2015年10月12日 (月) 掲載

◎半世紀以上前の製図 「交通局章」図面発見

 函館市駒場町の企業局交通部内で、1959年製図の「交通局章」の図面が見つかった。函館市章の「巴」を中心にレール断面を表す6つの「工」の字状の記号で囲んだ形で、車両用の記章として巴の半径や空間の幅など寸法が記されている。独自の丸みを帯びた算用数字の図面も見つかり、同部は「貴重な発見」としている。

 局章は路面電車事業が市営化された1943(昭和18)年から現在まで部章として引き継いでいる。同部は2013年の路面電車開業100周年時に、公立はこだて未来大学木村健一教授の研究室の協力で、部内で用いられているマークや文字などのデザインを再整理しデジタル化した。それまでは車体用のプレートや印刷物などさまざまな場面で用いられていたが、必ずしも統一された形状ではなかった。

 図面では、局章の半径は195ミリで、「工」の幅、間隔、プレート化する際の厚さなどが指定され、「昭和34年10月」に製図したことが記されている。同部施設課の廣瀬弘司課長は「100周年の時にも探してはいたが、今回別の図面を探した際に偶然見つかった。寸法入りの図面はなかったので貴重な発見」と話す。

 局章のほか、系統板や車体番号などに用いられ、丸みに特徴がある交通部独自の「0」〜「9」の算用数字の図面、算用数字とローマ数字の「I・II」を組み合わせ、台車の車輪位置を示すプレート用の図面も見つかった。

 同部はこれらの図面を元にして、10月に市交通部標準色に戻した「719号車」(図面と同時期の59年に導入が始まった710形車両の1両)の数字の塗装などを施している。 (今井正一)



◎地元食材の魅力PR 高校生グルメコン 上磯が商品企画賞

 【札幌】全道の高校生が地域の食材を使った創作料理を競う「高校生チャレンジグルメコンテストinHOKKAIDO」(実行委主催)が11日、札幌市で開かれた。道南からは上磯高と函館大妻高が出場。上磯高が商品企画賞を受賞し、札幌市内のカフェで販売されることが決まった。時折強い雨が降る中、両校の生徒は懸命に声を張り上げ、地元の魅力を存分にPRした。

 イベントは3回目で、1次審査を通過した10校が出場。プレゼンや販売を行い、味や外観、接客態度などで来場者と審査員がジャッジした。

 初出場の上磯高は、北斗産のホッキ貝や豆腐、道南のブランド米「ふっくりんこ」などを使った「ホッキライスバーガー」を販売。「豆腐とホッキがうまく融合している」と評価を受け、見事入賞を果たした。

 リーダーの平本健太君(18)は「良い経験になった。新幹線開業後に新函館北斗駅で商品化できれば、売る自信はある」と笑顔。商品は札幌市東区のカフェ「ベジタブルクロス」で今月中旬から11月まで販売される予定。

 函館大妻高は、食物健康科の3年生5人が挑んだ。イカのすり身をジャガイモで包んだいももちと、カレー風味のライスボールがメーン。イカや野菜をふんだんに使用したスープと共に「道南コラボールセット」として提供した。

 リーダーの坂本志音さん(18)は「仲間と一緒に悩み、考え、一つのものを完成させたが、入賞できなくて悔しい。来年は後輩に大賞を取ってほしい」と涙ながらに語った。

 最高賞の「チャレンジグルメ大賞」は三笠高の「メロンメロンスープカレー」が獲得した。 (稲船優香)



◎道南2校 東日本金賞 東日本学校吹奏楽大会

 【札幌】第15回東日本学校吹奏楽大会の小学校部門が11日、札幌コンサートホールkitara(キタラ)で開かれた。道南から出場した北斗上磯小学校吹奏楽部と函館日吉が丘小学校金管バンドが共に金賞を獲得し、両校は喜びに沸いた。

 東日本の6吹奏楽連盟から代表12校が集結。2番目に登場した上磯小は「太陽への讃歌—大地への鼓動」(八木澤教司作曲)、6番目の日吉が丘小は「レイク・オブ・ザ・ムーン」(K・ホーベン作曲)を堂々と熱演した。

 北海道吹奏楽連盟の高橋徹副理事長(上磯吹奏楽団団長)は「両校とも、道コンクールよりも成長した音色を響かせてくれた。上手だった」と快挙をたたえた。 (稲船優香)

 ■上磯小

 初めて金賞を獲得した2013年に続き、2度目の栄冠。顧問の高橋聡教諭(54)は「子どもたちは伸び伸びと、部訓の『清力和(●きよかわ)』サウンドを奏でてくれた」と興奮冷めやらぬ様子で振り返った。

 曲中のコーラスでは、透明感のある歌声が会場を包んだ。波間冴空(さすけ)部長(6年)は「応援してくれる人たちにありがとうの気持ちを込めて吹いた。言葉で表せられないほどうれしい」と達成感をにじませた。

 ■日吉が丘小

 全力を出し切った先に、最高の結果が待っていた。2度目の出場で、初の金賞。石橋美優部長(6年)は「金賞を取れるとは思っていなかったので、驚きとうれしさでいっぱい。小学校最後の東日本大会で、良い思い出ができた」と胸を張る。

 表彰式後、広がる笑顔を前に顧問の寺澤春佳教諭(37)は「今回見つかった課題を直し、次のステージでも周りの支えに感謝して演奏しよう」と語っていた。


◎駅前花壇造成を複数年契約に 事業評価

 函館市の事業を外部有識者らの視点で審議する本年度第3回目の事業評価が11日、市役所で開かれた。2012年度から取り組むJR函館駅前広場の花壇を整備する環境美化推進事業費(予算額1000万円)について、市は来年度以降は事業者と3カ年の複数年契約を締結して事業を進める考えを示した。

 函館の玄関口の景観向上を目指す取り組みで、市は12年度に実施した審査で選定した市内造園業者と単年度ごとに随意契約を結び、事業を継続。毎年、4月以降の契約締結となるため、植栽や造成作業時期が遅くなり、花を見ることができる時期が7〜10月と期間が限られている。

 市は北海道新幹線開業を見据え、9月の市議会で成立した一般会計補正予算に16年度から3年間の債務負担行為額として4556万円分の事業費を追加。本年度中にプロポーザルを実施して事業者を決める。複数年契約とすることで、春の大型連休に合わせた造成作業や秋植えの球根植物の活用が可能となる。

 一方で、外部評価委員は企業協賛金を募り予算軽減を図ることなどを提言。奥平理委員長は観光部が所管する冬期間のイルミネーション事業との連続性が保たれるよう連携を求めた。

 一方、市教委学校教育部所管の情報リテラシー向上事業費(1650万円)では、学校内でのいじめなどにつながるようなインターネット上の有害情報の監視、各学校でネットトラブル防止のセミナー開催などを実施。ネットパトロールの取り組みと、「情報活用能力」向上を掲げる事業名とがかけ離れているため、児童生徒への情報モラル教育の取り組みとは切り離して検討すべきだとして、事業を廃止した上で再構築するよう求めた。

 競輪事業部の臨時場外車券売場開設経費では、重賞レースの誘致など収益確保の取り組みを推進し、消費増税に向けて一層の経費節減に務めるよう意見があった。はこだて療育・自立支援センターが発達障害を抱える未就学児の支援を行う児童発達支援事業費では、引き続き、保護者に寄り添い、必要な療育体制の充実を図るよう求めた。 (今井正一)