2015年10月24日 (土) 掲載

◎五稜郭ガーデン開業

 まちづくり五稜郭(久保一夫社長)が運営する函館市本町9のグルメコート「五稜郭ガーデン」が23日、開業した。出店者集めに苦戦し、1店のみがオープンする静かな船出となったものの、心待ちにしていた市民らが訪れ、料理を味わった。30日には同施設の門出を祝うイベントも開かれる。

 この日、開店したのは「地中海バル・リーガ」。イベリコ豚を食材としたパエリアやステーキのほか、酒に合うつまみなど約30種類の料理を提供する。座席数はテラスを含め約40席。函館初上陸となるスペイン樽生ビール「エストレーリャ・ガリシア」などアルコールメニューも豊富にそろえる。

 同店は30日、オープニングイベントとして「ハロウィン・ナイトパーティ」を開く。人気アイドルグループAKB48の小嶋菜月を招き、トークショーやコスプレコンクールなどを展開。午後5時と同7時からの2部制で、前半は学生やファミリー、後半は社会人が対象。当日仮装して来場すると、ワンドリンクチケットがもらえる。同店の山田大茂オーナー(43)は「地元の皆さんに喜んでもらおうと企画した。五稜郭の地域活性化につなげたい」としている。 

 このほか、同日にはハワイ料理などを提供する店舗が開店する予定で、年内には同施設で13店舗程度が営業を始める予定だ。久保社長は「徐々ににぎわっていく。ガーデンに行ってみようかなという雰囲気が今後生まれてほしい」と期待を寄せていた。(山田大輔)



◎大門横丁10周年感謝祭

 函館市松風町の屋台村「函館ひかりの屋台・大門横丁」の10周年を記念した感謝祭イベントが23日、同横丁で開かれた。会場ではセレモニーや餅まきが行われ、詰め掛けた大勢の市民と関係者は函館を代表する観光施設の節目を盛大に祝った。

 大門横丁は居酒屋やバー、ラーメン店など26店舗が入店する屋台村で、2005年10月23日、JR函館駅前・大門地区の活性化を目的に第三セクター「はこだてティーエムオー」(渡辺良三社長)が開設。今では年間18万人が訪れる人気スポットに成長した。

 式典で渡辺社長は「これからもテナント店や商店街の皆さんと連携をしながら、大門をさらに楽しめる地域にしていきたい」とあいさつ。

 横丁には大勢の人が訪れ、1杯100円で振る舞われた生ビールで乾杯。ピアノの生演奏や餅まきなどを楽しんだ。月1、2回は仲間と訪れるという市内高盛町の会社員、佐藤英雄さん(51)は「いろいろな場所から来る人たちとの会話が楽しい。これからも通い続けたい」と笑顔で話した。(金子真人)



◎スイーツフェスタ開幕

 道南の和洋菓子が一堂に会する「はこだてスイーツ フェスタ2015」が23日、函館市若松町の棒二森屋7階催事場で始まった。ケーキや焼き菓子など各店自慢の品が並び、来場者を楽しませている。25日まで。

 来年3月26日の北海道新幹線開業に向け、道南のスイーツの魅力を高めようと、棒二森屋と函館スイーツ推進協議会が毎年開催している。

 今年は函館、北斗、七飯、木古内、江差から16店が出店。会場にはサツマイモのケーキ、クリのもなか、リンゴのチョコレートなど旬の食材を使ったスイーツがずらり。約30種類のケーキの中から好きな2品を選んでその場で楽しめる「スイーツカフェ」(ドリンク付き1000円)も人気で、初日から多くの人でにぎわった。

 観光で函館に訪れていた札幌市の主婦、小島晃代さん(43)は「スイーツが好きなので私にとってはとてもうれしい企画。目当てのケーキを買うことができて良かった」と笑顔で話していた。

 24、25の両日は、午前11時と午後1時半に洋菓子、和菓子作りの体験教室も開かれる。参加費は1000円。申し込みは同店(☎0138・26・1211)へ。(金子真人)


◎特急料金の割引要請へ、道新幹線対策機構

 函館市の工藤寿樹市長は23日の定例会見で、来年3月26日に開業する北海道新幹線に関し、JR北海道が国土交通省に申請した特急料金設定について、「新規車両の導入と快適性からすればやむを得ない判断」と述べるとともに、今後、市や商工会議所などでつくる道新幹線新函館開業対策推進機構の枠組みで、割引に向けた要請活動を行う考えを明らかにした。

 JR北海道は今月13日、新函館北斗―東京間(約860キロ)の通常料金(運賃と指定席料金)を2万2690円と設定。工藤市長は高橋はるみ道知事が予定する割引切符導入など要請活動の推移を見守るとした上で、「往復割引など利用客にとって使いやすく、新幹線の促進につながる料金に設定してもらいたい」と述べた。

 一方で、JR北海道は道新幹線の収支見通しについて、実質的な開業初年度の2016年度に約52億円、17年度約51億円、18年度約42億円それぞれ赤字を見込む。老朽化が進む青函トンネルや在来線との共用走行区間維持などに多額の費用がかかるためで、「期待の新幹線がJRの財務体質改善につながらないのは気がかりだ」と話した。

 また、開業前後の市の誘客促進における取り組みとして、地元出身ロックバンド「GLAY」が手掛ける開業PRソングの完成が近付いていることを踏まえ、「首都圏や関東、東北などでのPRに優先的に力を入れて取り組んでいきたい」と強調。

 その上で、今年3月開業の北陸新幹線と比較し「函館の方が観光地としての知名度は高く、宿泊客受け入れの実績もある」と自信を見せ、「開業時や繁忙期の混雑は考えられるが、年間を通じて継続的に受け入れられる。今後需要の増加傾向が続いたとしても、積極的な投資が期待できる」との見解を示した。(蝦名達也)