2015年10月7日 (水) 掲載

◎スケトウ初漁振るわず

 道南太平洋海域(渡島、胆振、日高管内)のスケトウダラ刺し網漁が始まり、渡島のえさん(椴法華)、南かやべ、鹿部の3漁協で6日、計53・5トン(速報値)の初水揚げがあった。初日の漁獲は前年(303トン)に比べ極端に少なく、振るわなかった。

 漁場形成の早いえさん、南かやべ、鹿部は1日から操業予定だったが、今年は爆弾低気圧の接近で荒天が続き、5日午前0時に操業開始となった。

 函館市南茅部地区の各漁港には、午前4時ごろから船が戻り、すり身やタラコの原料となる褐色のスケトウを家族総出で刺し網から取り外す作業に追われた。

 木直の伊豫部喜晴さん(57)は「魚群の反応が薄い。魚の型は良いが、今でこれだけの量しか捕れないので、次の魚の来遊を待つしかない」と話した。尾札部の佐藤好一さん(63)は「初漁としては不調。水温が高いことが影響しているのではないか。水温が下がって好漁になってほしい」と願った。

 道南太平洋での本年度のTAC(漁獲可能量)は前年度より2100トン増の4万8100トン。渡島、胆振の採捕数量は10月8000トン、11月9000トン、12月1万9000トン。10月に好漁が続いて8000トンを超えそうな場合は、12月分を3000トン前倒しする。

 道総研函館水試の調査(8月29日~9月2日)では、魚群反応の強い海域は登別~白老沖にあり、漁期の初めとしては渡島の漁獲は厳しい見込み。(山崎大和)



◎ワインの仕込みピーク、はこだてわいん

 【七飯】はこだてわいん(尾山政美社長)で、ワインの仕込みが最盛期を迎えている。ブドウの甘い香りに包まれた町内上藤城の工場では、社員が良質なワインの製造を目指し、作業に精を出している。

 仕込みは、例年とほぼ同時期の9月19日から開始。同社が仕込みに使うブドウの大半は、厚沢部町や後志管内余市町の契約農家から届けられる。

 6日は、同管内仁木町の農協から届いた白ワイン用の「ナイアガラ」約7トンを作業員が、次々とベルトコンベヤーに載せていた。機械で茎を取り除き、搾った果汁は醸造用タンクに貯蔵。酵母を入れて約3週間発酵させた後、需要に応じて瓶詰めされる。

 温度管理など醸造過程の作業は、高い技術を持つベテラン社員が担当。ブドウの糖度は品種や天候条件によって異なることから、細心の注意を払っているという。佐藤恭介部長は「今年は日照と寒暖差の条件がそろい、例年よりブドウの品質は良い」と話す。仕込みは11月上旬まで続く。(山田大輔)



◎耐震設計の問題点指摘…大間原発差し止め訴訟

 【東京】函館市が国と電源開発(東京)を相手取り、大間原発(青森県大間町)の建設差し止めを求めた訴訟の第6回口頭弁論が6日、東京地裁(増田稔裁判長)で開かれた。市側は「基準地震動の評価に不備がある」などとして大間原発の耐震設計の問題点を指摘するとともに、使用済み燃料プールの危険性も挙げ、改めて建設差し止めを訴えた。

 この日の弁論では、原告弁護団の只野靖弁護士が耐震設計の問題点に関して約15分間のプレゼンテーションを実施した。

 電源開発は昨年12月、原子力規制委員会に対して新規制基準への適合審査を申請した際、基準地震動を従来の450ガル(加速度の単位)から650ガルに引き上げている。これについて、同弁護士は「電源開発は44個の地震で107の観測記録を取ったが、いずれも平均値がベースになっている。すでに起きた地震では最大値を取るべきだ」と述べ、同社が地震の揺れを過小評価していると批判した。

 さらに同弁護士は、同原発の北側海域に巨大な海底活断層の存在が指摘されているにもかかわらず、耐震設計上全く考慮されていないと指摘した。

 原告弁護団はこのほか、準備書面を通じて大間原発における使用済み核燃料プールの危険性を指摘。「同原発では使用済み核燃料プールが格納容器の外にあり、建屋にしか守られていないことが何よりも危険」と強調した上で「外部からの衝撃に弱く、大地震や大型の竜巻など自然災害に対する備えが不十分。過酷事故の発生を防ぐための適切な措置が講じられていない」と結論付けた。  また、裁判の最初の争点となった原告適格(=市が訴える資格)に関し、新たに専修大学法学部の白藤博行教授が意見書を提出。「市には防災計画を作る必要があり、もし大間原発がなければ余計な手間ひまをかける必要がない。計画を作るためのコストの損失が生じ、公の施設の管理運営に支障が生じる」などとして、市に原告適格があるとした。

 一方、同社の原子炉設置許可変更申請を受けて、市が訴えの内容を一部変更したことに対し、国は準備書面を通じて訴えの却下を求めた。「規制委の審査が進んでいない状況からすれば、現時点で設置許可処分がされる蓋然性(=実現するか否かの確実性の度合い)は認められない」などと主張している。

 次回の口頭弁論は来年1月19日午後3時から、同地裁で開かれる。(千葉卓陽)


◎年賀はがき到着、道新幹線デザイン初採用

 2016年用年賀はがきの第1便が6日、道内のトップを切って函館市新川町の函館中央郵便局に到着した。年賀はがきは今月29日に全国一斉に発売となる。このうち道内版絵入りはがきのデザインには来年3月26日に開業する北海道新幹線「H5系」を初めて採用した。

 午前9時、年賀はがきを積んだコンテナが到着し、同局の社員らが受け入れ作業に当たった。同局には道南66局分計287万枚(段ボール716箱分)が届いた。このうち段ボール325箱分を松前や七飯大沼方面などに配送。残りを同局で扱う。

 函館市内、近郊の郵便局では、H5系をはじめ「ハローキティ」のデザインなど種類を1枚52~62円で販売。今年から、パソコンやスマートフォンで専用サイトにアクセスして好みのキャラクターを選んで注文できる「ウェブキャラ年賀」を新たなサービスとして実施する。

 同局郵便部の鎌田太部長は「手紙からはメールにはないぬくもりが伝わる。年賀状を書くことで手紙文化を思い起こす契機にしてほしい」と話した。

 年賀郵便の引き受けは12月15日から。(鈴木 潤)