2015年10月6日 (火) 掲載

◎福島、鳴海町長が初登庁

 【福島】事前収賄罪で起訴された前町長の失職に伴う福島町長選で初当選した鳴海清春新町長(59)が5日、初登庁した。就任あいさつで、一連の事件で失われた町の信頼について触れ、「真心を持って精勤していけば、おのずと信頼は取り戻せる」と述べ、職員に団結を求めた。

 鳴海町長は午前9時、大勢の職員に拍手で迎えられて町役場に到着。女性職員から花束を受け取った鳴海町長は「ありがとうございます」と感謝を述べ、職員一人一人と固い握手をしながら庁舎内に入った。その後、町選管の成田寛治委員長から当選証書が手渡された。

 就任あいさつでは職員一同を前に、「この困難な状況は、町が成長する過程と捉えて前向きに自信を持って前進することが大切」と言及。「自信・元気・誇り、自立自助の精神に満ちあふれた福島町の再生のため、全職員の力で新たな福島町の第一歩を踏み出したい」と意気込んだ。

 最後には「私に与えられた4年間、挑戦する勇気と覚悟を持ち、皆さんと一丸となって町民福祉の向上に向けて全力で頑張りますので、ご協力お願いします」と訓示した。(斎藤彩伽)



◎食と芸術 秋楽しんで…11、12日にヒトハコ市&アートイベント

 まちづくり五稜郭(久保一夫社長)は11、12の両日午前11時から、函館市五稜郭町の道立函館美術館と市芸術ホール前広場で、毎月恒例のチャレンジマーケット「ヒトハコ市」を開く。昨年に続き、秋の特別企画として、道南で活躍するアーティストが音楽や絵画などを披露するイベントも同時開催。グルメと芸術を楽しんでもらう。

 ヒトハコ市には飲食店や雑貨店など約25店が出店。初登場の「Cafe JACK」(高丘町2)は、オリジナルメニューの「ジャックライス」を500円で提供。トマトジュースとスープで炊いたご飯の上に、ひき肉の入ったカレー風味のあんをたっぷりかけたのが特徴で、オーナーの関吉美さん(40)は「何度食べても飽きない味が学生に大人気」と話す。

 「アートライン 藝術の小路」と題したイベントは、函館・近郊の芸術家11人が絵画や陶器などを展示。音楽パフォーマンスもあり、地元で活躍する「YOSHIMURA4」など11組が、ジャズや弾き語りなどで会場を盛り上げる。このほか、プラスチックの板を使ったキーホルダー作りなども用意する。

 アート部門の責任者で、自身も作品を並べる佐々木洋輔さん(35)は、「さまざまなジャンルの作品を一度に楽しめる絶好の機会。気軽に足を運んで」と来場を呼び掛けている。

 午後5時まで(12日は同4時まで)。期間中、同美術館で開催する特別展の入場料が割り引きになるほか、常設展は無料で見ることができる。問い合わせは同社(☎0138・56・1110)へ。(山田大輔)



◎「手ぶら観光駅前朝市店」開設へ、函館タクシー

 函館タクシー(函館市日乃出町、岩塚晃一社長)は15日、函館市内の宿泊施設に手荷物配送サービスを行う「はこだて手ぶら観光駅前朝市店」をJR函館駅前に開設する。来年3月26日に開業する北海道新幹線の利用客を取り込む狙いだ。

 同社は2011年7月から、函館空港の到着ロビーで旅行者の荷物を市内の宿泊先まで配送するサービス「はこだて手ぶら観光」を展開。大手旅行代理店との提携などで年々利用を伸ばし、現在は月平均800個ほどの取り扱いがあるという。

 新幹線開業によって函館駅前での需要が拡大すると判断し、出店に踏み切った。ロワジールホテル函館(若松町)と同じビルの1階に設置し、開業後は月2000個の利用を目標としている。営業時間は午前7時から午後4時まで、料金は1個500円(往復は950円)。対象は旧4町村を除く函館市内の宿泊施設。

 同社は「新幹線の開業によって、函館駅も大幅な利用増が見込まれることから、旅行者の需要を取り込んでいきたい」としている。

 同社では新幹線関連事業として、開業後に新函館北斗駅―函館空港間を結ぶシャトルバスの運行も予定している。(金子真人)


◎8、9に全国自治体病院学会…函館初

 第54回全国自治体病院学会(全国自治体病院協議会、全国自治体病院開設者協議会主催)が8、9の両日、函館アリーナ(以上湯川町1)などで開かれる。函館では初めての開催で、道内では2007年以来8年ぶり。医療にかかわる講演会やシンポジウムのほか、9日には一般市民向けに、2010年にノーベル化学賞を受賞した北大名誉教授の鈴木章氏らの講演会も予定されている。

 同アリーナでの大規模コンベンションの開催は初めて。全国各地の自治体病院の専門職ら約3000人が参加、「地域を支える自治体病院~超高齢社会に向けて住民と共に歩む~」を学会テーマに、医療従事者が果たすべき役割や将来像など議論を深める。市立函館病院が事務局を担い、木村純院長が学会長を務める。

 函館アリーナのほかに市民会館(湯川町1)、花びしホテル(同)も会場となり、2日間でシンポジウム2題、10の専門分科会を開催するほか、アリーナでは一般演題発表(ポスターセッション)も繰り広げられる。

 9日は午後2時15分から市民会館で市民公開講座を開催し、鈴木氏と旭山動物園園長の坂東元氏が講演する。聴講無料。

 木村院長は「オール北海道で準備を進めてきた。学会を通してこれからの自治体病院の在り方について議論が深まれば」と話している。(鈴木 潤)