2015年10月4日 (日) 掲載

◎パノラマ写真で時間旅行を/市立博物館で展示

 函館山から撮影した1892(明治25)年の町並みと現在の様子を並べて比較する特別展示が市立函館博物館(青柳町)で始まった。上下に並べた巨大なパノラマ写真を比較しながら123年の時を隔てた2つの時代の変化を体感できる。

 公立はこだて未来大学との連携事業。展示ケースを活用した「情報ブース・未来」の内容を刷新した。情報デザインコース4年の斉田萌さん(23)が「思い出コミュニケーションツール」をキーワードに企画した。

 明治のパノラマ写真は中央図書館所蔵のガラス原板から制作。現在の写真は9月に函館山から撮影した約700枚の画像をつなげた。函館は明治末から昭和初期にかけて幾度も大火に襲われたため、ほとんどの建物が焼失しているが、同じ場所に再建したケースも多い。

 明治の函館港には1896(明治29)年に解体が始まる旧弁天砲台やさまざまな形の船舶が浮かび、往時の活気を知ることができる。ブース内には「聖保禄女学校」(現在の函館白百合学園)、「ハリストス正教会」などの特徴的建物をクローズアップしたA4版のパネルがあり、手に取りながら場所を探すこともできる。

 斉田さんは「明治時代には五稜郭の北側に建物がなかったり、同じ形の道路が残っていたり素材の面白さに着目した。自分の知っている函館との違い楽しんでほしい」と話している。

 展示は1年間を予定。入館料が必要。(今井正一)



◎いか祭り始まった

 函館のイカを使った多彩な料理が楽しめる「函館いか祭り」(実行委主催)が3日、はこだてグリーンプラザ(松風町)で始まった。香ばしいにおいが漂う会場で、大勢の来場者がイカ料理を満喫した。

 イカでまちを盛り上げようと、漁業や水産加工業者らでつくる市民有志が企画し、今年で2回目。

 この日採れたイカを使った「朝イカ丼」やイカゲソの焼きそば、いかめしなどが人気を集めたほか、浜のお母さんによる「浜のイカゴロ煮」を300食限定で振る舞うブースは、香ばしいにおいに誘われて長蛇の列ができていた。

 ビールを片手にイカを楽しんだ函館市の会社員小山由紀子さん(31)は「一度にいろいろな食べ方ができて面白い。これからも続けてほしい」と話していた。

 イベントは4日も同会場で午前10時から午後4時まで開かれる。イカ塩辛丼やイカの丸焼きなどの料理のほか、さきイカや干しイカなど加工品の販売もある。問い合わせははこだてティーエムオー内の事務局(TEL0138・24・0033)へ。(稲船優香)



◎吹奏楽5団体記念演奏会、大舞台の熱演誓う

 【北斗】東日本学校吹奏楽大会や全日本吹奏楽コンクールに道南から出場する5団体の合同記念演奏会が3日、北斗市総合文化センターで開かれた。函館日吉が丘小金管バンドと北斗上磯小吹奏楽部、北斗上磯中吹奏楽部、道教育大函館校吹奏楽団、上磯吹奏楽団の5団体が、大勢の来場者を前に気迫あふれる演奏を披露した。(鈴木 潤)

 冒頭の高谷寿峰市長らのあいさつに続き演奏会がスタート。日吉が丘小をトップに上磯小、上磯中、道教育大函館校、上磯吹奏楽団の順番で課題曲や自由曲を披露した。

 各バンドとも東日本や全日本に向けて日々練習に励んでおり、舞台上でこれまでの成果を発揮。客席はほぼ満席となり、来場者は各団体の活躍に期待しながら拍手を送っていた。

 上磯中吹奏楽顧問の中條淳也教諭は「きょうの応援を力に変えてこれから本番まで丁寧に練習していきたい」と意気込みを新たにした。

 日吉が丘、上磯の2校は今月11日、札幌コンサートホールKitara(キタラ)で開かれる東日本学校吹奏楽大会小学校の部に出場。上磯中は31日の名古屋国際会議場で開かれる全日本コンクール中学校A編成に、道教育大函館校、上磯吹奏楽団は24、25の両日、同キタラで開催の同コンクール大学、職場・一般の部にそれぞれ出場する。


◎市民貢献賞創設/団体の活動や専門分野の功績対象

 函館市は福祉や産業、教育など市政の各分野で多年にわたる貢献を続ける個人や団体を表彰する新制度「函館市市民貢献賞」を創設した。市功労者表彰や市文化賞に次ぐ表彰制度の位置付けで、庁内各部局が対象者を推薦し、特別職らによる選考で決定する。

 既存の市功労者表彰制度は対象が個人に限られ、特定分野だけではなく、多分野にわたり功績が顕著と認められる市民を表彰してきた。専門分野を極めて活躍する人もいるほか、まちづくりやボランティアなど、団体として活躍している場面も多いため、新たな表彰制度を設けた。

 市民貢献賞は▽地方自治▽産業経済▽保健福祉▽教育文化▽市民活動-の5分野を設定。各分野で功績がある団体に25年以上所属し、代表の職に10年以上あった個人、公益活動期間が25年以上となる団体が表彰の目安となる。

 各部局が対象を推薦し、副市長や企業局長、教育長ら特別職で構成する選考委員会で候補者を選考。市長が受賞者を決める。各分野ごとに毎年1、2個人・団体を表彰する。

 制度開始初年度となる本年度は12月1日に表彰式を予定。2016年度以降は市功労者表彰が行われる市制施行記念日の8月1日に表彰する。(今井正一)