2014年9月7日 (日) 掲載

◎五稜郭の魅力高める、「文化価値を考える会」発足

 特別史跡「五稜郭跡」の世界文化遺産登録を目指して活動を行う「五稜郭の文化価値を考える会」(佐々木馨会長)が6日、発足した。設立総会で佐々木会長は「五稜郭が持つ可能性を十分に検証して、次なるステップに進んでいきたい」とあいさつ。また、函館市中央図書館で同会の設立記念フォーラムを開き、約100人の参加者と、五稜郭の魅力と未来について語り合った。

 五稜郭を世界遺産に登録しようという動きは、08年に五稜郭設計の手本と言われるフランスのヴォーバン建築群が世界遺産に登録されたことに始まる。実現に向け、先頭に立って活動していたのは、野外劇の生みの親でもあるフランス人の故フィリップ・グロード神父。

 佐々木会長はグロード神父の悲願を果たそうと、自身が会長を務める「函館の歴史的風土を守る会」の会員や函館日仏教会の若山直会長らと同会の設立準備を進めてきた。

 フォーラムでは、箱館奉行所の田原良信館長が「なぜ、五稜郭がつくられたのか」をテーマに基調講演をした。

 続けてパネルディスカッションが行われ、田原館長のほか、箱館五稜郭祭実行委員会の中野豊委員長、市民創作「函館野外劇」の会の中村由紀夫理事長がパネリストとして登壇した。

 田原館長は五稜郭について「文化の伝承地であり、人々を感動させるものがつまっている」と意義を説明。中野委員長は「市民が五稜郭など自分の街の歴史や文化についてもっと理解すべき」、中村理事長も「せっかくの魅力をどんどん発信していかなくてはならない」と主張した。

 今後に向けて、佐々木会長は「今日が世界遺産登録へ向けた第一歩。研究成果を検証して普遍的な価値を考えるとともに、外部の講師から意見を聞き、新たな視点を探っていきたい」と抱負を述べた。(山田大輔)



◎湯倉神社に神兎を設置

 ことしで創建360年を迎えた函館市湯川町2の湯倉神社(伊部宗博宮司)は、本殿の前に神兎(なでうさぎ)を設置した。大祭初日の6日、竣工奉告清祓式と除幕式を行い、なでうさぎにちなんで参加した卯年の参拝者らに披露された。

 同神社で祭っている大国主命(おおくにぬしのみこと)が登場する神話「因幡の白うさぎ」にちなみ、奉納された。愛知県産の石を使い、同県岡崎市の職人によって作られた。

 竣工奉告清祓式は、伊部宮司が祝詞を奏上して、参列者11人が玉串をささげた。伊部宮司は「参拝者がなでることで、御神徳をいただけるように祈願しました」と述べた。

 子どもとともに卯年の主婦工藤和子(38)さんは「記念式に出られて良かった。ご利益があるとうれしい」と話し、娘の朱莉ちゃん(2)は「かわいい、またなでたい」とお気に入りの様子だった。

 記念大祭は、7日は屋外で抹茶や菓子を楽しむ野だてを参加無料で午後1時〜同3時まで行う。10年ぶりとなる神宝「鰐口(わにぐち)」の一般公開や遺愛学院の生徒による書道パフォーマンスなども。8日は神輿渡御(みこしとぎょ)、9日午後8時45分からは福餅宝まきが行われる。(能代俊貴)



◎道内外の食満喫、グルメサーカス始まる

 函館とゆかりのある国内外の都市からさまざまな味覚が集結する「はこだてグルメサーカス2014」が6日、大門グリーンプラザと函館朝市で始まった。開始前から大勢の市民らが訪れ、110のブースを回りながら、お目当ての味を探して楽しんでいた。

 大門会場には「函館と東北6県」、航空路線で結ばれる「東京・大阪・名古屋」、「開港5都市と姉妹都市」の各広場を設け、函館朝市会場には渡島、桧山の味覚が集結。開会式で実行委員長の工藤寿樹市長は「大門と朝市を行ったり来たりしながら楽しんでもらいたい」とあいさつ。函館消防音楽隊の演奏でイベントがスタートした。

 函館の各店は会場限定メニューを販売したほか、東北からは青森県内を中心に41ブースが設けられ、今年も気仙沼ホルモンや米沢牛のくし焼きなどに行列ができた。また、東京「洋食黒船亭」のハヤシライス、大阪「てっぱん焼き江上」のお好み焼きなど、本場の味を提供する店も人気を集めていた。

 北海道新幹線開業を見据えた胆振、日高管内の官民連携組織「日胆(nittan)地域戦略会議」(事務局・苫小牧市)は伊達市の「牧家(ぼっか)」とともに初出店し、乳製品やソーセージを販売。東胆振や日高地域の魅力を伝えるパンフレットを配布した。

 苫小牧市政策推進課の成田晃課長補佐は「日胆地域外でのプロモーション活動も初めて。10月後半には函館からのモデルツアーを実施する。多くの人が来る会場で、日胆の魅力を伝えたい」と話していた。

 会場を訪れた市内鍛治の女性(71)は「八戸のせんべい汁をおいしくいただきました。各地の名産が集まっていいイベントですね」と話していた。

 最終日の7日は午前10時〜午後4時。(今井正一)


◎旬の野菜求め盛況、あかまつ公園市場

 【七飯】農畜産物の販売や収穫体験を楽しめるイベント「ななえあかまつ公園市場」(実行委主催)が6日、大中山5のあかまつ公園(町総合公園)駐車場で開かれた。大勢の客が訪れ、旬の野菜などを買い求めた。

 本年度2回目の開催となった今回は、12件の農家らが参加。トラックの荷台などで、採れたてで新鮮な野菜や果物などを販売した。試食コーナーでは、みずみずしいブロッコリーとしゃきしゃきの歯ごたえが特徴的なそうめんかぼちゃが無料で振る舞われた。このほか、リンゴの収穫体験も。函館市桔梗町の原田光子さん(66)と孫の菜央(まお)ちゃん(1)は「(試食は)とてもおいしかった。リンゴやトウモロコシといった新鮮な野菜の購入を楽しみにきた」と笑顔を見せた。

 次回の開催は、10月4日。問い合わせは町商工観光課物産振興係(TEL0138・65・2517)へ。(斎藤彩伽)