2015年10月3日 (土) 掲載

◎わくわく 夜の施設見学、カルチャーナイト

 函館市内の公共施設や民間施設などを夜間開放する「はこだてカルチャーナイト」(実行委主催)が2日夜に開かれた。多くの家族連れが参加し、普段は見ることができない施設の見学や体験などを楽しんだ。

 函館商工会議所青年部(齋藤利仁会長)を中心に実行委を組織。11回目の今年は44団体が参加を予定していたが、荒天の影響で函館海保や函館国際水産・海洋都市推進機構など9団体が出展中止となった。

 初参加の渡島総合振興局は、米国ニューヨークの名門ライブハウス「コットンクラブ」のピアニストとして活躍する函館出身の加茂紀子さんらによるコンサートを実施。北海道新幹線のコーナーもあり、子どもたちは新幹線車両「H5系」の模型やパネルなどを見て、来春の開業に思いをはせていた。

 両親や妹らと同振興局を訪れた函館中央小3年の雪田浩平君(8)は「乗り物が好きなので早く新幹線に乗って東京などに行ってみたい」と話していた。 (金子真人)



◎中国「国慶節」で観光客続々

 中国の建国記念日「国慶節」の連休(1~7日)が始まり、函館市内の観光施設には大勢の中国人観光客が訪れている。免税店や百貨店は、人気商品の品数を増やしているほか、中国語を話せるスタッフを増員するなどサービスを強化し、旺盛な消費需要の取り込みを狙っている。

 連休初日の1日、函館山ロープウェイを利用した中国の団体客数は、前年同日比65%増の395人。天候不良のため、午後7時半で営業終了となったものの、多数の旅行客が訪れた。担当者は「2日は運休となってしまったが、3日以降の入り込みに期待したい」とする。

 函館朝市協同組合連合会の井上敏廣理事長は「朝から団体客が押しかけ、1人約3000円分食事をしていった。悪天候でキャンセルした国内の予約客の分を穴埋めをしてくれたね」と声を弾ませる。洋菓子店、ペイストリースナッフルス金森洋物館店にもツアー客が多数来店し、商品をまとめ買いする姿が目立った。

 〝爆買い〟する中国人客の需要を見込み、各店舗は準備万端だ。免税対応を行うサッポロドラッグストアー函館ベイ店は、売れ筋の健康食品や化粧品などの品ぞろえを強化。ピーク時となる夕方はスタッフを増員し、約10人が対応にあたる。

 ラオックス函館赤レンガ店は、海外の女性客に人気の美顔器や家電製品の在庫を増やした。同店によると、1日は最高で約30万円分買い物する客もいたという。棒二森屋は1日から、本館4階の免税カウンターに中国人の学生スタッフを配置。通訳が必要な際には、各売り場に駆け付け、接客する取り組みを始めた。

 ただ、中国経済の減速傾向を懸念する声も。市内の観光関係者は「この勢いがいつまで続くかわからない。国内の旅行客を呼び込む作戦も不可欠だ」としている。 (山田大輔)



◎函館市、「空家等対策計画」策定へ

 函館市は「空家対策特別措置法」に基づき「空家等対策計画」を策定する。周辺環境に影響を及ぼす特定空家への対処など、市民生活環境の保全につなげるほか、空き家の有効活用促進策など、中長期的な対策を盛り込む方針。計画期間は2016年度からの5年間とし、本年度中の策定を目指す。

 2日に市役所で開かれた市空き家等審議会(会長・米塚茂樹弁護士)で計画の概要が示された。

 計画骨子では、対象地区は市内全域のほか、計画期間内に重点的に取り組む地域として、西部地区や中心市街地活性化基本計画の地域を想定。空き家の適切管理の促進策として、相談体制の整備、所有者への啓発などを実施。倒壊の恐れがあるなどの特定空家の対応では、判断の基本的考えや措置の手続きを盛り込む。

 今後、同審議会で、現状分析や利活用策など、具体的な計画内容を審議。来年3月の策定を目指す。

 一方、今年5月までに全面施行となった特措法と昨年1月施行の市の空き家条例との関連を整理するため、市は12月の定例市議会に条例改正案を提出する。条例における空き家の定義、所有者への措置などの規定は法の規定に改める。

 空き家の状態は倒壊の危険性、衛生面などで4区分とし、判定基準は条例の「危険度なし・危険・著しく危険」の3段階から、今後は「著しい状態」があるかないかの2項目とする。

 また、特措法に定めのない緊急度判定の基準などは市の独自規定として、現行通り条例に定める。同審議会には対策計画についての協議といった役割を新たに加える。改正案は今月中旬に公表し、パブリックコメント募集する。 


◎低気圧で道南も大荒れ

 急速に発達した低気圧の影響で、2日の道南は荒れ模様となった。江差町では、住宅の屋根を見に行った女性(72)が強風にあおられてはしごから落下し、右足の太ももを骨折するなどの重傷を負った。厚沢部町では大型の農業用ビニールハウスが全壊する被害があった。

 函館地方気象台によると、最大瞬間風速は奥尻29・9メートル、松前28・5メートル、江差28・4メートル、函館市高松町25・7メートル。24時間降水量は午後7時までで、福島町千軒62ミリ、奥尻54ミリ、知内32・5ミリを観測した。

 北電によると、長万部や森、厚沢部など6町計201戸で停電が発生、午後4時前に全戸復旧した。

 渡島総合振興局によると、強風による倒木が北斗で3件、森で2件、函館と木古内で各1件あった。函館で工事現場の足場が倒壊、北斗で物置の屋根が飛ばされ、森で鷲ノ木小の屋外プール屋根(シート式)が破ける被害が、それぞれ1件あった。桧山振興局によると、せたなの小・中学校全8校が休校した。

 農業被害では、北斗で水稲が倒れる被害が1ヘクタール出た。JA新はこだて厚沢部支店によると、厚沢部と江差で強風により農業ビニールハウスが損壊。正午現在、厚沢部7棟、江差3棟で、主にアスパラ栽培用で被害。厚沢部富栄地区では2棟(最大で長さ50メートル×幅5メートル)が全壊した。すでに収穫を終えており、株の栄養を育んでいるところだった。町などが調査しており、詳細が判明するのは5日になる見込み。

 函館市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町)は、臨港道路が1日午後6時から超波のため通行止めとなり、2日夜に同センターで開催予定だった「はこだてカルチャーナイト」は中止された。

 同気象台は、3日も暴風と波浪などへ警戒を呼び掛けている。