2015年10月16日 (金) 掲載

◎山川牧場 店舗新設へ…来年3月

 【七飯】牛乳やソフトクリームを販売する山川牧場自然牛乳(山川明社長)は大沼町628の山川牧場ミルクプラントの隣接地に店舗兼工場や倉庫を新設する。従来の商品に加え、新たにヨーグルトなど加工品の生産・販売に着手し、取り扱うブランド商品を増やす考えで、来年3月のリニューアルオープンを予定する。

 来年3月26日の北海道新幹線開業を見据え、老朽化した既存の直売店やミルクプラントの隣に、店舗兼工場や倉庫を新設して観光客の増加に対応する。総事業費約4億円で、7月上旬から建設が始まっている。

 新棟の建築設計は山田総合設計(函館市本通3、山田俊幸社長)が担当。内外装の一部に道南スギを使い、使用する家具なども道南でつくられたものを用いるという。工場と新店舗が入る工場棟は延べ床面積約916平方メートル、倉庫棟は同約200平方メートルとなる。

 15日には工事の安全を願う上棟式を行い、同社や地元の酪農関係者ら約150人が出席。神事を執り行い玉ぐしをささげたあと、全員で工事の安全を祈り、餅まきで締めくくった。

 山川社長(56)は「これまでは屋外で買い物を楽しんでもらっていたが、新しい建物では食事をしながら屋内で休んでもらえるようにする」と説明。「地元に愛される場所となることを目指し、通年で利用してもらえる観光スポットにしたい」と話している。(野口賢清)



◎カエデ並木 幻想的に…あすからもみじフェスタ

 道内唯一の国指定文化財庭園である香雪園(函館市見晴町、見晴公園)で17日、「はこだてMOMI―G(もみじ)フェスタ」(市、市住宅都市施設公社主催)が開幕する。目玉の紅葉のライトアップに備え15日には試験点灯が行われ、人気の散策路「カエデ並木」などが幻想的に照らし出された。

 今年は照明を昨年より17基多い、48基設置。LEDライトを12基導入したことで、木々の様子を例年以上にはっきりと見ることができる。試験点灯では市や同公社、電気設備業者ら約15人が、光の加減や照明の角度を調整した。

 期間中は木曜日を除き、午後5時から30分間のミニライブを実施。ライブの回数を昨年より3回増やし20回とし、金曜日は仕事帰りでも参加できるよう午後6時半からの開始とした。毎週土、日曜日の午前9時~午後3時は、週替わりでドライフラワーによるリースづくり(体験料500円)やかわいらしい色紙を使ったミニアルバムづくり(同)など多彩な体験会を用意している。園内の園亭では11月3日に自分でお茶を立てる茶席体験(同)を開く。

 フェスタは11月8日までで、期間中の午後4時から同9時までライトアップする。同公社によると、紅葉の見ごろは今月下旬から11月初め。紅葉に関する問い合わせは同公園緑のセンター(TEL0138・57・6210)、イベントなどは同公社花と緑の課(同40・3605)へ。(蝦名達也)



◎スルメイカの生態 詳細に…北大・桜井特任教授が新刊出版

 北大大学院水産科学研究院の桜井泰憲特任教授(64)=海洋生態学=が、新刊「イカの不思議 季節の旅人・スルメイカ」を出版した。青森県営浅虫水族館(現あさむし水族館)でスルメイカの飼育実験を始めて30年を機に、初めて研究成果を書き下ろした。スルメイカの一生の謎を丁寧に解説している。

 スルメイカ研究の第一人者として知られる桜井特任教授は長年北大で教べんを執り、その生態と資源変動のメカニズムを明らかにしてきた。

 今回は構想から出版まで1年かけて作り上げ、写真や図表をふんだんに使い、イカに携わる人にとって必読の一冊となった。全6章からなり、最後に「おわりに」が付いている。イカの寿命や漁火に集まる理由、鮮度保持の秘策など「イカに関して日ごろ不思議に思っていることがたくさんあり、それに答える形で書いた」と桜井特任教授。中学生でも読める分かりやすい内容に仕上げた。

 人工ふ化させたスルメイカ幼生を世界最長となる10日間生存させることに成功したことも記し「次は幼生が何を食べて大きくなるのか解明したい」と意欲を示す。

 11月8~14日に函館で初開催される国際頭足類学会シンポジウムとワークショップも控えており「研究はまだまだ続く」と意気込んでいる。

 B6判、208ページ。1620円、道内の書店で扱っている。(山崎大和)


◎新幹線開業後 新駅前でロングランイベント開催へ

 道は15日、北海道新幹線開業後の来年夏に新函館北斗駅前(北斗市市渡)で食と物産を中心とするロングランイベントを開催する方針を明らかにした。2カ月程度を想定し、誘客強化に向けて駅前のにぎわい創出を図る。

 同日、函館市内のホテルで開いた全道振興局長会議で本間研一新幹線推進室長が説明し、14の総合振興局・振興局長に情報提供などの協力を求めた。

 会議にはオホーツク総合振興局長を除く13人の局長・副局長が出席。冒頭、渡邊直樹交通企画監が「運賃が発表されて開業が現実的になる一方で、準備期間が少なくなり、これからが正念場。周遊観光ルートの構築や二次交通の整備、特産品の開発、おもてなしを提供できる人材育成など課題は山積しており、全道一丸で取り組みを進めたい」とあいさつした。

 渡島は、二次交通対策として観光タクシーの試験運行を開始したことや定額タクシーの導入も検討していることを報告。函館市、北斗市、木古内町の担当者も各市町での開業対策を紹介した。

 局長会議は年に1回程度、通常は札幌で開催しており、今回は新幹線開業に向け全道で情報を共有し意識を高めるため、初めて函館で開いた。(山崎大和)