2015年10月10日 (土) 掲載

◎三橋美智也記念碑が完成

 【北斗】市(旧上磯町峩朗)出身で昭和を代表する歌手、三橋美智也さん(1930〜96年)を応援する団体「全国みちや会道南支部」(山下勇吉支部長)は9日、新函館北斗駅前に建立を進めていた生誕の地記念碑の完成お披露目会を現地で開いた。新幹線開業に合わせ、北斗が生んだ三橋さんの功績や才能を理解する新たなスポットとなりそうだ。

 三橋さんは54年のデビュー以降「古城」「哀愁列車」など多くのヒット曲を生み出し、ミリオンセラー(100万枚突破曲)は32曲、レコード売上枚数は1億600万枚とされる。

 記念碑(210センチ×110センチ)は黒御影石と白御影石を使い、三橋さんの40歳ごろの顔写真を影掘りしたほか、高橋はるみ知事が「三橋美智也 生誕の地」と揮毫(きごう)。全国300人余りのファンらから集まった基金670万円を建立費に充てた。

 お披露目会には高谷寿峰市長ら約40人が参加、記念碑をじっくり眺めながら三橋さんの功績と歴史に思いをはせた。山下さん(74)は「会員の協力があって、計画を成し遂げることができた。三橋がここに生まれたことを知ってほしい」と話した。全国三橋美智也みちや会の工藤隆代表(69)=青森市=は「感無量。新幹線効果で多くの人が来てくれればうれしい」と喜びの表情を見せた。

 記念碑は来年3月26日の開業直前に仮除幕、6月3日に除幕式を行う。同4日には第18回全国三橋美智也歌唱(カラオケ)大会が市総合文化センターで開催予定。(山崎大和)



◎保守用車両 安全走行支える JR北が導入

 JR北海道は9日、来年3月26日の北海道新幹線開業を前に、保守用車両を配備したと発表した。今後導入する車両も含め、総額46億円をかけて7種類24台を用意、安全輸送の確保に向けて万全を尽くす。

 同社は今月に入り、七飯町の函館総合車両基地などに保守用車両22台を配備。来年1月以降、レールのゆがみを修正する「マルチプルタイタンパー」(約4億円)など2台を導入する計画だ。

 在来線との共用区間(約82キロ)は、レールが3本敷かれた三線軌道となることから、保守用車両もこれに対応。来年導入予定の「レール削正車」(約19億円)は、3本のレールを同時に削って、適正な形状に戻すことができるという。

 新幹線用の除雪車(約6000万円)は、9台投入。フランジャーと呼ばれる除雪用の鉄板は、全国では初めてとなる三線軌道の形状に合わせたタイプを採用している。

 このほか、新青森—新中小国信号場と木古内—新函館北斗間を走行し、支障物の検知を行う「確認車」(約1億2000万円)6台、架線の摩耗状態などを至近距離で検査するために使用する「高所作業車」(約1億円)4台などを導入した。

 同社は「安定輸送の確保やお客様の乗り心地の維持などを行うための最低限の投資。万全の状態で運行できるようにしたい」としている。(山田大輔)



◎加藤君、U—22プログラミングコンテストで入賞

 函館北美原小学校6年の加藤周君(11)が開発したアプリ「coloringSNS」が、今月4日に東京で開かれた「U—22プログラミングコンテスト」(実行委主催)で経済産業省商務情報政策局長賞に輝いた。仕事で多忙な父親と子どもを塗り絵でつなげようと制作。努力の成果を大舞台で実らせた。

 アプリは子ども向けで、雪だるまや動物、花など6種の絵柄を選んだ後、子どもの感情に合わせて絵柄の表情を7種から決定。塗り終わった絵とメッセージをSNSで共有することで、父親が子どもの感情や様子を知ることができる。3カ月ほど掛けて制作し、既にiPhone用アプリとしてリリースもされている。

 コンテストは、IT人材の発掘・育成を目的に1980年から開催。加藤君のアプリは厳しい審査をくぐり抜けた16点に名を連ねた。ライバルは高専やコンピュータの専門学校に通う学生たち。9月上旬に出場が決まってから、毎日プレゼンの練習を重ねた。

 迎えた審査会当日の朝。会場近くの秋葉原駅前で、通行人を前にプレゼンを披露。そのかいあって「緊張はなかった」と本番でも堂々と発表し、「アイデアが良い」と審査員をうならせた。同賞は、経済産業大臣賞に次ぐ2番目の賞。同行した父・健一さん(46)は「よくやったと思う。毎日パソコンに向かった努力のたまもの」とたたえる。

 加藤君は、両親の薦めで小学2年生からパソコンに触れ、プログラミング言語は独学で勉強。スマートフォン用アプリの開発は4年生から始めた。中高生向けのアプリ開発キャンプ「ライフイズテック」など全国の催しに積極的に参加して刺激を受けながら、日々アプリ開発に励んでいる。

 「将来は会社を立ち上げ、困っている人たちを助けたい」と笑みを浮かべる加藤君。受賞を機に、大きな夢を膨らませている。(稲船優香)


◎青函DCへ課題共有 道南連絡会議

 北海道新幹線開業後の来年夏に展開する大型観光企画「青森県・函館デスティネーションキャンペーン(DC)」に向け、7月に国内外の旅行関係者を招いて行われた全国宣伝販売促進会議のアンケート結果が9日、公表された。見学コースの商品化について高い評価を得た半面、観光素材を観光客にどう体感させるかなどの課題が浮き彫りとなった。

 DC推進事務局の青森県観光連盟や渡島・桧山管内の自治体の関係者ら約30人が出席し、渡島合同庁舎で開かれた第5回道南地域連絡会議で報告された。

 青函圏の観光素材をPRした同促進会議には、旅行エージェントなど約1000人が参加。このうち約250人が、9つのコースに分かれ、観光スポットを巡るエクスカーション(視察旅行)を行った。

 アンケートでは参加者の9割以上が「良かった」と回答。北斗市のトラピスト修道院などについて「普段見られないものを見学できるコースは商品化の可能性が高い」とした。

 一方で、観光客の受け入れに当たっては「観光資源の発掘・磨きあげ」が必要だという意見も。同連盟の森庸宏主幹は「観光素材の情報はだいぶ整理されてきたが、その素材を観光客にどのように体感してもらうのか、もっと対応策を考える必要がある」と指摘した。

 このほか、屋外で実施する体験メニューについて、雨天時の代替案の作成や、専用ホームページを使って青函圏のイベント情報を発信することなどを確認した。