2015年10月2日 (金) 掲載

◎五稜郭の地下歩道改修、11月に着手

 函館市本町の五稜郭交差点地下横断歩道の改修について、函館建設管理部は完成後のパースイメージを公表した。本年度は東西を結ぶメーン通路42メートルの工事を予定し、11月下旬に着手、北海道新幹線開業に合わせて来年3月に完成予定。通路内には西側、東側、北側の壁面に五稜郭の歴史をたどるメーンパネル(3・6メートル×1・2メートル)3枚を設置する。

 今年4月から設計を行っており、2017年3月の複合ビル「プレミストタワー函館五稜郭」完成に合わせて各入り口との接続や南北通路の改修も進め、完成する。事業費は1億4000万円。工事期間中も通行できるようにする。

 展示では、メーンパネルとして西側壁面に五稜郭の変遷と暮らし(大正~昭和初期)、東側壁面に同(昭和30年代~60年代)、北側壁面に五稜郭の発展を支えた函館市電をテーマに据えた。30センチの奥行き内に展示台を設け、市企業局や公立はこだて未来大と協議してゆかりの品を展示する。

 ベンチは西側壁面に2カ所、南側壁面に4カ所、東側壁面に2カ所の計8カ所を設ける。

 北側壁面にはショーケース3カ所があり、市の観光ポスターや同歩道開通時のタイル壁、市内で使われた茂辺地のレンガを展示する。

 北側と南側壁面には「函館歴史回廊」として、1926(大正15)年~2011年の五稜郭の歴史が分かる写真パネル16枚を飾る予定。また、メーン通路4カ所の角に五稜郭タワーから撮影した五稜郭公園の春、秋、冬、冬の夜の写真をディスプレーする。

 同歩道は完成後42年がたち、老朽化が著しい。新幹線開業を見据え、五稜郭を訪れる観光客への情報発信の場として生まれ変わる。函館建設管理部道路課は「複合ビル完成に合わせて接続できるよう工事を進めたい。五稜郭の歴史を記録・保存する場所とし、後世に魅力を伝えたい」としている。  (山崎大和)



◎五稜郭タワー「ピンク」にライトアップ、乳がん検診訴え

 乳がんの早期発見、早期治療を訴えるピンクリボン運動の一環として、函館市内の医療機関などでつくる道南乳腺疾患研究会(早川善郎代表世話人)は1日、五稜郭タワー(五稜郭町43)をシンボルカラーのピンク色にライトアップし、検診の大切さを呼び掛けた。

 タワーのライトアップは今年で6回目。10月のピンクリボン月間初日に合わせて行っている。

 この日は午後6時に点灯を開始。点灯前には同タワーでアルゼンチンタンゴのステージやピンクリボンin函館実行委員会「チームピンク」のメンバーらが、啓発用のグッズなどを配布した。

 日中はチームピンクのメンバーらが、高校生とともに市内本町の繁華街でちらしを配るなどして啓発活動を実施した。同委員会の川村佳子代表は「人ごとと思わず、ぜひ検診に関心を寄せてほしい」と話した。

 全国各地でも同様の取り組みが行われ、市内では国立病院機構函館病院(川原町)も趣旨に賛同し、建物をライトアップした。 (鈴木 潤)



◎ドクターヘリ運航調整委、函病院長が下北への運航拡大を提案

 道南ドクターヘリ運航調整委員会(委員長・浅井康文函館新都市病院名誉院長)の第5回会合が1日、ロワジールホテル函館で開かれた。同ヘリが要請を受けた症例などについて検証する「事後検証部会」の設置を承認したほか、同ヘリ基地病院の市立函館病院の木村純院長が「青森県大間町を中心とする下北半島北部への出動が実現できないか」と運航圏の拡大を提案、同調整委での検討を求めた。

 運航圏の拡大に関し、木村院長は下北半島北部で年間20件前後の搬送があり、青森、八戸両市に運ばれていると説明。「医療圏は生活圏と一致させるのが良く、北東北などでは県境を越えての搬送はすでに行われている。2016年度以降の実現に取り組みたい」と述べた。

 これに対し、道保健福祉部地域医療推進局地域医療課救急医療グループの中島康敬主幹は「今年5月時点で青森側は道との連携に関心がない状態だった」とした上で、「青森、道を交えた協議の実施や運航圏拡大に関する協定締結、青森側の負担金などの議論を深めていった中で実現するだろう」と答えた。

 調整委の事業を円滑に進める事後検証部会は、年1回の開催を予定。治療開始時間や搬送時間の短縮効果、転帰について分析し、ドクターヘリの有効性や課題の発見を目的とする。前年度に同ヘリ運航管理室のホットラインで出動要請を受けた全件数を扱い、運航実績から適切な運航過程や治療処置などを検証する。

 このほか、同調整委消防関係部会は、同ヘリと救急車が落ち合う着陸地点「ランデブーポイント」について、計291カ所(9月1日現在)のうち、除雪体制が整っているなど、冬期間に使用可能なポイントを39カ所と報告。同部会は今後の本格的な冬期間の運航に向け、除雪体制の強化によってポイントを増やせるよう協力を呼び掛けた。 (蝦名達也)


◎函西高創立110周年、あす記念式典

 函館西高校(函館市元町、堂下則昭校長)は今年、創立110周年を迎えた。3日には函館市民会館大ホール(湯川町1)で記念式典を挙行する。在校生や教職員、同窓会役員など約700人が出席し、節目を祝う。

 1905(明治38)年に北海道庁立函館高等女学校として開校。50(昭和25)年、男女共学制となり現校名に改称した。これまでに3万858人が卒業し、歌手の北島三郎さんや作家の辻仁成さん、小説家の故・佐藤泰志ら各界の著名人を輩出している。

 校舎は八幡坂を上り切った函館山の麓に位置し、函館港や市街地を一望できる。現在は478人が在籍。校訓「志高く」を胸に、歴史と文化の薫り高い坂を一歩一歩踏みしめながら、青春を謳歌(おうか)している。

 早期から進路意識を高める指導に重点を置く。社会人による講演会や大学生との対話集会、地元企業研究など生徒の将来を見据えたキャリア教育を通し、夢の実現に向けたサポートに取り組む。

 その傍ら、部活動も活発。近年全国高校総文祭に出品した写真部や、本年度全道ベスト8の女子バレーボール部のほか、多くの部局が全道レベルを誇る。

 堂下校長は「多くの卒業生が道内や全国各地で社会に貢献している伝統を110年守ってきたことは喜ばしい。卒業生にとっては、母校に対する思い出がそれぞれあるはず。式典、祝賀会には多くの卒業生が出席するので、親交を深め楽しいひとときを過ごすとともに、記憶に残る式典になってほしい」と話している。 (稲船優香)