2015年10月25日 (日) 掲載

◎花田君が童謡歌唱コン全国大会へ

 歌唱力や発音、表現力などを競う寛仁親王牌第30回全国童謡歌唱コンクール(日本童謡協会ほか主催)の全国大会・子ども部門に、函館柏野小3年の花田真一郎君(8)が出場する。花田君は、これまで全道大会に4度出場してきたが、全国大会は初めて。本番を前に、函館市東山の声楽家石丸典子さんが指導する音楽教室で、仕上げの練習に熱を入れている。

 歌同大会は子ども、大人、ファミリーの3部門に分かれ、出場者は課題曲から1つを選んで2分以内で童謡を歌唱する。テープ審査で各部門7組を選び、北海道など全国7ブロックの最優秀賞受賞者が、11月3日の全国グランプリ大会(東京・EXシアター六本木)に出場する。

 歌花田君は3歳から歌を始め、同コンクールには4歳の時から出場。毎年全道大会に進出したが、これまで2位の優秀賞に甘んじてきた。今年は、谷川俊太郎作詞の童謡「誰も知らない」で挑み、全国大会への切符を手にした。「歌うことで聞いた人がうれしくなるのが楽しい。今回の歌は歌詞が面白いので緊張するけど楽しんで歌いたい」と笑顔を見せる。

 歌自分しか知らない秘密の話を、そっと打ち明けるようなユーモアのあふれる内容は、指導する石丸さんによると「花田君の天真らんまんなキャラクターに合った歌」という。「彼の持ち味を生かしながら、最高賞の金賞を目指して練習に臨んでいる」と話す。

 歌練習は、本番直前に少し時間を増やすほかは月3回、一回につき30分程度のペースを維持しながら進めている。(半澤孝平)



◎歴史的建造物の老朽度調査、函館市が維持修繕計画を立案

 函館市は、西部地区の街並みを形成する歴史的な建造物の老朽度調査を進めている。建築の専門家が建物を確認し、今後の維持修繕に必要な計画を立案。築100年を超える建物も珍しくはなく、景観の保全と次世代への継承に向けて、適切な維持管理の手法を検討する。

 弥生町や大町など120ヘクタールは市の都市景観形成地域で、ベイエリアと教会群が立ち並ぶ地域は文化財保護法に基づく伝統的建造物群保存地区に指定されている。120件を超える指定建築物(伝統的建造物、景観形成指定建築物)の8割が築90年以上、半数近くが築100年を超えている。市都市建設部まちづくり景観課は「西部地区の歴史的建物は、観光資源でもあって市共有の財産として守っていかなくてはならない」とする。

 調査事業は、景観法に基づく市の景観整備機構指定団体「NPO法人はこだて街なかプロジェクト」(山内一男理事長)が実施。本年度は計11件が対象で8月末からこれまでに8件の調査を終えた。建物ごとの状況を把握した上で、今後の長期的な修繕スケジュール案や修理費用の概算額などをまとめ、所有者に提示する。

 23日には基坂沿いの生田ステンドグラス(大町1)を調査。1909(明治42)年建築の木造2階建ての上下和洋折衷住宅で、92年に大阪本社の同社が取得し改修した。地階の工房に勤務する同社の小林政夫さん(51)は「歴史的な建物で店を続けることで、観光客に興味を持ってもらっている部分もある」と話す。

 92年の改装では、洋式縦長窓から1階のテナント店舗に光が差し込むよう、2階部分は吹き抜けとしている。その後も外壁や屋根は修繕を加えているが、屋根のたわみなど傷みも目立つ状況となっている。

 これまでの調査について山内理事長(67)は「ものすごく状況が悪いということはないが、目の届かない部分で傷みが激しいこともある。上手に修復の手を入れていけるようにしていきたい」と話していた。(今井正一)



◎縄文人の生活学ぶ、小中学生が体験ツアー

 小中学生に縄文文化を体感してもらう「JOMON JAPAN(縄文ジャパン)」発見・体験ツアー(渡島教育局主催)が24日、函館市南茅部地区で開かれた。道などが世界遺産登録を目指す大船遺跡や市縄文文化交流センターを見学し、はるか古代の人々の生活や思想に触れた。

 道文化財保護強調月間(10月8日~11月7日)に合わせて開き、縄文文化を取り上げるのは今年で3回目。函館、北斗市内の児童・生徒と保護者48人が参加した。

 午前中は大船遺跡で竪穴住居などをじっくり見て回った。午後からは同センターを訪れ、まな板などに使われた石に触れるなどして縄文人の生活様式を学び、土器作りにも励んだ。道内唯一の国宝「中空土偶」も見学、同センター職員から土偶の最も薄い部分が厚さ2ミリだと教わると、驚きの声を上げていた。

 函館中部小6年の工藤歌恋(かれん)さん、荒木美音さん、戸松友莉さんは「動物の骨を使って模様を作るのがすごいと思った。中空土偶の薄さにも驚いた」と声をそろえていた。(千葉卓陽)


◎イカマイスター目指そう、来月講習会

 函館水産物マイスター養成協議会(石尾清広会長)は、函館イカマイスター養成講習会・認定試験の受験者を募集している。講習会を11月21、22日に市国際水産・海洋総合研究センターで、同23日に函館短大付設調理製菓専門学校で、試験を12月6日に同センターでそれぞれ行う。締め切りは10月30日。

 今回で9回目。〝イカ博士〟を目指す同制度の認定者は大日本水産会(東京)からも認定される。

 一般の受験者は21、22日にイカに関する講義(9科目のうち3科目以上受講)と22日の解剖、23日の調理A、Bのどちらかを受講することが条件。

 試験は択一式100問を90分で解き、70点以上で合格。昨年(第8回)の合格率は80・3%。

 受講・受験料5000円を、事務局の函館国際水産・海洋都市推進機構(同センター内)に持ち込むか、郵送(〒040―0051 函館市弁天町20の5)の場合は5360円を添えて申し込む。定員80人。21、22の両日とも希望者に弁当・お茶(600円)を用意する。

 同機構は「受験者の半数近くを学生が占め、就職につながる資格として取得する人も多い。イカを多方面から学ぶことができ、日常生活にも生かせるスキルが身に付くので、ぜひ受験を」と呼び掛ける。問い合わせは同機構(TEL 0138・21・4700)へ。(山崎大和)