2014年9月8日 (月) 掲載

◎警備艇「おしま」11月引退

 函館西署に配備されてから20年がたつ警備艇「おしま」(19d)が11月に退役する。津軽海峡や噴火湾などを中心に密漁の取り締まりや洋上パトロールにあたり、長年にわたって活躍。島崎寿人船長(53)は「船は自分たちにとって大切な仲間のようなもの。退役に寂しさはある」と話す。11月に就役する10代目もおしまと名乗る予定だ。

 同署の警備艇は120年以上の歴史がある。初めて配備されたのは1890(明治23)年。西署の前身である函館市水上警察署に木造の小蒸気船第1巴丸(13d)が配属された。その後、船の名前を変えながら続き、おしまは7代目の67年12月から。87年3月に8代目、94年に9代目とも名を継承している。

 おしまは、全長17b、最大速力約30ノット(時速約55`)。乗組員は島崎船長、角木圭一郎機関長(47)、堀貴史甲板員(40)の3人。通常のパトロールの際は、地域警察官を乗せて密漁の取り締まりやプレジャーボートの指導などに当たっている。密漁では昨年5件8人、今年は1件1人を検挙。パトロールのほか、2000年の沖縄サミット、08年の洞爺湖サミットでの洋上警備、台風による災害派遣などで全国を駆け巡った。

 おしまの就役とともに着任した角木機関長は「1カ月間、沖縄を警備したのは良い思い出。船内の傷一つ一つに思い入れがある」と目を細める。堀甲板員も「台風災害での行方不明者の捜索など、行ったことがない場所での任務は緊張した」と当時を振り返る。島崎船長は「就役時は最新鋭の船だった。当時、別の船に乗っていたので、おしまに乗ることは憧れだった」と話す。

 11月に10代目が就役。島崎船長は「船の歴史が古い分、いろいろと思うことがあって寂しさはある。9代目おしまでの経験を生かしながら新しい船で、洋上パトロールなどの任務に取り組んでいきたい」と語った。(小林省悟)



◎渡島で12年ぶり道障害者スポーツ大会

 第52回北海道障害者スポーツ大会(道障害者スポーツ振興協会など主催)が7日、函館市千代台公園陸上競技場など、道南の2市4町の会場で開かれた。身体障害者2競技、知的障害者5競技の計7競技に約500人が出場し、日ごろの練習の成果を発揮した。

 1963年から始まり、各振興局の持ち回りで、管内の市町村が共同で開催。渡島地域は2002年以来12年ぶり5回目。函館市で陸上競技、北斗市で車いすバスケットボール、七飯町でサッカー、森町でフットベースボール、鹿部町でソフトボールを行った。道南の出場者数は、陸上競技66人、バスケットボール39人、車いすバスケットボール8人、サッカー27人、ソフトボール15人、フットベースボール29人の計184人。

 各会場では、地元の関係者が運営を支え、屋外競技では爽やかな青空の下、熱戦を展開した。選手関係者のほか、障害者スポーツに理解を深めようと、地域住民も応援に駆け付け、交流を深めていた。改行 車いすバスケットボールに出場し、準優勝したハダーズ函館元町ライオンズWBCの山田行広代表は「地元の人がたくさん応援に来てくださったことで、決勝まで進むことができた。競技について知ってもらえたと思う」と話していた。(山崎純一)



◎縄文人の知恵学ぶ…エゾシカの角で釣り針作り

 函館市縄文文化交流センター主催の子ども向け体験プログラム「縄文海釣り体験」が7日、臼尻町の同センターで開かれた。親子連れら18人がエゾシカの角を使って釣り針を作り、縄文人の知恵を学んだ。

 市内の遺跡や貝塚から釣り針などが数多く出土し、縄文時代の漁法が現代とほとんど変わっていないことから、子どもたちに縄文期の方法で釣りを楽しんでもらおうと、3年前から開いている。

 この日は同センターがエゾシカの角を切ったプレートを用意し、釣り針作りを体験。初めに鉛筆で針の形を下書きした後、やすりを使って削り落していった。シカ角の硬さに悪戦苦闘しながら、親子で力を合わせて針を作っていた。

 10月7日には作った釣り針を使い、臼尻漁港で海釣りを行う予定。函館千代田小3年の中村秋斗君は「硬くて削るのが大変だった。釣りはよくしているので、いろんな魚を釣ってみたい」と心待ちにしていた。(千葉卓陽)


◎五輪「金」の阿部さん講師にノルディックウオーキング

 【江差】1994年のリレハンメル冬季五輪・ノルディック複合団体金メダリストの阿部雅司さん(49)が講師を務める「ノルディックウオーキング」が7日、町内で行われた。約100人が参加し、心地よい汗を流した。  公益財団法人北海道健康づくり財団と江差町健康推進員協議会、江差町の主催。かもめ島や地域の通りをコースにした。

 阿部さんは2年ぶり、3回目の来町。「ポールを使うことで全身の90%以上を使い、かなりの有酸素運動になる。消費カロリーは30%アップし、膝などへの負担も軽減する」と魅力を紹介し実践でこつを伝授した。

 乙部町の木下繭子さん(36)は「ノルディックウオーキングの歩き方を教わることができて良かった」と満足の様子。ウオーキング後には、阿部さんは金メダルなどを持参し、参加者に触れてもらう時間を用意。気さくな人柄と丁寧な指導法で参加者の笑顔を誘った。(田中陽介)