕身尽力する決意で、町政運営の舵取りを行っていく。町民、議員、職員、心を一つにし『明日の江差のために』新たな道のりを歩んでいきたい」と述べた。

 傍聴席は一般36席が満席となったほか、ロビーなどでテレビ中継され、大勢がその様子を見守った。傍聴した男性(81)は「町長の言葉に、江差の将来を担う力強さを感じた」と話していた。

 照井町長は所信表明後の取材に「(選挙戦の)しこりがない議会運営をしていきたい」と答えた。定例会の会期は10日まで。(田中陽介)


◎道新幹線開業PRへ 58団体と協定…渡島振興局 建設業協会とも締結

 2016年3月予定の北海道新幹線開業に向けたPR事業を地域一体で進めていこうと、渡島総合振興局は6月から、独自で企業や団体と協定を結び、協力の輪を広げている。現在、58団体・企業と協定を結び、同局は「道内外に取り組みの輪を広げ、新幹線開業の効果をより一層高めたい」としている。

 協定では、同局は締結した企業・団体に対し、業務の負担にならない程度の協力を依頼する。企業・団体も自発的なPRを心掛け、必要があれば同局もこれに協力する。

 例えば、PR用ポスターの事務所への掲示、名刺への開業PRロゴの記入、主催イベントでの新幹線関連のPRコーナー設置などを想定している。

 5日は函館建設業協会と協定を結び、締結式が行われた。同局の宮内孝局長は「PRに向けて力強いパートナーに恵まれた」と述べ、同協会の森川基嗣会長も「工事現場でも開業までのカウントダウンの提示や名刺でのPRなどを考えたい。一般の市民にも伝わる用PR事業への協力に鋭意取り組む」と意気込みを見せた。(鈴木 潤)