2015年10月26日 (月) 掲載

◎お帰り森小町 町固有のサクラ 森では枯死、茨城から

 【森】町固有のサクラの品種「モリコマチ(森小町)」の里帰り植樹式が25日、青葉ケ丘公園で行われた。梶谷恵造町長をはじめ、野村洋議長らが出席し、8年振りとなるモリコマチの帰郷を喜ぶとともに、2度と枯らすことのないように決意を新たにした。

 モリコマチは元農業改良普及員の故田中淳さんが1978年、町固有種のサクラ「ホリイヒザクラ(堀井緋桜」とソメイヨシノを交配させたことにより誕生。花びら1枚1枚の色の濃さが異なるのが特徴だ。

 同公園で1本だけ生育していたモリコマチだったが、昨年6月に枯死と診断され、絶滅したと思われていた。

 ところが、枯損の可能性を見据えた日本花の会所属の森町民が、2007年にモリコマチの枝を茨城県結城市の日本花の会「結城農場・桜見本園」に送付し、同場で植栽されていることが判明。これを受け、梶谷町長が現地へ赴き確認したうえで、譲り受けの交渉をしたところ、農場側もこれを快諾。現在同場で植栽されている苗木2本のうち、1本を町が譲り受けることが決まった。

 植樹式には田中さんの妻ミヨさん(90)も出席。梶谷町長や野村議長、田中さんらがスコップを手に健やかな成長を願いながら、丁寧に土をかけると、公園に再びモリコマチの姿が復活した。梶谷町長は「紆余曲折(うよ)を経たが、モリコマチが里帰りしたことは大変うれしい。森町の宝物として大事にし、命をつないでいきたい」と述べ、田中さんは「来年の春が今からとても楽しみ。美しい花を咲かせることを心まちにしています」と話していた。

 移植を担当した苫小牧市の樹木医、金田正弘さん(68)によると、帰郷したモリコマチは樹高約5メートル、幹周りは約21センチ。金田さんは「これから冬を迎え、来年の4月以降に花が咲くかどうかはまだわからない。しっかりとサクラの様子を静観していきたい」と話していた。(野口賢清)



◎函館出身の伊藤さんK-POPの作詞手掛ける

 函館出身の女性デュオ、The Letter(ザ・レター)のボーカル、伊藤千恵さんが、韓国の男性5人組グループ「NU,EST(ニューイースト)」の全曲日本語のニューアルバム「Bridge the World(ブリッジ・ザ・ワールド)」(11月18日発売)に収録されている2曲の作詞を担当した。伊藤さんは「自分のこれまでやってきたことを客観視でき、貴重な経験だった」と話している。

 1曲は同グループ初主演の映画「知らないふたり」(来年1月9日公開、今泉力哉監督)の主題歌にもなる「Cherry(チェリー)」、もう1曲は「access to You(アクセス・トゥー・ユー)」。2曲とも、男性が恋人に対する愛情をストレートにつづったラブソングで、軽快なサウンドにのせて歌っている。

伊藤さんは4月ごろ、楽曲の提供を受けて作詞。依頼主の意向に沿って一部修正し、完成させた。さらに作詞の追加依頼があり、「アクセス・トゥー・ユー」も書いた。

伊藤さんが他のアーティストに詞を書いたのは初めて。「頭が熱くなるほど言葉を絞り出したこともあった。試行錯誤しながらだったが、充実感があった」と振り返る。

 ニューイーストは2012年に韓国でデビューし、アジアを中心に海外でも活躍。日本でも人気上昇中で、伊藤さんは「歌もダンスもプロフェッショナル。人気が広まるよう応援していきたい」と話す。

ザ・レターは前身のガールズバンド「sisters(シスターズ)」から08年に改名し、伊藤さんと松谷美沙さんのデュオとして東京を拠点に活動している。「機会があればレターとして函館でライブをしたい」と伊藤さん。27日にはFMいるかの番組「デイタイムレディオ」に午後2時10分頃から出演する予定だ。(鈴木 潤)



◎冬の駒ケ岳 平穏願う

 【七飯】駒ケ岳の鎮山と安全と願う「駒ケ岳安全祈願祭・閉山祭」(七飯大沼国際観光コンベンション協会主催)が25日、駒ケ岳神社で開かれ、本格的な冬のシーズンを迎える駒ケ岳が今後も平穏であることを願った。

 同協会の小泉真会長をはじめ、與田敏樹教育長や坂田邦彦議長、地元住民ら約40人が参加。穏やかな秋晴れの下、宮司による祈とうがささげられ、参列者が玉ぐしを奉納して平穏を願った。参列者を代表し與田教育長は「来年3月26日には北海道新幹線が開業します。大沼公園にもこれまで以上に多くの人が訪れることから、七飯大沼国際観光コンベンション協会を中心に、大沼を訪れた人をもてなす取り組みを、これからもお願いしたい」とあいさつした。

 また祈願祭では毎回、大沼合同遊船の協力で、大沼公園広場から同神社まで遊覧船を使って参列者の人員輸送を実施。参列者は紅葉に染まる大沼湖畔や駒ケ岳の景色を楽しんでいた。(野口賢清)


◎ご当地料理堪能 「黒船」にぎわう

 食や音楽などで交流を深めて、来年3月の北海道新幹線開業の機運を高める「HAKODATE黒船2015」が25日、函館市末広町のBAYはこだてイベント広場で開かれた。道南と八戸市などのご当地料理の露店やアイドルグループのステージで、大勢を楽しませた。

 函館市内の若手経営者らでつくる「函館黒船地域活性化協議会」(小林一輝会長)の主催。7回目の今年は「先人が築き上げた魅力的な街、函館の活性化」に向けて新幹線による新たな青函圏の発展のあり方や人々の交流などをテーマにした。

 会場では12店舗が自慢の料理を対面販売。強風で肌寒い天候に見舞われたが、揚げたての「スケソ&チップス」(鹿部町)や熱々の「ホッキあんかけ焼きそば」(北斗市)「せんべい汁」(八戸市)などを味わい心身ともに温まっていた。江差や厚沢部の若者も駆けつけて特産PRに努めたほか、ステージでは北斗夢学院桜組らが華やかな踊りと歌声を響かせて大きな拍手が起きた。宿泊券や特産品など計100万円相当の景品が当たる抽選会もあり、盛り上がった。

 函館市の会社員立花恵子さん(33)は「せんべい汁の出汁がおいしかった。木古内のカレーも酸味とコクがあって良かった」と満足の様子。友だちと来場した信田柚香さん(6)も「スケソチップスが、かりかりしておいしい」と笑顔だった。(田中陽介)