2015年10月19日 (月) 掲載

◎秋の大沼 足取り軽快…グレートラン・ウオーク

 【七飯】ランニングとウオークを楽しむ「2015北海道大沼グレートラン・ウオーク」(七飯大沼国際観光コンベンション協会主催)が18日、大沼国定公園で開かれた。道南をはじめ全国各地から過去最高となる2113人がエントリーし、日本新三景選定100周年を迎えた秋の大沼湖畔で、さわやかな汗を流した。

 【今年で30回を迎えた今大会は、ゲストランナーに1991年の世界陸上東京大会で、日本人男子初の金メダルに輝いた、元マラソン選手の谷口浩美さんを招待した。競技はランニングとウオークを大沼湖畔1周コース(14・1キロ)、ファミリーコース(6・3キロ)に分かれて実施。開会式で参加者に激励のあいさつをした宮田東副町長が、スタートに合わせて号砲を鳴らすと、参加者は一斉にコースへと飛びだした。

 【各部門とも、好記録を狙い序盤からペースを上げる人、健康増進や自然鑑賞の目的でゆっくりと歩を進める人などさまざまで、自分のペースに合わせて大会を楽しんでいた。ランニング1周コースで最初にゴールした、北斗市の松田洋さん(42)は「いつもと違った大沼を楽しむことができた。沿道からの大きな声援もとてもうれしかった」と話していた。 (野口賢清)



◎台湾での民族運動学ぶ…ヨハニ氏ら4人講演

 多文化共生社会の実現を考える「第3回台湾原住民族との函館交流会」(NPO法人道南マウコピリカの会主催)が18日、サン・リフレ函館で開かれた。台湾で1980年代以降に沸き起こった原住民族権利回復運動に携わったヨハニ・イスカカヴットゥ氏ら4人が講演した。

 パイワン族で公共テレビ局プロデューサーを務めるディアナヴ・ジェンロール氏は運動の中で、民族を代表したジャーナリストとして運動や民族の姿を追った。アジア初の先住民族テレビ局の立ち上げにもかかわった。妻でブヌン族のウマフ・バララヴィ氏も記者として活躍している。

 ディアナヴ氏は民族側の視点で報道することで、文化の保護、維持の契機になったと指摘。冒頭には民族伝統の鼻笛も披露し「言葉はうそをつくが、楽器の音色はうそはつかない。古い伝統や民謡を伝える使命を感じている」と述べた。

 原住民族の運動リーダーを務め、台湾行政院原住民委員会元大臣となったヨハニ氏、妻のサニ・タキスリニアン氏も講演。アイヌの弓の舞「クリムセ」の披露なども行われた。

 同NPOの加藤敬人理事長は、恵山や駒ケ岳もアイヌの神聖なヌプリ(山)とだったとし、和人との土地問題に言及。「我々は土地を返せといった要求をしているわけではない。和人とよく話し合って、共存、共栄していく方向を模索している。法律で決めてもらい、タブーとされる土地問題も言い合える間柄になれればいい」と述べた。



◎進む地場産給食…函館の学校 納豆を初導入

 函館市は学校給食に地場産食材を積極的に使用し、食育の推進と消費拡大に取り組んでいる。今年5月からは新たに納豆を導入し、各学校の栄養教諭らが多様な献立づくりに着手。児童生徒が納豆を食する機会が増えてくることにより、市教委は今後の納豆の使用拡大に期待している。

 市は2012年度からサケやコンブなど地元の食材を積極的に使用してきた。市教委によると、14年度に学校給食に使用した食材の産地別使用状況は、生鮮野菜で函館産が前年度比2・7ポイント増の39・3%、魚介類・海藻類も初めて3割を超えた。また14年度からは月1回「和食の日」を設け、地場産の農水産物を中心にした和風の献立が考えられている。

 これまで市の学校給食で納豆は使用されていなかったが、和食の普及や地場産食材の優先利用の一環として導入を決定。5月20日に共同調理場方式を併用する昭和、あさひ両小学校、6月16日に光成、戸倉、潮見の3中学校での提供を皮切りに、9月末現在までに約5800食が給食に並んだ。

 給食に使われている納豆を製造するだるま食品本舗(西桔梗町、工藤哲也社長)によると、小学校では納豆の味や触感が苦手な児童でも食べやすいようにと極小粒(道産大豆使用)を、中学校では大豆の味わいを感じてもらうために、函館近郊産の大粒大豆「たまふくら」用いた納豆を提供している。添加物を含まない給食を提供するために、専用のタレは添付せず、卓上醤油で味付けして食べている。

 同社の工藤社長は「学校給食に納豆を導入し大豆の摂取を普及させたいという長年の願いがようやく実現した。児童生徒の食育推進や健康面で貢献できるよう、今後もおいしい商品を形にして提供したい」と話している。 (蝦名達也)


◎フードマーケットで餅つき楽しむ

 津軽海峡フェリーと北海道中小企業家同友会函館支部の合同イベント「フードマーケット&第4回AP北海道収穫祭」が18日、津軽海峡フェリー函館ターミナルで開かれた。会場には大勢の家族連れらが訪れ、青函の食や餅つきなどを楽しんだ。

 会場には、カボチャやナスなどの秋野菜、青森産のアンズの甘露煮、道南の食材を使ったカレーやギョウザなどの店がずらり。中でも人気だったのが、函館水産高校によるサンマやサバの缶詰販売で、用意していた600個がわずか20分ほどで売り切れた。

 また、北斗産のもち米10キロを使った餅つき大会も行われ、集まった子どもたちはスタッフの力を借りながらも力いっぱいにきねを振り下ろしていた。出来上がった餅は、きな粉やあんこを付けて来場者に振る舞われた。

 餅つきに参加した七飯大中山小6年生の畦地こはくさん(11)は「きねが重たかったけれど感触が気持ちよかった。とてもおいしい」と笑顔を見せていた。(金子真人)