2015年10月20日 (火) 掲載

◎大沼 晩秋の輝き…紅葉ピーク、オオハクチョウ飛来

 【七飯】大沼国定公園で紅葉がピークを迎えた。大沼公園からは、湖畔上に赤や黄色に染まった駒ケ岳山麓の絶景を眺めることができ、国内外の観光客が楽しんでいる。19日には宿野辺(しゅくのべ)川河口付近でオオハクチョウが羽を休める姿も見られ、晩秋の訪れを感じさせていた。

 自然公園財団大沼支部によると、今年の紅葉は強風や急激な気温低下の影響は少なく、葉の色や形は良いという。モミジ、カエデ、ツタ類は赤、ミズナラは黄で錦を織りなし、湖畔周遊道路も色鮮やかな葉のトンネルとなっている。見ごろは今週末までの見込み。

 オオハクチョウは10日ごろに第一陣が確認され、この日は6羽が見られた。本州へ渡る途中に降りたと思われ、強い日差しを受けて体が熱くならないように水に潜ったりしていた。(山崎純一)



◎巨大な船体 豪快に海へ…函館どつく進水式

 函館どつく函館造船所(函館市弁天町)は19日、新造船「ベルゲ・アサヒダケ」(2万1550トン)の進水式を同造船所で行った。約600人の市民が詰め掛け、新しい船が海に向かって豪快に進む姿に歓声を上げていた。

 新造船は、マーシャル諸島共和国の海運会社が発注した全長約180メートル、幅30センチの木材兼ばら積貨物船。燃費性能に優れたエコシップで、8月下旬から名村造船所(大阪)と共同で建造。内装工事などを経て、12月中旬に引き渡す。

 進水式では、造船所と船をつなぐロープが切断され、巨大な船体が紙テープをなびかせながら海に進み出すと、観客から拍手と歓声が沸き上がった。

 授業の一環で見学に訪れた市立函館高校1年の佐藤亜紀さん(16)は「思っていたよりも船が大きくて迫力があった。貴重な体験ができて良かった」と話していた。

 同社では現在、本年度5隻目となる新造船を手掛けており、12月中旬の進水を予定しているという。(金子真人)



◎新幹線開業3年で赤字年48億円

 来年3月26日に開業する北海道新幹線の収支見通しについて、JR北海道が開業当初の3年間(2016~18年度)で、平均約48億円の赤字を見込んでいることが19日までに分かった。老朽化した青函トンネルの維持などに多額の費用がかかるためだ。支出に対する収入の割合を示す収支率は69・7%で、平均80%前後の他の整備新幹線と比べても低い水準にとどまり、多難な船出となりそうだ。

 同社が国土交通省に提出した資料によると、実質的な開業初年度の16年度が約52億円、17年度約51億円、18年度約42億円のそれぞれ赤字を見込む。年平均の試算では、運賃・料金などの収入111億3800万円に対し、支出は159億7600万円。このうち、施設維持などの経費が78億6500万円と約半分を占める。

 北海道新幹線は、他の新幹線にはない貨物列車との共用区間(約82キロ)を持つ。同社は「点検や補修は短時間で行う必要があり、大量の作業員を投入するため人件費がかかる」とする。また、同区間はレールが3本敷かれた三線軌条となっており、他の新幹線と比べて保守費用もかさむとみられる。

 同省によると、今春開業した北陸新幹線で、JR東日本が試算した15~17年度の収支率は87・3%。JR西日本は77・3%を見込んでいる。

 一方で、新幹線開業に伴う江差線五稜郭―木古内間の経営分離で赤字が圧縮されるほか、新函館北斗から函館、札幌方面へ向かう在来線利用客の増加が見込まれることから、同社は「新幹線の収支は大変厳しいが、全体でみるとプラスマイナスゼロになると認識している。新幹線と在来線の利用拡大に努めたい」としている。(山田大輔)


◎幸せなエピソード募集…渡島振興局

 渡島総合振興局は、若者の未婚・晩婚化を食い止めるため、既婚者から思い出に残る「幸せエピソード」を募る事業に乗りだした。結婚や子育てに関する肯定的なエピソードをホームページやリーフレットで広く発信し、少子化問題の解決につなげる考えだ。

 同振興局の若手女性職員グループが発案、本年度の独自事業(予算額15万5000円)として取り組む。「結婚」と「子育て」の2部門あり、30~500字で応募。結婚は出会い、プロポーズ、結婚式を経て、仲良く暮らす中で夫婦の素晴らしさを、子育ては出産や誕生日、入学、卒業、受験、成人、就職など人生の節目に家族が喜びを共有した瞬間を文章で表現する。

 既婚者で、北海道に関わりのある人なら誰でも応募できる。すてきなエピソード(匿名可)は同振興局ホームページで公表するほか、リーフレットにまとめ函館市内の大学生に配る予定。同振興局は「函館は離婚数が全道、全国を上回っており、結婚を否定的に考える若者も少なくない。独身者が結婚や子育てに前向きなイメージを持つきっかけにしたい」(地域政策課)とする。

 募集は11月15日まで。郵送(〒041・8558、函館市美原4の6の16、渡島総合振興局地域政策課内、おしま「幸せエピソード」事務局)またはファクス(0138・47・9203)、メール(oshima.chisei2@pref.hokkaido.lg.jp)で。問い合わせは同課(☎47・9429)へ。(山崎大和)