2015年10月1日 (木) 掲載

◎地域ブランド調査、函館が魅力度V2

 民間シンクタンクのブランド総合研究所(東京)は9月30日、「第10回地域ブランド調査2015」の結果を発表した。函館市の魅力度は50・4ポイントで、2年連続で全国1000市区町村のトップとなった。観光意欲度も昨年より順位をひとつ上げて1位となったほか、食にかかわる各項目でも高い評価を得た。北海道新幹線開業を控え、函館へのあこがれに応える受け入れ態勢の構築が求められている。

 函館の魅力度1位は、2009年、14年に続き、通算3回目。「とても魅力的」「やや魅力的」と答えた割合は73・6%となったが、割合は昨年よりも低下した。2位以下は、札幌、京都、横浜、小樽と続いた。都道府県別では7年連続北海道が1位で、以下、京都府、東京都、沖縄県、神奈川県となった。

 主要項目で函館は、認知度は昨年と同じ9位、情報接触度は10位(昨年6位)、居住意欲度は9位(12位)となった。食に関する項目の評価は高く、「食品想起率」3位(3位)、「地元食材が豊富」1位(1位)、「食事がおいしい」2位(1位)など。さらに「泊まりたい宿泊施設がある」が13位から8位に上昇した。朝食の評判ランキングで上位常連のホテルがあることが影響しているとみられる。まちのイメージでは「歴史・文化のまち」が9位となるなど、函館が観光の強みとしている要素はいずれも高い評価を得た。

 結果を受け、工藤寿樹市長は「不動の1位を目指す中でうれしい。(大都市が並ぶ中で)この小さな街にとっては快挙だ。新幹線開業で訪れる人たちに、より魅力のあるまちと感じてもらえるよう努力していきたい」と喜んだ。函館国際観光コンベンション協会の渡邉兼一会長も「新幹線開業に向けた弾みになる。この結果に甘んじることなく、より一層のおもてなしができるよう、気を引き締めていきたい」と話した。

 一方、北陸新幹線開業地域では、金沢市は情報接触度が前年43位から5位に急上昇。ただ、観光意欲度や魅力度は以前から上位常連のため、大幅な変化はなかったが、富山県内の各市では意欲度、魅力度の上昇があった。

 同研究所は北海道新幹線開業を控える函館について「新幹線開業で訪れる人たちのあこがれに見合うだけのサービスやおもてなしを提供していくことが、イメージを維持する上で重要になるだろう」とする。さらに、魅力度上位の都市の順位の変動は小幅だが、獲得ポイントは低下傾向にある。同研究所は「徐々に地域間の差は縮まってきている。10年前と比較し、地域への関心が低くなってきているのではないか」としている。(今井正一)

 ◆地域ブランド調査 2006年に始まり、全790市と東京23区、地域ブランド力向上に取り組む187町村を加えた計1000市区町村と都道府県が対象。インターネットで2万9046人が回答し、年齢構成、地域の人口分布に準じて集計した。1人当たり20地域について回答し、地域別の回答者数は平均で548人。調査項目は認知度、魅力度、情報接触度など全77項目。道南で函館以外の対象都市は、北斗市、乙部町、奥尻町の3市町。北斗市は、認知度790位で認知割合は2割程度にとどまったが、情報接触度は昨年より約100位ほど順位が向上し、578位だった。



◎新幹線開業記念ワインきょうから発売

 酒類・食品卸売業のシュレン国分(札幌市)は1日、来年3月26日の北海道新幹線開業を記念し、赤ワイン「ワインセイベルJ」を新発売する。厚沢部町産のブドウを使い、製造は、はこだてわいん(七飯町上藤代、尾山政美社長)に依頼。新たな土産品として売り込みを図る。

 原料は、2014年秋に収穫したセイベル種のブドウを使用。ミディアムボディで、スパイシーな香りとほどよい酸味が特徴だという。黒色のラベルには金色の文字で「H5」と表示。北海道新幹線車両「H5系」や北海道、函館の頭文字「H」と五稜郭の「5」の意味が込められている。 

 720ミリリットル入りで1620円。はこだてわいん葡萄館本店のほか、函館山ロープウェイ(元町)の山頂売店、JR函館駅のキヨスクなどで取り扱う。はこだてわいんの担当者は「新商品で、新幹線開業の機運盛り上げにつなげたい」としている。(山田大輔)



◎函館オペラの会 来月公演

 函館オペラの会(大阪吉明会長、会員約80人)は11月8日午後2時から、市民会館(湯川町1)大ホールでプッチーニ作曲の歌劇「ジャンニ・スキッキ」を同会として初上演する。オーケストラによる演奏と歌劇の2部構成。9月24日に同館で、役者とオーケストラが初合わせをし、本番に向けた舞台稽古を開始した。

 同会は、1990年設立の「函館市民オペラの会」を昨年11月に改称。若年化を果たし、2012年の第20回公演「ファルスタッフ」以来3年ぶり、改称後は初となるオペラの公演にこぎつけた。

 「ジャンニ・スキッキ」は、1299年のイタリア・フィレンツェを舞台に繰り広げる全1幕の喜劇。大富豪・ブオーゾが亡くなり、その遺産を巡る騒動を描く。歌劇の役者は18人で、3月から週2回稽古をしてきた。楽曲は舞台のために編成されたオリジナルで、オーケストラは5月末から週1回のペースで練習に励んできた。

 ブオーゾの主治医役を演じる函館市のアルバイト山腋順子さん(42)は、今回初舞台を踏む新人4人のうちの1人。知人の勧めで参加を決めた。市内の混声合唱団に所属しているが、オペラは初挑戦という。「緊張していたが、練習を重ねるうちに楽しくなってきた。観客を笑わせたい。そんな演技ができたら」と意気込む。

 市内の声楽家で、出演もする島聖子事務局次長は「グランドオペラを演じていたころからは小規模になったが、歌唱やオーケストラ、舞台それぞれに磨きをかけてきた。オペラの魅力を十分に伝えるものにしたい。多くの方に楽しんでいただけたら」と来場を呼び掛ける。

 チケットは一般2500円、高校生以下は1500円。全席自由。同館や芸術ホール、松柏堂プレイガイドなどで扱う。(半澤孝平)


◎秋の味覚味わって、そばや友の会きょうから限定メニュー

 函館市内のそば店でつくる「函館そばや友の会」(池田常男会長)の7店は1日から、道南の旬の食材を使った「秋の味覚セット」を期間限定の共通メニューとして提供する。秋ナス、マイタケの天ぷらとそばのセット。1カ月程度販売する。

 秋の味覚セットは2007年から毎年秋、内容を変えながら出している。

 秋ナスは北斗産、マイタケは厚沢部産を仕入れている。温かいそば、冷たいそばどちらか好みを選べる。各店800~900円で提供する。同会の池田会長は「秋の定番メニュー。各店の味を楽しんで」とPRする。(鈴木 潤)

 7店は次の通り。

 東京庵本通店(本通1)、神山ふでむら(神山2)、いがら志(柏木町24)、東京庵本店(末広町4)、丸京(豊川町14)、かしわ屋(若松町26)、丸常長寿庵(亀田港町63)